石川瑠華と青木柚にあった中学生らしさ
小梅役の石川瑠華と磯辺役の青木柚は、原作者の浅野も同席したオーディションの場で役を勝ち取った。
「石川さんは、オーディションに自分の学生時代の制服を着て来たんです。それに、マンガの冒頭にある海辺のシーンで小梅がしていたようなチェックのマフラーを巻き、髪はおさげにして。ビジュアルを寄せてくれる役者さんはほかにもいたんですが、その中でも突出している第一印象でした。“本当に中学生が来た”というような。実際に冒頭の場面の芝居をしてもらうと、僕が求めていた海辺の風景がありありと浮かんできました。オーディションが終わったあと、“あの子ですね”と浅野さんとも意見が一致して、すんなりと決まりました」
磯辺役については、オーディションをしながらウエダ監督がネットでも情報を集めていた。性描写があるため、役同様の中学生をキャスティングすることはできず、役者は18歳以上でなければならない。その点、女性よりも男性のほうが中学生に見えにくいという難点があった。あるときネットで見つけた青木は、“声”が特別だったのだという。
「すごく磯辺に似ている子がいるなとまずは思って、プロデューサーに頼んでオーディションに来てもらうようセッティングしました。実際に青木くんと会ってみて話をすると、やっぱり磯辺にすごく似ていたんですが、オーディションに来ていた男の子たちより声がワントーン高く感じたんです。中学生に見える説得力を彼は持っているなと思いました」
ふたりの考えをなるべく採用したかった
劇中の中学生のイメージを壊さないために撮影中は、“20歳前後の彼女たち自身”に触れないよう、あまりプライベートな話には踏み込まなかった。「中学生を演じるというのは、役者自身のハードルもとても高かったと思います」とウエダ監督は言う。どのような相談をしながら役者と共にキャラクターを練っていったのか。
「すでにマンガがあるので、それぞれの感覚で読んでいるはずなんですよね。だからこちらからイメージを一方的に押しつけるのではなく、双方の意見を擦り合わせながら、ふたりの役に対する考えをなるべく採用したいという思いがありました。
小梅と磯辺に関してはすれ違いの感情が多い話なので、ここの場面はお互いにどういう気持ちだったのかとか、ふたりが一番想い合っていたのはどの場面だったのかとか、そういう細かい感情をリハーサルの段階で詰めていきました。撮影前には海岸や磯辺の部屋といったロケ現場にも各々実際に足を運んでもらい、イメージもふくらませてもらっていましたね。ふたりが熱心に考えて役作りしているのを見て、心強かったです」
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