「著名なハープ演奏者」に名前が
──ザ・ギースのコントはシュールと言われがちですが、私はそれよりも驚きの要素が強い、びっくりすることが多いなと思っていて。
高佐 それはありがたいです。驚かせたいというのはあるので。
──どういうふうにネタを考えているんでしょう?
高佐 みんなそうだと思うんですけど、ほかの人がやっていないことをやりたいので、できるできないはいったん置いて考えますね。スタッフさんが優秀なので、できそうもないことを実現させてくれるんですよ。
──『キングオブコント2018』で披露したサイコメトラーのコントでは、その場で動画を流したり。
高佐 あれも本当にスタッフさんみんなの力で作り上げたものです。舞台監督さんに出演してもらって、準決勝の日に会場外の駐車場で規定に収まるスクリーンをその場で作って搬入し、本番では動画を大竹(涼太)マネージャーが裏から流してくれて。
──『キングオブコント2015』のビフォーアフターのコントには小道具がたくさん出てきますよね? あの年の準決勝でMCのあべこうじさんが「ギースのリハーサルが長かった」と話していたのを覚えています。
高佐 いや本当にね、ご迷惑をおかけしてるんですよ。ただ、そういうキャラクターになっちゃったから、映像持ち込みとか小道具が大量にあるとか、多少のことは「ギースだからしょうがない」という空気になっていて、しめしめと思ってはいます(笑)。
──そして昨年はハープ。決勝後、ハープ業界からのラブコールが届いたんですよね。ハープ専門店から「ランチタイムコンサート」に呼ばれたり……。
高佐 やっぱりピアノとかと違って、音楽と関係のない場でハープが演奏されることってほとんどないみたいで、スターのように扱っていただいて、なんだか申し訳ないです。ウィキペディアでハープのことを調べていたら「現代の著名なハープ奏者」という欄に僕の名前が入ってて、「さすがに待ってくれ、これは荒らしだぞ」と思いましたけど、それを見たら責任感が増してきちゃって。もっとハープがんばらないと、って……。
──最初のレパートリーは決勝のコント内で披露された「糸」だと思いますが、その後YouTube(ザ・ギース Official YouTube Channel)の配信で、毎週違う曲を披露されていますよね?
高佐 はい。あれは1週間練習して。
──1週間でできるものですか?
高佐 ピアノをやってたので、耳コピでなんとなくできるんですよ。聴きたい曲あります?
──えっ……YOASOBIとか?
高佐 (ハープでYOASOBI「夜に駆ける」を弾く)
──すごいです! 今後、ハープにはどう取り組んでいくつもりですか?
高佐 とりあえず今は、8月2日の「ハープの日」に久石譲さんの「Summer」を披露すべく練習しています。
──プロのハープ奏者の方に習う動画も更新されていますが、独学とはやはり違うものですか?
高佐 全然違いますね。独学でやっていたころは手首が浮くクセがあって、ハープ奏者が見ると気になるらしいんですよね。もうそこは言わせないぞと、今弾き方を矯正しているところです。今は毎朝3~40分くらい、基礎練からやってます。
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