ニッポン放送・石井玄×GERA恩田貴大が考える、愛される音声メディアに必要な「巻き込み力」

2021.7.28


音声メディアに必要なものはリスナーとのコミュニケーション

恩田 GERAの場合はそもそも、GERA自体をもっと知ってもらう必要がありますよね。

石井玄×恩田貴大

石井 だったらそれ、リスナーに聞けばいいんじゃない? 「どうやって広めたらいい?」って直接聞いたり、「GERA拡散大作戦」みたいな企画をやって、リスナーたちが宣伝してくれるようにするとか。企画に自分の意見が反映されたり、反応してもらったりすると、「もっとやろう」みたいになっていくから。そういう仕かけがあるといいよ。やっぱりお互いの行き来がないと、音声メディアってうまくいかないことが多いから。

あとは、番組ごとのコラボとかゲスト企画をどんどんやる。長寿のラジオ番組にゲストが来ると、パーソナリティがゲストに番組のルールを自然と説明するんだよ。スタッフの名前が出たときとかも。そうすると、ゲストのファンは番組が理解できるし、最近その番組を聴き始めたリスナーにとってもわかりやすい。

だから、星野さんとオードリーさんの番組リスナーでかぶってない人も最初はめちゃくちゃいたけど、だんだん両方聴く人が増えてきたりとか。それがCreepy Nutsさんと菅田さんであったりとか、三四郎さんとCreepy Nutsさんとか、広がっていって。そういうゲストやコラボ企画は、どんどんやろうってなってる。各番組のリスナーが増えて、『オールナイトニッポン』そのもののファンも増えるから。

恩田 これに関しては、GERAでもすぐやります!

石井 うん。その番組が大きければ大きいほど楽しそうに見えるから、ぜひやって。もったいないよ。まあ、あんまりGERA聴いたことないんだけど(笑)。囲碁将棋さんのは何回か聴いた。

恩田 もっと聴いてくださいよ!(笑) むしろ、聴いてないのになんで的確なアドバイスができるんですか!?

石井玄

石井 ラジオに限らず、音声コンテンツをやってる人はみんな同じ問題を抱えてるんだよ。それを僕は経験してきて、あり得ない失敗もしてきたから、もうある程度わかる(笑)。それに、ほかの番組聴くと悔しくもなるし、「もっとちゃんとやれよ」っていろいろ言いたくもなっちゃうしね。

とにかく、どんなコンテンツも最初は弱小だから、まずは少数でもいいからファンをちゃんと作って、一緒に年月を重ねていく。もちろん、新しいファンが入れる仕組みも作っていきながら。

恩田 ありがとうございます、これから気を引き締めます。本当はお金をお支払いしないといけないくらいの内容でした……。

石井 ほんとだ。やろうかなー、そういうビジネス(笑)。


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  • 石井玄『アフタートーク』

    石井玄『アフタートーク』

    発売日:2021年9月15日(予定)
    予価:1,650円(本体1,500円+税)
     
    『オードリーのオールナイトニッポン』『星野源のオールナイトニッポン』『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』『三四郎のオールナイトニッポン』『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』など、数々の名番組に関わった、ニッポン放送・石井玄の初エッセイ『アフタートーク』が9月15日に発売されることが決定。
    「ラジオ制作や会社員にまつわる仕事論」、「学生時代にラジオに救われてから業界を目指すまでの道のり」「ラジオを共に作ってきたパーソナリティ・放送作家・リスナーとのエピソード」の3パートで構成。深く関わった番組を語るコラム、放送作家の福田卓也、寺坂直毅、ラジオディレクター宗岡芳樹らとの対談、TVプロデューサー・佐久間宣行による「元会社員が語る解説」などを収録。300ページ近くのボリュームで、ラジオへの情熱と志を余すところなく綴った10年間の集大成=アフタートーク。
     

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