“ダサ過ぎる”と言われたコンビ名「素敵じゃないか」を採用した理由【大舞台で響かせたい】

素敵じゃないか

文・編集=梅山織愛


神保町よしもと漫才劇場に所属するお笑い芸人に自身の“出囃子”について聞く連載「大舞台で響かせたい」。今回は素敵じゃないかが登場。

コンビ名と同じ名前の楽曲を出囃子としても使用するふたり。「素敵じゃないか」に出会ったきっかけやコンビ名にまで採用した理由を聞いた。

素敵じゃないか
柏木成彦(かしわぎ・なるひこ/1990年5月14日生まれ、大阪府出身)と吉野晋右(よしの・しんすけ/1990年5月14日生まれ、大阪府出身)によるコンビ。2014年に「バニラボックス」としてコンビ結成。2020年8月にコンビ名を「素敵じゃないか」に改名した。『M-1グランプリ』では3年連続準々決勝進出。

素敵じゃないか
素敵じゃないか(左・柏木成彦、右・吉野晋右)

素敵じゃないかの出囃子 ザ・ビーチ・ボーイズ「Wouldn’t It Be Nice(素敵じゃないか)」

──出囃子も「素敵じゃないか」とのことですが、コンビ名と出囃子どちらが先に決まったんですか。

吉野晋右(以下、吉野) 改名したのは2020年ごろで、前のコンビ名が「バニラボックス」っていうんですけど、そのときからこの出囃子は使ってます。もともと、柏木が好きな曲なので。

柏木成彦(以下、柏木) 世界一好きな曲です。ビーチ・ボーイズはどう考えても世界一のバンドなんで。

──柏木さんがこの曲を好きになったきっかけは?

柏木 学生時代に『50回目のファースト・キス』っていう映画を観たときです。そのときビーチ・ボーイズのことはまったく知らなかったんですけど、この曲が流れてきたときに「なんだ、この曲!」って。それまではそのとき流行っていたRIP SLYMEとかORANGE RANGEとかを聴いてたんですけど「これが世界の本物やん」ってビビっときました。それまでの感性がひっくり返りましたね。今でも自分の中ではビーチ・ボーイズが一番です。ビーチ・ボーイズ知らなかったら芸風も変わってたと思います。

──吉野さんは柏木さんに出会う前からこの曲をご存じだったんですか。

吉野 僕はまったく知らなかったですね。でも、今では携帯にも入ってるくらいこの曲は気に入ってます。

──この曲を出囃子に採用したのはいつごろだったんですか。

吉野 最初は出囃子ではなく単独のエンディング曲として使う予定だったんです。でもそのとき、すごくいい曲だなと思ったので柏木に「このまま出囃子もこの曲にしちゃおうよ!」と提案しました。

──その前は何を使っていたんですか。

吉野 レイ・チャールズの「Hit the road Jack」って曲です。めちゃくちゃかっこよくてこれも評判がよかったんですけど、ちょっとカッコよ過ぎるなって思ってて。

柏木 空気階段さんとか男性ブランコさんみたいなおしゃれコント師に似合いそうな曲でしたね。僕らは「お姉ちゃんがどう」とかいう漫才をやるんで、カッコよ過ぎるのは合わないなと思いました。

吉野 ネタのハードルも上がっちゃうんで。

──ではコンビ名も「素敵じゃないか」にしたきっかけは?

柏木 バニラボックスってつけたときは、ビーチ・ボーイズみたいな響きでいいなと思ったんですけど、やっぱりダサかったのでずっと変えたくて。それで心機一転、コンビ名を変えようって話したら、吉野が「素敵じゃないか、どう?」って言ってくれました。

吉野 柏木が一番気持ちよく出られる名前がいいんじゃないかって思って提案しました。

柏木 最初に言ってきたときはコンビ名が素敵じゃないかってダサ過ぎるんでいったん断りましたけどね。

吉野 そうなんですよ。こんだけ歩み寄って否定されるとは思わなかったので、めちゃめちゃムカつきましたね。

柏木 すごいうれしかったんですよ。でも、冷静になって考えてみたらコンビ名が素敵じゃないかってダサ過ぎるなと。だけど、とりあえず一回やってみようと改名したら、やっぱりまわりの芸人から「ダサ過ぎる」とか「同期の芸人がひとり死にました」って言われました。

吉野 「お前ら素敵でもなんでもないやんけ!」とか言われましたね。あと「素敵じゃないか」って関西弁で言ったら「素敵やんけ」とか「素敵やんか」なんですよ。僕ら、おもくそ関西弁のコンビなんで、そこも違和感あるって言われました。

──改名に踏み切ったきっかけはなんだったんですか。

吉野 ずっと柏木が気に入ってなかったんですよ。

柏木 バニラボックスってダサ過ぎるもん。

吉野 バニラボックスは柏木が決めたんですけどね。まあ、僕も変えたいなとはずっと思ってたんですけど。でもめんどくさいし、これで活動してきちゃったからもうええんちゃうって思ってました。そしたら、柏木が改名しようって提案してきたんで、まぁやるかって。

