人気お笑いライブの主催者がコロナ禍で見出した「オンライン」の価値と「オフライン」の共存
コロナ禍でお笑い芸人は変化を余儀なくされた。劇場でのライブや地方での公演は開催自粛がつづき、これまでオンラインの取り組みをしてこなかった芸人たちも、YouTubeチャンネルの開設やお笑いライブの無観客生配信など、一気にオンラインへの対応が求められた。
しかしそれはけっして、お笑いがオフラインからオンライン中心のものに変わっていくわけではない。吉本興業で今田耕司や極楽とんぼ、南海キャンディーズなどのマネージャーを務め、現在は数々の人気お笑いライブを仕かけつづけるスラッシュパイルを立ち上げた片山勝三は、吉本興業から独立した2009年からの10年間と、コロナ禍における変化をどのように見ているのだろうか?
芸人にとってのテレビの役割
——片山さんは2009年に吉本興業から独立してライブ事業を始めたそうですが、そのころに比べるとテレビのお笑いをめぐる状況は変わってきたのではないでしょうか?
片山勝三(以下、片山) 芸人にとってテレビの役割も変わっていて、おもしろい番組に出たいという気持ちに加えて、どこかプロモーションという意識が出てきたと思うんですよ。ライブに来てほしい、YouTubeを観てほしい、サロンに入会してほしい……そういう自分発信案件へのプロモーションとして出ている人もいるような気がします。
ただ、芸人ってそういう自分発信の側面もあれば、「お座敷体質」っていうところもあって。芸人はお座敷に呼ばれてなんぼというか、テレビ局に自分のことをおもしろいと思って呼んでもらえるというのが、ギャランティーとは関係なく芸人のひとつの幸せだと思うんです。そこをずっと与えつづけて、権威づけをしてくれるのがテレビなんだろうなという感じがします。
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