「無冠の帝王」と呼ばれ、自分が「大天才」ではないと気づいた大学時代
う大は1998年に早稲田大学に入学。森は当時3年生で井手が2年生。「WAGE」が設立されたのは森が入る1年前だったらしいと、う大は証言する。
明治大学「騒動舎」出身のジョビジョバのように、もともとは演劇系サークルがお笑いに転じるという例もあるが、WAGEは最初から完全にコントのサークルだった。10人ほどの演者がいてネタに応じてユニットを組んだり、その中で「ハイデハイデ」のようにコンビを組んだりしているものもいた。漫才をやる人もいたが、少数だったという。
岩崎 渋谷の東急ハンズの目の前にある「SHIBUYA TAKE OFF 7」っていうライブハウスを月イチくらいで借りて、WAGEだけで発表会みたいなライブをやってました。お客さんはほとんど知り合いですね。ずっとやってたんで、もともと知り合いだったけど、毎回来る常連さんみたいになっていった感じでした。
ほかにもたまに、お笑いの大会とかまではいかないけど、ちょっとしたライブを受けに行くこともありました。1個覚えてるのは、なかのZEROでやったライブ。審査員にラーメンズさんがいて。おもしろかったのは、まだ土屋(伸之)さんと組む前に塙(宣之)さんが創価大学の落語研究会で組んでいたナイツ(初代)。大学生だけの大会だったかは覚えてないんですけど、うちは誰も引っかからなくて。スベったなあって。でも今思うといい思い出ですね。
音楽のサークルがライブやるときに合間にお笑いをやってほしいと言われて出たり、学祭に浅草キッドさんが来てその前説でネタをやったり、ミスコンの司会をやったり……。リーダーの森さんの別荘が箱根にあって、そこで新歓合宿をやりましたね。富士急のほうに泊まりに行ったり、集まってキャンプをしたりもしてました。大学にラウンジがあるんですけど、そこにサークルのみんなで集まって、「ナンパ行こうぜ」とか言ってましたね(笑)。あと、松本(人志)さんがやってた「面雀(おもじゃん)」ってあったじゃないですか。ああいうのをみんなでやってました。
メンバーは新入生が入ると一時的に20人弱くらいになることもあったんですけど、定着したのは10人前後。森さんがリーダーのころは、女の子もけっこういました。マネージャーと呼ばれる裏方担当の人たちがいて、僕が入ったときにはそういう女子が4~5人いたんですよ。でも、僕らの代になってからは少なくなりましたね。不思議だなぁ、なんで上の人たちはあんなに……(笑)。男女比でいうと、森さんの代は男7:女3くらい。僕らのときは、9.5:0.5くらいでした。
お笑いサークル出身者に話を聞くと、よく「大学のサークルでお笑いなんて」といったバカにされた視線を感じたという人が多いが、う大は特に感じなかった。
岩崎 確かにそう思ってもおかしくないですよね。気にしてなかったのかなぁ。むしろ自慢げくらいに思ってたのかも。わりと普通に大学生活は楽しんでたんですかね。試験の前は、普段ちゃんとノート取ってる人に「お願いします」みたいに言って勉強もしてました。4年でちゃんと卒業したので。単位も取りやすい授業だけ取って、試験前だけ勉強して、みたいな。ゼミも、わりと優しいゼミを選んだんですけど、選考で落ちちゃったんですよ。厳しいゼミしか残ってない。でも、そこで考え直して。ゼミを取らなくても、単位さえ取れていれば卒業はできたんです。ゼミで卒業論文を書くのはみんな、就職試験で不利にならないためっていうのが大きかった。「じゃあ俺は就職するつもりないんだからゼミに入る必要がないな」と思ってやめちゃいました。これはホントに英断だったなって(笑)。
あ、でも、一度惨めな気持ちになったことがありました。4年生のとき、僕がWAGEの幹事長になったんです。とあるライブの日に、大学のホールを借りたんですけど、利用許可書に担当の教授にサインをもらわないといけないのをすっかり忘れれて、直前で「これはまずいぞ」って。先生を探し回って、ゼミの授業中にもかかわらず入ってって「すみません、本当に申し訳ないんですけど、何時間かあとにライブをやるんですけど、先生のサインが必要で……」って、同級生がいる中で震えながらサインをお願いした。このときは確かに惨めでしたね(笑)。先生は優しかったんで、すぐにサインしてくれたんですけど。
ひとつ大きい思い出があって。長野県の戸倉上山田温泉で、町おこしみたいなお笑いイベントがあったんです。第1回は立川談志さん、僕が参加した第2回には(立川)志らく師匠がいらして。東大とかいろんな大学のお笑いサークルが参加してました。1日目が予選で、2日目が本戦。アンジャッシュさんが司会だったんですけど、結局、僕は2年連続で本大会に出られなかったんです。正直、サークル内の評価はすごい高かったんです。「う大、すごい」って先輩も言ってくれてたんですけど、対外的なところに行くとまったく評価されてなかった。「無冠の帝王」ってよく呼ばれてました(笑)。結局、WAGEに入って自分が「大天才」ではないなって気づいたんですよね。
「WAGEが消滅したことによって、LUDOが大きくなったんじゃないか」
「早稲田大学お笑い工房LUDO」ができたのは、う大が2年生のときだったという。その経緯をこう証言する。
岩崎 僕が2年生のとき、3年生は井手さんひとりしかいなかったんですよ。だから僕らもけっこうなあなあで活動してた時期で。新歓ライブをやって何人か入ってきたんですけど、その中に、ヘビみたいに目つきの鋭い男がいたんですよ。目の鋭さだけでいったら千原ジュニアさんに匹敵するくらいの(笑)。その人と一緒に来た人がもうひとりいて。
当時の僕もそうだったけど、やっぱりお笑いをやるって人は、みんなトガッてるから、「先輩だからってなんぼのもんじゃい」ってところがあるんですよ。それでも一緒にやって、「この人たちはやっぱりおもしろい」って感じてなじんでいくんですけど、その「おもしろさ」を僕らが見せつけられなかったんでしょうね(笑)。はっきりと辞める、辞めないの話をしたか覚えてないんですけど、そのふたりが来なくなっちゃって。そしたら、少しして「早稲田大学お笑い工房LUDO」が立ち上がった。
誰かが見に行くと、やっぱりWAGEを出ていったふたりが立ち上げたと。僕も彼らのライブとかを観に行けばよかったんですけど、行かずじまいで。癪だったんですかね。ホントの正直な話、すぐに潰れると思ってた(笑)。
一方、WAGEはそのあと一回息を吹き返して、次の年に大量に1年生が入ってきたんですよ。小島よしおとか槙尾(ユウスケ)とか。それと同時に「アミューズからプロデビューする」って話があって。するとWAGEから主要メンバーが抜けるかたちになる。でも「WAGE」という名前も使いたい。それで新しく、フランス語で「いたずらっ子」って意味みたいなシャレた名前のサークルにして1回だけライブやったのかな? でも、一瞬で終わっちゃって。だからサークルとしてのWAGEは、僕らがプロになることで消滅したんですよね。言ったら、WAGEが消滅したことによって、LUDOが大きくなったんじゃないですかね(笑)。そう思いたい。
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