「演技をしながら嘘もついて」BEYOOOOONDS・山﨑夢羽が恥じらいを乗り越えた日

2023.5.24
「演技をしながら嘘もついて」BEYOOOOONDS・山﨑夢羽が恥じらいを乗り越えた日

文=原 航平 撮影=まくらあさみ


デビュー曲「眼鏡の男の子」から演技シーンが組み込まれるなど、BEYOOOOONDSの活動と切っても切り離せないのが演劇だ。昨年11月には、グループ5度目となる主演舞台『ビヨサイユ宮殿』を成功させた彼女たち。さまざまな形のパフォーマンスにメンバーと向き合うなかで、グループにも変化が……?

デビューから4年のBEYOOOOONDS・山﨑夢羽に、“演技”をキーワードにグループの今を聞いた。

※この記事は『クイック・ジャパン』vol.166(2023年4月27日(木)より順次発売)掲載のインタビューを転載したものです。

山﨑夢羽
2002年生まれ。愛知県出身。グループ内ユニットは雨ノ森 川海。『ビヨサイユ宮殿』は山﨑にとって4度目の主演舞台


メンバーに見せる自分、見せない自分

──ニューシングルのうち「夢さえ描けない夜空には」は、吹奏楽の迫力のある演奏のもとで歌い上げられる人生の讃歌です。作詞の児玉雨子さんは「メンバーの表現力を信頼して、他者を慈しみ愛する歌詞を書きました」というコメントを残されていましたね。

山﨑 そう言っていただけてすごくうれしかったです……。最初、この曲をどう表現して歌おうかすごく考えたんですけど、あまり深く頭で考えすぎずに、今までBEYOOOOONDSとして活動するなかで感じてきたことをそのまま出すことにしました。この曲の完成音源を初めて聴いたとき、みんなの声が良すぎて、改めてこの子たちと一緒に活動できて幸せだなって思ったんです。「この声いい! この声もいい!」って、みんなでほめ合ったんですよ(笑)。

──ミュージカル調の楽曲で、きっと演劇女子部での活動が生かされている部分もありますよね。

山﨑 それはすごく感じています。児玉さんが言ってくださった表現力は、演劇を通してたくさんお芝居を経験することで培われてきたものだと思うので。私は恥ずかしがり屋で、最初は演じることにも少し恥じらいがあったんです。でも、BEYOOOOONDSとして活動するなかでメンバーたちが全力でセリフを言ったり表情を工夫したりしているのを見て、そこから学ぶことが多くて。

──どのタイミングで演技への恥じらいがなくなったのでしょう。

山﨑 恥ずかしがってるほうがカッコ悪いから、「頑張ろう」っていう気持ちでずっとやってきたんですけど……。昨年の『ビヨサイユ宮殿』でやっと恥じらいをなくせたかもしれないです。今までも演じることは楽しいと思ってたけど、やっと自我を出せるようになったのがこの舞台で。公演ごとにセリフのニュアンスを変えてみたり、いろいろなことに挑戦できたんです。マリー・アントワネットという大切な役柄をいただいたので、自分が一番自信を持ってみんなを引っ張っていこうって、常に心がけて過ごしていました。

──余談ですが、山﨑さんは日常生活でも演じている役柄に引っ張られたりしますか?

山﨑 公演期間中、しゃべり方とかは役みたいになっちゃいますね(笑)。ほかのメンバーも、ちょっと男の子っぽい役の子は座り方まで男の子っぽくなったりとか。それを楽しみながら、役に入ったままみんなで人狼ゲームをしたことがあるんですよ。演技をしながら嘘もついて。

──かなりハイレベルですね。どなたがそんな素晴らしい案を?

山﨑 私です(笑)。「役あり人狼ゲーム」というのをいつかできないかなとずっと考えていたんです。普段から遊びやゲームを考えるのが好きで、いつも頭の中でいろいろ想像してるんですけど……。いつかイベントとかでも実現できるといいですね!

──アイデアマンとしての一面が発揮される場面を期待しています! 話は戻り、BEYOOOOONDSはメジャーデビューから約3年半が経って、表現力を含めて成熟した面が出てきていますよね。

山﨑 高校生以下のメンバーがいないので、「もうみんな大人になったんだね」ってよくグループ内でも話すんです。でもいつまでもフレッシュさは持ち続けたいと思っていますし、一方では大人っぽさも見せられたらなって。楽屋とかも以前はうるさいイメージがあったんですけど、最近は結構、落ち着いてきていて(笑)。あんまりみんな、悩みとかも言葉にしないんですよね。でも、言わなくても心は通じ合っているというか。なにか不安を抱えてそうな子がいるとすぐに気づいて支え合ったり、みんな優しいんです……!

──山﨑さんも、あまりメンバーに甘えたりはしないんですか。

山﨑 長く過ごしてきたからこそ、あまり弱いところは見せたくないって思うんですよね。私の場合、表には出ない仕事であっても、常にしっかりメイクをして髪の毛を決めていったりするんです。みんなに、どんなときでもかわいいなって思ってもらいたいから。演技とかダンス練習とかでも、みんな「これできるかな……」と口には出すんですけど、いざやってみると完璧にこなしちゃう子ばかりで。裏で努力しているんだと思いますし、その姿に刺激を受けるんですよね。みんなすごいんです。

──今後の活動で挑戦したいことはありますか。

山﨑 私はみんなでアカペラに挑戦してみたいです! 一曲丸々、私たちの口から出る音だけで表現することができたら、また新しい強みになるんじゃないかなと思います。あと、みんなの特技がいろんな仕事につながっているのを見て、私もいつかなにかにつながるような特技を手に入れたいなって思います。メンバーそれぞれが個性的すぎて、自分にはなにがあるんだろう……と考えたりもするんです。でも改めて考えたときに、やっぱり私は「歌」なんじゃないかなって。自信を持って、BEYOOOOONDSを歌で引っ張っていける存在になりたいですね。

「演技をしながら嘘もついて」BEYOOOOONDS・山﨑夢羽の“今”を培った演劇女子部での活動
左から小林萌花、山﨑夢羽、一岡伶奈/『クイック・ジャパン』vol.166より

コンサート&イベント情報

『Hello! Project 2023 Spring CITY CIRCUIT』

6月までツアー中、BEYOOOOONDSは5月27日(土)の宮城公演に参加!
ツアー詳細はこちら

『M-line Special 2023 ~Magical Wish~』

現在開催中の『M-line Special 2023 ~Magical Wish~』に、BEYOOOOONDS島倉りか・西田汐里・山﨑夢羽のゲスト出演が決定!
■6月17日(土)埼玉公演 参加メンバー:佐藤優樹 / 宮崎由加 / 島倉りか
■6月25日(日)愛知公演 参加メンバー:佐藤優樹 / 宮崎由加 / 山﨑夢羽
■7月1日(土)大阪公演 参加メンバー:宮崎由加 / 西田汐里
その他、イベント詳細はこちら


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原航平

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原 航平

(はら・こうへい)ライター/編集者。1995年生まれ、兵庫県出身。映画好き。『リアルサウンド』『クイック・ジャパン』『キネマ旬報』『芸人雑誌』『メンズノンノ』などで、映画やドラマ、お笑いの記事を執筆。 縞馬は青い

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