麒麟・川島&かまいたちの躍進、「バラバラ大作戦」&TVerがもたらしたもの、“トーク”の変化【2021年バラエティ番組振り返り(1)】

2021.12.30


「バラバラ大作戦」の功績

スキマ 昨年席巻した「お笑い第七世代」ブームが、マヂカルラブリーをはじめとする昨年の『M-1グランプリ』ファイナリスト勢に塗り替えられたというのも今年のトピックスだと思います。また「バラバラ大作戦」があることでこれまでよりも1~2段階早く冠番組を持つタレントが増えたことも、それが良いことなのか悪いことなのかは現時点では判断できませんが、注目すべきところだと思います。しかも特に10月から始まった番組は「平和」なものが多いというのも現在を象徴するのではないかと。

西森 「バラバラ大作戦」に関しては、最初はちょっと不安な感じもしてたんですが、今になってくると、自分たちのよさをうまく出す方向に徐々にしていける人たちにとっては、いい枠なのかなと思えてきました。どうしてもゴールデンの番組は、スタッフさんたちの考えた枠組みにどう自分をハマらせるかの努力が必要だけど、自分たちの番組、それも実験的であったり、自分たちで作っていく番組であれば、会議に参加したり、企画を提案したりもしやすいでしょうから、持ち味が出る方向にもいけるのではないかと。

ヒラギノ 「お笑い第七世代」→「M-1 2020ファイナリスト勢」への変遷はまさにですね。プラスでいうとするなら、あの枠って若手芸人だけでなくテレ朝の若手ディレクターのトレーニングとしての側面も強いそうなんですね。若いうちから社員に自分の番組を持つ経験を詰ませられるし、短い枠でたくさんの番組を一気に試せる。会社としていい循環を促しそうだな、というのは自分も働き手のひとりとして感じます。

そもそも全部が当たる想定で始めておらず、芳しくなければバンバン終わらせて次、というサイクルが軽やかで、今の時代のコンテンツ消費のスピードに対するテレビからのひとつの回答と取れるかも、と思っています。

スキマ かつてのフジテレビの深夜番組もそうですが、失敗できる場があるのは大事ですよね。もともと最近のテレ朝は若い制作者を積極的に抜擢して成功していたので、ますますその傾向が強まっていくのではないかと思います。

あと、『空気階段の空気観察』は初回、空気階段のカラーとまったく合っていない企画でうわーって思ったんですが、すぐに軌道修正して今は空気階段のよさがよく出てる。そういう柔軟性もいいなと思いました。

女性芸人たちの台頭


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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