Novel Coreが辿り着いた“No Pressure”という心境「自分にかかる重圧を愛せるようになった」

2022.8.15
Novel Core

文=坂井彩花 撮影=山口こすも 編集=森田真規


SKY-HI(スカイハイ)が代表を務めるマネジメント/レーベル「BMSG」の第1弾アーティストであり、『BAZOOKA!!! 第12回高校生RAP選手権』にて歴代最年少での優勝など輝かしい経歴を持っているNovel Core(ノベルコア)。スキルフルなラップは今もなお進化をつづけ、最近ではシンガーとしての成長も目を見張るものがある。

そんな彼が、8月3日に2ndアルバム『No Pressure』を発売した。2021年12月リリースのメジャー1stアルバム『A GREAT FOOL』から約7カ月しか経っていないにもかかわらず、楽曲から放たれる空気感はガラッと変わっている。いったい彼に、どのような変化があったのか。何を感じ、何を想い、この数カ月間を過ごしてきたのか。

そして、本インタビューで「このアルバムは未来への切符になった感じがしている」と語ったNovel Core。そんな『No Pressure』という作品を紐解くヒントになる話を聞いた。

『A GREAT FOOL』からの半年間

──昨年の12月15日に『A GREAT FOOL』がリリースされてから『No Pressure』のリリースに至る約半年間、どのように過ごされていましたか?

Novel Core 『No Pressure』の制作と7都市を回る初めての全国ツアー、それに平行して6月にはKT Zepp Yokohamaで『1st ONEMAN LIVE “I AM THE TROUBLE”』があったので、新しいことの連続でした。ワンマンからバンドがジョインしたので、ライブだけでなく楽曲のレンジも広がったような気がしています。また、バンドメンバーは6年前一緒に路上パフォーマンスをしていたメンツということもあり、6年ぶりの伏線回収的な意味合いも大きいですね。

──メンタル面での変化はありましたか?

Novel Core 自分を許せるようになった半年間、そんな気がしています。自分自身を追い詰める完璧主義なため、ライブの演出にしても作品にしても、自分で知識をつけてディレクションをすることが最近まで多かったんですよね。1月に川崎CLUB CITTA’で開催した『“A GREAT FOOL” BIRTHDAY LIVE』では、演出をイチから考えたり照明を秒単位で指定したりしていたんですけど、単純にスケジュールが追いつかなくなってきて。

「自分ひとりでは無理だ」と諦めモードになり、試しに、そのセクションのスタッフさんに本当の意味で“任せる”ということを、初めてやってみたんです。そうしたら、自分が思っていたのとまったく違うアイデアを出していただいたり、斬新なものを作ってくださることが多くて、すごくおもしろかった。いい意味で、壊してくれた感じっていうか。結果的に、任せるべきところは任せられるようになりました。

Novel Core / No Pressure from “I AM THE TROUBLE” (2022.06.03) at KT Zepp Yokohama

BMSGとの向き合い方の変化

──そのおかげもあるのか、BMSGに所属したばかりの2020年ころよりも表情が柔らかくなりましたよね。

Novel Core それはあるかもしれないですね(笑)。当時は「第1弾アーティスト」という言葉を必要以上に重く受け止め過ぎていた面もありましたし、重く受け止めるべきタイミングでもあったので。最初の1年はBMSGが持つ理念を通底させるためにも、だいぶ神経を使っていた気がします。ホームページの更新内容ですら隅から隅までチェックして、1文字単位で推敲して返していましたからね。

──BMSGとの向き合い方は変わりましたか?

Novel Core 最初の1年間は「自分が何者なのか」を提示していこうとがんばっていましたが、今は僕だけでなくBMSGの全アーティストが外向きに動いていると思います。所属1年目は大きなプロジェクトである『THE FIRST』が控えていたので、自分自身のポジションをちゃんと築いておかないと、波に飲み込まれてしまう気がしていて。そのときはBMSGという名前の上で自分がどれだけ存在感を発揮できるかが大事になっていましたが、今は各々がBMSGに還元すべく、それぞれの方向性での成功に向けてもがくフェーズに入ったような気がしています。

──9月には、BMSGは設立2周年になりますね。

Novel Core 新しい方面に向けたチャレンジを止めないようにしたいですね。特に自分は、フェスや外部イベントに気合いを入れたいと思っています。イベントごとにけっこう色があると思うんですけど、自分のスタイルは崩さないし、けっして寄せない。どういうフィールドであっても、そのままのスタイルを出していくことはけっこう意識しています。

15歳のときの自分を救う作業

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