セーラー服で社会を「はみ出していく!」8年目のブレイク、新しい学校のリーダーズが“信じて貫いた”こと

2023.6.9
セーラー服で社会を「はみ出していく!」8年目のブレイク、新しい学校のリーダーズが"信じて貫いた"こと

文=笹谷淳介 撮影=髙木美佑 ヘアメイク=YOUCA


YouTubeで初めて彼女たちの動画を観たときの衝撃が忘れられない。中毒性の高いユニークな楽曲。髪を振り乱して踊る、パワフルでクセになるダンス。2020年にリリースした代表曲「オトナブルー」はTikTokで関連動画再生数4億回を叩き出した。

今、新しい学校のリーダーズは“社会現象”になる一歩手前にいる。ダンスの振りつけも、ライブの構成も、決めるのはすべて自分たち。その表現はすべて、楽曲や周囲の環境との掛け算によって生まれてきた。

「このメンバーなら、アイデアは無限大なんです」と堂々と言い切る4人。その自信に満ち溢れた表情は、彼女たちがど真ん中に立つ時代の到来を予感させる。

※この記事は『クイック・ジャパン』vol.166(2023年4月27日(木)より順次発売)掲載のインタビュー企画「途中の人」を転載したものです。

「セーラー服を身に纏って、日本のカルチャーを発信する」新しい学校のリーダーズの“途中のこと”
(上から)SUZUKA 2001年生まれ。大阪府出身/KANON 2002年生まれ。群馬県出身/MIZYU 1998年生まれ。東京都出身/RIN 2001年生まれ。埼玉県出身

新しい学校のリーダーズ
全曲メンバー振りつけのパワフルなライブが武器の4人組ダンス&ボーカルユニット。2015年に結成し、2021年、88risingより世界デビュー。2020年にリリースされた代表曲「オトナブルー」が大ブレイク! 満を辞してアップされたMV再生数が2000万回を超え、TikTokの関連動画再生数は25億回となっている。2023年10月29日には初めてのアリーナワンマンライブが決定している。


どこでも青春ど真ん中!

──2021年に88risingより世界デビューを果たし、海外でのライブも経験されました。ここ数年でグループの置かれている立場が大きく変化したと思いますが、この流れを予想されていましたか?

SUZUKA 「オトナブルー」がまさかこのタイミングでバズるとは予測してなかったですけど、ずっと私たちがやっていることを時代が面白がってくれるときが来るとは信じていました。

KANON そうだね。でも「やっと来た~」という感じじゃない?

SUZUKA 常に、「1カ月後には私たちの流れが来るんじゃない?」という感覚はあったよね。

KANON それを信じて、自分たちを貫き通してきたしね。でも、「オトナブルー」がきっかけだとは思わなかった(笑)。

ATARASHII GAKKO! - オトナブルー(Official Music Video)

──なぜこのタイミングで既発曲である「オトナブルー」がフォーカスされたと思いますか?

SUZUKA TikTokの存在は大きいと思います。TikTokができてから日本にもダンスの文化が根づいたと思うし、面白いダンスを日常的に探しているから。その中で私たちの首振りダンスを見つけてくれた方々が、「このダンス面白いやん!」「この子たちなんか見たことある!」という感じで、MVや音源を聴いてくださることにつながったのかなって。

KANON 実際「オトナブルー」が流行るまでは私たちのことをTikTokerだと思って見ていた人もいると思うけど、今回でようやくアーティストだと認知してもらった気がしますね。

RIN あと、個人的に思うのはTikTokを観て「踊りたい」と思うユーザーのダンススキルもアップしたと思うんです。たぶん、数年前なら首振りダンスにはみんな挑戦してないと思う。ユーザーの踊りたい欲とスキルの上昇も影響しているのかなって思います。

──活躍の裏には、みなさんがTikTokをはじめとするSNSとポジティブに向き合えていることも要因だと思っていて。ただ現在のSNSはネガティブな側面が先行している気もしているんですが、みなさんのようにポジティブに向き合えるコツは?

MIZYU そもそも4人がネガティブな空気を嫌うんですよ。なにか解決しなきゃいけないことが起きても過去を後悔するんじゃなくて、次どうするかということをずっと考えているし。ライブの反省のときも「反省~♪」と語尾に音符をつけるとポジティブになるというか(笑)。前向きな言葉に変換していくことが、向上心にもつながっていると思う。

KANON 4人でいることにすごく自信を持っているんだと思います。だから仮にアンチの方がいても気にしない。

RIN もちろん人間だから感情の波はあるけど、そんなときもメンバーが手を引っ張ってくれる。「深呼吸しよう」と言ってくれる人がそばにいるからこそポジティブでいられるんだろうね。

SUZUKA SNSに関して言えば、本当にSNSが自分たちの可能性を広げてくれたと思っているから、純粋にめちゃくちゃ楽しんでやってるよね。ほんまに「とことん使ってやろうぜ!」みたいな(笑)。

RIN SNSにはいろんな問題もあるかもしれないけど、きっとそれはマイナスの使い方をしているだけで、プラスの使い方をすればとてもいいものだし、みんなの未来が詰まっているものな気がします。解釈の仕方で、すべて変わる。

「セーラー服を身に纏って、日本のカルチャーを発信する」新しい学校のリーダーズの“途中のこと”
「こんな紙いっぱい出して、怒られるんちゃう?」とSUZUKA。MIZYUはオフィスの雰囲気に興味津々の様子

──これだけ日々新しいことをしていると、アイデアは枯渇しないのか?って心配したりもするんです。新しい学校のリーダーズの、アイデアの根幹はどこにあるんですか?

