ハナコ、霜降り明星の優勝で感じた悔しさ
──世代の話をすると、2018年に同期のハナコが『キングオブコント』で優勝し、同じく同期の霜降り明星が『M-1グランプリ』で優勝しています。
浦井 2018年……あの年ですか。
平井 だいぶ悔しかった年ですね。
浦井 ハナコは『笑けずり』(NHK-BS)というコント番組で一緒になって、そこからめっちゃ仲よくなって、何回かユニットライブもやっていたんです。そんな身近な人たちがいきなり優勝したんで、ぎゃーと思いましたね。
──そのときの心情として、「ハナコは自分たちより断然おもしろいからしょうがない」みたいな感じだったのか、「ハナコが優勝できたなら自分たちもいける」みたいな感じだったのか。
浦井 自分たちのコントが劣っているとは思ってませんでしたけど、ハナコはだいぶポップでしたからね。同じコントでもジャンルが違うというか。
平井 ポップなだけじゃなく、華もあったんですよ。明るくて、たくさんの人に届くようなキャッチーさがありました。なので、早く売れるだろうとは思ってましたね。
──霜降り明星については?
平井 大阪時代は一緒にランキングバトルに出たりしてたんですけど、順位は僕らと同じくらいで、そこまで目立つ存在でもなかったんですよ。
浦井 粗品がピンでやっていたときは、19歳の最年少で『オールザッツ漫才2012』で優勝したり、すごいやつが出てきたっていう感じだったんですけど、優勝した直後にせいやとコンビを組んで霜降り明星になってからは、最初そこまで勢いはなかったんですよね。お客さんのウケも正直あまりよくなかった。
平井 今でこそ王者ですけど、霜降り明星を組んだばかりのころは、芸人たちの間でも「粗品もったいないな」くらいのこと言う人もいたんです。ただ、せいやはせいやで、楽屋とかでは常に大爆笑を取っていて。秘めた可能性はありました。
浦井 僕らはその秘めた可能性が爆発する前に東京へ来てしまったので、大阪の劇場で霜降りがどんどんおもしろくなっていった様子は見れてないんですよ。
平井 それこそ、自分たちの中ではそんなにウケてなかった印象の霜降り明星が、2018年にいきなり優勝したので、だいぶ驚きましたし、めっちゃ悔しかった。
浦井 うん、あれはほんと、ほんと悔しかったなぁ。
覚悟を決めて挑んだ『キングオブコント2021』
──東京で単独ライブをコンスタントにつづけているなかで、手応えは感じていましたか?
平井 多少は感じていましたが、『キングオブコント』の決勝に出る前、2021年の最初のほうですかね、お客さんがまったく増えなくて、なんなら減ったぐらいの時期がありまして。
浦井 コロナの影響もあったとはいえ、それにしても配信チケットすらあまり売れない時期がありましたね。
平井 コンセプトも作り込んで、自分たちなりに凝ったことをやっているつもりだったのですが、でもこのままじゃ先がないなと。それで、単独のコントライブをひたすら突き詰めることをいったん諦めて、もう『キングオブコント』に集中しようって決めたんです。
浦井 使う時間も労力も、『キングオブコント』9.5で、ほか0.5くらいにしました。あんなに『キングオブコント』のためだけにネタを微調整したのは初めてでした。
平井 これでダメだったらもうやりようがない、と思って臨んだので、優勝はできなかったですけど、準優勝という結果が出て本当によかったです。
──平井さんがネタを書く素養として、お笑い以外では、どういう文化に影響を受けていますか?
平井 なんでしょう。お笑い以外だと、そんなに本とか映画とか詳しくないんですよね。
浦井 平井は音楽めっちゃ好きですよ。
平井 あ、音楽は好きです。高校のときはメタルとか聴いてました。メタル聴いてる自分かっこいい、と思って。あとは、BUMP OF CHICKENが好きです。「K」っていう曲があるんですけど、いつかあの曲みたいなコントを作りたいです。
関連記事
-
-
天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>
Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』:PR -
「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『どこにいても君は君』:PR -
歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由
吉乃「ODD NUMBER」「なに笑ろとんねん」:PR