柏木 バニラボックスってNSCのとき、ネタ見せのエントリー用にコンビ名を書かなきゃいけなくて仮で書いたコンビ名だったんですよ。だけどそこからずるずるきちゃってたので、コロナ禍になったくらいのタイミングで改名しようかと。

吉野 僕はバニラボックスのとき、バニボさんとか略されてたのが特に嫌だったんですよ。ダサいんで。今は「素敵」とか「素敵さん」とかって呼んでもらえるんで気に入ってます。

後輩に学ぶ“後輩のやり方”

──おふたりは神保町劇場に所属となったときから一番上の芸歴ですが(当時は芸歴7年目以下の芸人が所属)、この劇場の所属になると聞いた当初はどんな心境でしたか。

柏木 先輩からいろいろ学ぼうと思っていた時期だったので、劇場の一番先輩になるのは動揺しました。

吉野 僕はめっちゃ嫌だったので、行きたくないってめっちゃゴネました。でもいざ来てみたら思ったよりいい劇場だったので、その感情はすぐになくなりました。

柏木 フタを開けてみたら、後輩から学ぶことのほうが多くて。今ではここを卒業するまでに学べるものは全部学ばなきゃなって思ってます。

──後輩から学んでいることとは?

吉野 後輩から後輩のやり方を学んでます。先輩にはこうやったほうがいいんやなって。こうしたら好かれるんやなって。

柏木 ぺんとはうすの世良(光治)ってめっちゃ後輩力が高いやつがいるんですけど、そいつからはここまでやるとうさん臭くなるんだなとか、これはやり過ぎかもとか学んでます(笑)。

吉野 そやな。失礼ボケとかここまでいくとムカつくなとか自分で感じて学んでるな。ここで学んだことは次に生かしたいですね。

──特に慕ってくれている方は?

吉野 ぼくらは……慕われてないですね~。でもネイチャーバーガーとかは大宮でもユニットで一緒だったりするのでたぶん、ぼくらのこと好きです。たぶん。

──先輩後輩というより、仲間意識のほうが強いんですか。

柏木 最近、ヨネダ2000の誠とタイムマシーンはどうやったら作れるのかっていうのを1週間くらいずっと話してたんですよ。磁石とかでかいダイヤモンドは必要そうだなとかいろいろ話してたんですけど、YouTubeで「時間とは人間が作った幻想の概念である」って証明してる動画を観ちゃって、タイムマシーンできへんわ!って思ったんです。でも誠ならこの動画の内容を否定してくれるかもしれないと思って次の日、すぐに観てもらったんですけど、誠も「柏木さん、やっぱりタイムマシーンできないです」って。こんな話とかよくしてます。

吉野 なんの話やねん!

倒したい先輩の存在

──おふたりが憧れる先輩は?

柏木 憧れというか、オズワルドさんは倒したいですね。畠中(悠)さんとはずっとルームシェアをしてるんですけど、畠中さんは今、ひとり暮らし用の家も借りてるので、全然帰ってこないんです。だけど、家賃は払いつづけてくれてて。だから早く追いついて、ちゃんとお金を返したいですね。オズワルドさんは『M-1グランプリ』で4年連続決勝行きはったんで、その差を埋めるには先に優勝するしかないと思ってます。ほんまにそろそろ追いつかないとですね。

──『M-1』に向けて今年も1月から単独公演『漫才沙汰』を毎月開催されるそうですね。

柏木 『漫才沙汰』は毎年、冬にやってて今年3年目です。今までは2月から6月の5カ月間でやってたんですけど、6月までやってると『ABCお笑いグランプリ』に間に合わないので、今年からは1カ月前倒ししてやることにしました。『ABC』は今年ラストイヤーなので優勝したいです。『ABC』で優勝できたら『M-1』でもチャンスがあると思うので。

──会場限定で新ネタを磨いていくと。

吉野 配信は単純に売れないのでやらないです(笑)。劇場のみだったら、劇場が完売すれば「やったー」ってなるじゃないですか。でも、劇場完売しても配信が2枚とかだったら嫌なのでやらないです(笑)。

柏木 あと、昨年につづいて今年も夏に大阪で単独ライブをやりたいので、そのためでもあります。大阪の単独では『漫才沙汰』でよかったネタをやるので、そのお客さんに新鮮に観てもらいたいなと。

『漫才沙汰』

日程:2023年1月28日(土)19:45開場/20:00開演
会場:神保町よしもと漫才劇場


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梅山織愛

(うめやま・おりちか)1997年生まれ。珍しい名前ってよく言われます。編集者・ライター。自他共に認めるミーハーなので、いろいろハマりますが、アイドル、お笑いが特に好きです。あと、チョコレートも詳しいです。

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