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川原は、母性本能をくすぐるモテ男

──まだ表に出ていない、川原さんのお笑い以外の魅力ってありますか?
瀬下 母性本能じゃない? 母性本能をくすぐるモテ男タイプ。昔から思うんですけど、アイツ、女の人がほっとかへんタイプなんやろうなって思うんですよ。
──えぇ、そうなんですね!?
瀬下 僕も面倒見がいいほうやったから、最初、かわいくてしゃあなかった。世間からはそういうふうには見られてないかなって思います。しかもこれ、狙ってないんです。
──天性なんですね。家事が苦手とか?
瀬下 方角とか方向とかわかんないし、道も覚えへんし。興味がないんですよ、そういうことに。興味があることとないことの差が激しいから、知らんことも多くて。そういうとこがかわいかったりするんですよね、女の子はそこはたまらんやろなって思って。
──昔からモテ体質でしたか?
瀬下 モテますよ、寡黙でそんなしゃべるタイプじゃないけど。ふたりでずっと黙ったままでも、その空間が楽しいって言ってるのを聞いたことがあります。
──お相手の方も、川原さんと同じ感性を持ってないと難しいのかもしれないですね。
瀬下 たぶんそうかもね。だから、俺みたいなタイプの女性やと合わへんと思う、めっちゃしゃべるから。俺の目線からすると、女性からモテるなって思うだけです(笑)。
──ビジュアルもカッコイイですもんね、お顔立ちもキリっとされていて。
瀬下 そう、顔がめっちゃ整ってるんですよ。同期のアインシュタインの(河井)ゆずるとか、(かまいたち)濱家(隆一)とかも、「川原は母性本能くすぐるやろうな~」って。ほっとけないんですよ、みんな。年齢は一番上やのにね。
──『芸人動画チューズデー』(テレビ東京)でも、川原さんが突拍子もないことを言う姿が印象的で、MCの濱家さんはどう思ってるんだろうと気になっていました。
瀬下 先輩とかMCとかからしたら、かわいいと思いますよ。あいつはなんでもボケますし、笑いに持っていく姿勢とかも、たぶん先輩方は買ってると思います。
最大の魅力は「曲げない力」。川原には芯がある
──確かに、川原さんの“すべてのことを笑いに持っていく姿勢”スゴいです。
瀬下 なんでもかんでもそう。SNSにしたってYouTubeにしたって、普通のことは絶対にやってない。告知するにしたって変なやり方するでしょ?(笑)
──「七夕」の告知も大好きです。
瀬下 もうええって、あれ(笑)。しんどいわ! 「また七夕や」って。俺は川原のツイッターもインスタもフォローしてるから見てるんですよ。アイツは俺のこと全然フォローしないけど。

──そうなんですね?(笑) 表に出ている部分すべてをお笑いに振っているので、川原さんの“素性”が謎めいているようにも感じます。そのミステリアスさも、ひとつの魅力だと思うのですが。
瀬下 でもやっぱ、歳を取るにつれてちょくちょくバレ出してるじゃないですか。まず、猫をずっとかわいがってる時点で「猫をかわいがる奴に、そんな変な奴おるかな?」とか思います(笑)。そこも、魅力というか。見てたらちょいちょい出てますやん、人のよさとか。ロケとかの合間でも出てます。
──相方に対して「人のよさが出てる」と率直に言える人って、あまりいらっしゃらない気がします……!
瀬下 そう?(笑) 僕はストレートですからね、まっすぐなんで。お笑いをしようという能力がないから、気の利いたおもろい返しとかはできないけど(笑)。
──今日はそういう取材なので、ありがたいです。「人のよさ」とおっしゃいましたけど、性格面での一番秀でている魅力はなんでしょう?
瀬下 やっぱね、感心するのは相手が誰であろうが、曲げない、物怖じしないところ。普通、ダウンタウンさんと共演ってなったら委縮とかするじゃないですか。でも川原は逆にガンガン強気で行くんです。先輩からも「トガった方向にいったらキツいぞ」みたいに言われてた時期はあったんですよ。でも、そこを曲げずにやってきた結果、アイツが出来上がったわけじゃないですか。
──近くにいたら「今まわりから言われてるな」というのも感じやすいですもんね。
瀬下 そうそう。1、2年目とか、5年目とか、上京前とか……節々のタイミングであったと思うんですけど、そこを曲げなかった。合わそうとしてた時期もちょっとあったんかなと感じたことはあるけど、結局そっちはムリやってなったんだと思います。
──芸人としてもだし、男としてカッコイイですね。
瀬下 曲げない力。芯がある。これってなかなかできないんですよ。やっぱ、世間に合わせていっちゃうものなんで。
──それと少し重なるところで、「継続力」も川原さんにはすごくあると思っていて。なすびキャラも長年続けていらっしゃいますし、YouTubeも、世間が盛り上がる前からずっと同じ頻度で続けていますよね。
瀬下 だからマメなんですよね、ちゃんと。サボり癖とかもないんちゃいます? でも、ギリギリにならないと企画とか出てこないとは言ってましたね。
──高校時代、野球部に所属されていた方って、「継続力」や「忍耐力」が大人になってからも染みついているように感じます。天竺鼠さんはおふたりとも高校野球部出身ですよね。
瀬下 忍耐力は強くなりますよね。身体がホンマにしんどいわと思うときに、「あの冬の筋トレ、走り込みよりはマシだ」と思って乗り越えられるのはあります。
──瀬下さんの最近のお仕事は、それでも乗り越えられなさそうなものが(笑)。
瀬下 ははは(笑)。いやいや全然、高校時代が絶対一番しんどかったですよ。川原も絶対そうやから、それはデカいですよね。


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川原に直してほしいところは、ひとつもない
──川原さんの魅力についてたくさんお話ししてもらいましたが、逆に、直してほしいところってありますか?
瀬下 直してほしいところ……え~、ちょっと待ってください……なんやろ…………。
──無理に出さなくても大丈夫です。
瀬下 …………靴が、金色。
──(笑)。
瀬下 いつでも靴が金なんですよ、ずっと靴が金。
──おそらくこれ、直してほしいとも思っていないですよね?(笑)
瀬下 (笑)。ホンマはない、何もない。僕は「川原の自由なところが好き」でコンビ組んでるんで、今更なんもない(笑)。
──この記事をこのあと川原さんに読んでいただいて、アンサーインタビューをします。なので最後に、川原さんにひと言いただけますか?
瀬下 えぇ~、ひと言? ……いつもネタ作りお疲れ様です。俺も、自分の出来るお笑いを、身体張って、気合い入れてがんばるので、これからもよろしくね。
──アツい。
瀬下 (笑)。でも本人にもこういうこと言うからなぁ、別に。
──改めて伝えておきます。ありがとうございました!
瀬下 改めてめっちゃ恥ずいな(笑)。

【連載】お笑い芸人が語る<魅惑の相方>
今を生きるコンビ芸人は、誰しも「相方に魅力を感じている」はずだ。そうでなければずっと一緒にいて何かを成し遂げることは難しい。相方の魅力を聞き、まだどこにも出ていないコンビの関係性に迫り、コンビそのものの良さを世に知らせていく連載インタビュー。
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