お笑いコンビに、相方の魅力を語ってもらう連載「魅惑の相方」。
第2弾は、独特過ぎる世界観が持ち味の天竺鼠。一度彼らの沼にハマったら、抜け出すことは不可能だ。
先手は瀬下豊。企画について説明すると、自ら進んで話し始めてくれた。その、ド直球で相方を褒める姿に驚くと「僕はストレートなんで」と、真剣かつ真っ正直に応対してくれた。
瀬下が随所で「おもしろい」と絶賛する天竺鼠のネタについても詳しく聞きながら、川原克己のたくさんの魅力を掘り下げた。
目次
川原は、高校時代に“既に出来上がっていた”
──「相方の魅力」を語っていただくという、芸人さんにとって酷な取材なのですが……。
瀬下 めっちゃ恥ずいし酷やなぁ(笑)。でも、いっぱいありますよ。まあ一番は、やっぱりおもしろい。めちゃくちゃおもしろいですね。相方とは高校のときから付き合いあるんですけど、「変わった奴、おもしろい奴やなあ。俺の発想にはないなあ」というところがあってコンビを組んだので、とにかくめちゃくちゃおもしろいと思ってますね。
──芸人になる前と、なってからの川原さん、変化したところはありますか?
瀬下 いや全然、あのまんまやったんすよ。ふたりとも今年で42歳なんですけど、それにビックリしますよね。(川原は)あのとき既に出来上がってて、変わってないんやと思うと。俺も変わっていくんかなと思ってたんですけど、全然変わらないですね。
──天竺鼠さんがご出演されている番組を観ていても、番組に合わせて川原さんが変わることはないように感じます。
瀬下 ない、ない、ない。一時期「ちょっとは合わせろよ」って思ってたときはあったんですけど(笑)。合わさんかった結果が「らしさ」になって、仕事に呼ばれるようになったんですよね。そこがスゴいなと思います。
──川原さんのその曲がらない性格が、瀬下さんとぶつかってケンカになるようなことは?
瀬下 高校のときから全然ないですね。性格面では真逆過ぎてケンカにならないですけど、1回だけあります。
──ぜひお聞きしたいです。
瀬下 川原って自分で坊主にしてるんですよ。で、昔一緒に住んでたころに、僕が酔っ払って帰って、川原の頭をバリカンで剃ってたんです。「貸せや」って言うて、ガーって川原の髪の毛めっちゃ短くして。そしたら、それだけはめっちゃキレられました(笑)。あんな感じやけど、髪の長さはちゃんとしてんねやって(笑)。
──こだわりが。
瀬下 坊主の中でも、何ミリ単位でってこだわりあるんやってことを初めて知りましたね。「芸人やったら別にええやんけ! こんなときもあるやろ、番組とかで」ってキツく言ったらバーッて言い合いになって。ケンカはそのぐらいですね(笑)。
──川原さんが怒っている姿、想像できないです。
瀬下 あいつ普段全然キレへんから、ビックリしましたよ。でも、俺も若いから引けなくて「こんなんでキレんなや、おもろいやんけ!」みたいな。全然おもろないんですけど(笑)。その一瞬、不穏な空気になったぐらいかな。これも俺が悪いし、絶対。
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