すゑひろがりず・南條庄助「ほんまに天が授けた太鼓持ちの鼓やと思います」〜各々語り南條の巻〜



阪神園芸みたいに褒められたら一番うれしい

──その控えめな南條さんも、先日のライブでは「今後はもっと積極的に前に出ようと思う」と発言されていましたね。

南條 まあでもね、まわりの人たちにイジってもらったりして、出ることは出てるんですよ。以前に比べたらだいぶ自分を表現できてるなと思います。ただコンビで並んだときに、「今自分が出たら邪魔やな」と感じることは多々あるので、自分を出したり、気づいてもらえたりするのはもうちょっとしてからでいいんじゃないですかね。

──では、南條さんの考えでは、今はまだ三島さんのターン?

南條 ですね。まだというか、基本的にはすゑひろがりずはそういう順番だと思います。僕は三島が歩きやすいよう地面を整備して、三島にガーンと目立ってもらう。で、「あの整備士、めちゃめちゃええ動きしてるやん」と言われるのが一番気持ちいいかもしれないです。阪神園芸(甲子園のグラウンド整備を担当する会社。その高い整備力から彼らの仕事は「神整備」とも呼ばれる)の人みたいに褒められるのが、僕はたぶんめっちゃ好きなんですね。

──気づく人にだけ気づかれるような?

南條 今も変わらず目立ちたがりなんで、たまにスポットライトは当ててほしいんですよ。「あいつ意味ないな」とか言われるのは嫌ですけど、「あいつの動きよう観てみ」「あいつのおかげでこの場が成り立ってるんや」なんて言われたら、すごくうれしくなる。やっぱり、センターに立つ人間じゃないんでしょうね。そう思うと、ほんまに天が授けた太鼓持ちの鼓やと思いますよ。こんないい武器ないでしょう。

──芸人を始めたころは想像もしていなかった鼓という武器が、南條さんにぴったりだったわけですね。

南條 最初は「役割的にボケが持ったほうがおもしろいやろ」と三島が鼓をやってましたからね。途中から僕が持つようになって今がある。なるようになるもんですね。

大宮や幕張のライブでは度々前に出る場面もあり、南條中心のライブが組まれることも。その際の振る舞いから大宮セブン内では「やばし」という屋号がつけられ、仲間たちから愛あるイジりを受けている
大宮や幕張のライブではたびたび前に出る場面もあり、南條中心のライブが組まれることも。その際の振る舞いから大宮セブン内では「やばし」という屋号がつけられ、仲間たちから愛あるイジりを受けている

今はとにかくネタに自信を 

──最後に、今後の抱負を聞かせてください。

南條 僕らの一番の根本、ホームとなる部分はやっぱりネタなんですよ。ここに自信が持てたらもう何がどうなっても大丈夫だと思うので、その完成を早く見たい。でもまだ全然たどり着けていない。だから今はとにかくネタの完成度を高めたいですね。不器用なので、まずネタの部分で安心できないと、ほかのところへも行けない気がして。

──すゑひろがりずのおふたりといえば、かつては「ネタはおもしろいのに人気が伴わない」と言われていた印象がありますが、それでもネタに自信がない……?

南條 一緒にやってるヤツらがおもしろ過ぎるというのもありますね。すごいなと思う人がまわりにいっぱいいるので、自分たちが一番おもしろいとはまだまだ言われへんなと感じます。

──賞レースで決勝に行ったことは、自信にはつながらないですか?

南條 賞レースは発想というか、ネタ自体が重視されるじゃないですか。でも日々の寄席でやっていくには、1本のネタをどれだけ毎日違うようにおもしろくやっていけるかが重要で、芸人の腕はそこに出ると思うんです。今はその技術、ネタが自分のものになっているかというところが気になるんですよね。

──毎週のように1日何ステージもの寄席に出ているからこその悩みですね。

南條 本当に日々試行錯誤してます。和服着て鼓打ってるお手本なんていないので(笑)。NGK(なんばグランド花月)の年配のお客さんは「和風変換って何? なんでそんなことすんの?」という感じなので、その方々を笑かす方法を今は探していますね。皆さん、おもしろかったら笑うので。プラス・マイナスさんとかが爆笑取ってるのを見ると、ああなりたいなあと思います。

──年齢が高いほど和風のおふたりと親和性が高いかと思いきや、そんなことはないんですね。

南條 違うんですよ。若い人はこの奇抜さをおもしろがってくれますけど、年配の方は「何がおもろいの?」となるんです。三島とネタについて話してて「俺がスーツ着てもいいかもな」と言ったことがあるくらい。和服着たやつが和のボケを訂正するって、気づかぬうちにだいぶひねったかたちになってしまっているんですよね。

──では、今はNGKのお客さんたちを笑わせられるようなネタを模索している。

南條 そこですね。安心できる日なんて来ないのかもしれませんけど、それでもネタに大きな自信がついたら、やっと次のマスに駒を進められると思います。

すゑひろがりず・南條庄助
「僕は不器用やから、まずネタで安心せなどこへも行かれへん。今はとにかくネタを高めたいと思います」

すゑひろがりず
小鼓担当の南條庄助と扇子担当の三島達矢によるコンビ。NSC大阪28期の同期として出会う。2008年よりトリオでの活動を経て2011年春、コンビとなる。2012年から「伝統芸能風」ネタをやるようになり、2014年に東京進出。2019年、『M-1グランプリ』決勝に進出。南條は『R-1ぐらんぷり2020』決勝で3位に。


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