KANON 今日の撮影でも思ったけど、それぞれの私生活でインスパイアを受けたものを落とし込むことがいっぱいあるんです。音楽にしろ、撮影の場所にしろ、自分たちのアイデアとほかの材料がひとつ混ざっただけで、化学反応を起こせるのが私たちだと思うので。その材料はどんどん増えていく一方で、アイデアが浮かばなくなることはないんじゃないかなと思います。

SUZUKA 音楽でも、場所でも、人でも、掛け算の相手がいれば、答えは無限大みたいな。それはもう運命じゃないですか、掛け算の相手が来るっていうのは。

RIN 「なんでも面白くできる」っていうイメージがつくのも、それもそれでよかったりもするしね。

SUZUKA 掛け算の相手は、いつでも待ってますよ。募集中!

──ここ数年で変化したこと、変わらないことはありますか?

SUZUKA 大事にしているのは、セーラー服を身に纏って、日本のカルチャーを発信すること。そして「個性と自由ではみ出して行こうぜ、青春はいつでもあるんだよ」というメッセージは変わってない。ただ進化はし続けていて、挑戦する音楽のジャンルやパフォーマンスの幅は毎回広がっていますし、海外進出したことで視野がグッと広がったしスケールも広がったと思います。

MIZYU 結成して8年ですけど、4人の関係性はずっと変わり続けていて。そのときの4人に合った4人のあり方をずっと模索している感覚はあります。その中で、アメリカで共同生活を2カ月半したことが大きなきっかけになっていて。生活をともにすると心の距離も近くなるし、人間の奥底まで知ることができるから愛が生まれてくる。「個性と自由ではみ出して行こう」というテーマとメンバーの愛がつながってきた印象があるんです。今の4人のあり方がすごく気持ちいいし、自分たちには合っているなと思います。

「セーラー服を身に纏って、日本のカルチャーを発信する」新しい学校のリーダーズの“途中のこと”
撮影は編集部のオフィスで行った。山積みの本を目の前に「いっぱい本がある! 当たり前か(笑)」とKANON。RINは本誌のバックナンバーを見つけて「家の本棚で見たことある!」と興奮

──2023年はグループにとってどんな1年になると思いますか?

SUZUKA 想像がつかない年。奇想天外な年にしたいなって思います。

KANON まだ4月ですけど、2023年は本当に濃厚すぎて。それがあと8カ月も続くと思うと、これからもきっといろんなことが起きるんだろうなと思う。今決まっている予定に向かっていくのも楽しみだし、きっとその間にもっといろんなことが入ってくるだろうから、自分ももっと成長しなきゃいけないなと思うし、4人で楽しむことをもっと楽しみたいし、来たものに物怖じせず、全力で立ち向かって行けたらいいなって思います。

MIZYU そうだね、これからもずっと4人で一緒にいるんだろうなってことは漠然と確信はしてるから、楽しめたらいいという感じですね。楽しみにしていることぐらいしか断言できない感じです!

──みなさんは今、「途中のこと」はありますか?

SUZUKA ワンマンライブ(2023年4月30日、5月1日、5月2日に開催)に向かう途中。大事なワンマンライブになるやろなって思うんですよ。3日連続は初めてのことだし、大きな節目になると思うから日々、全力疾走している感じです。

RIN 人生のゴールをおばあちゃんとしたとき、私はその途中なのかなと。まだまだ序盤ですけど、MIZYUとも「おばあちゃんになったときに孫に『こんなことをしていたんだよ』って言いたいね」と話していて。

MIZYU 4人の思い出も激しく踊っていたこともいずれは思い出になっていくわけで。そんな思い出を自分の子供や孫に伝えてあげたいんです。

RIN そこまでもっといろんなことを経験して、自分の心やいろんなものを豊かにしていく途中です。

新しい学校のリーダーズ、初アリーナ!ワンマンライブ at 東京体育館概要

「セーラー服を身に纏って、日本のカルチャーを発信する」新しい学校のリーダーズの“途中のこと”

新しい学校のリーダーズ、初のアリーナ公演が決定!最新情報は公式ウェブサイトにて。
■日時:10月29日(日)16:00開場/17:00開演
■場所:東京体育館(東京都渋谷区千駄ケ谷1-17-1)
■チケット情報:新しい学校のリーダーズ OFFICIAL WEBSITE


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