にじさんじ甲子園、夢中で観ました
渡辺 去年の夏一番おもしろかったのはにじさんじ甲子園ですね。舞元啓介さんが主催されていて。
(※舞元啓介:声が大きくて元気のいい農家のおじさん。イジられと返しとツッコミ能力が抜群に高いため、あらゆるコラボで引っ張りだこ。またまじめな性格で、自身の企画やラジオ番組は几帳面に行いつづけているのも魅力)
(※にじさんじ甲子園:にじさんじの中から6人の監督が参加し、それぞれの選手ににじさんじライバーの名前をつけて育成、試合をして優勝を決めるというもの。ドラフト、育成、本戦と非常に盛り上がった)
──ぼくも夢中になって観ていたんですけど、冷静に考えたらオートプレイを日本全国の何十万の人が観ていたのはすごいなって。
渡辺 ほんとですよね(笑)。ぼくはあれ監督が育てるところも観ていました。
──どこ応援していましたか?
渡辺 でろーん(樋口楓)さんのところ、VR関西ですね。エース月ノ美兎よかったですね。
(※樋口楓:にじさんじ1期生。JK組のひとり。歌が非常にうまく、現在はランティスからメジャーデビューし、アルバムも出している。関西人らしいノリのよさと、時折出る激し過ぎる怒号が楽しい)
(※月ノ美兎:にじさんじ1期生。サブカルチャー全般に長けており、バーチャルを利用したおもしろいことをする、という意識が高く今も独自の道を走りつづけているパイオニアのひとり)
──月ノ美兎(と名づけた育成キャラ)豪速球でしたねー。
渡辺 一番適当にやっているように見えた椎名唯華さんが優勝するのも、めちゃくちゃいいですよね(笑)。
(※椎名唯華:にじさんじの「ゲーマーズ」枠でデビュー。かなりふわふわしたノリとゆるいテンション、マイペースな行動ながらも、毎回ちゃんと場を回して盛り上げるタレント性の高い存在)
──あの方も、持ってますよね。
渡辺 持ってますね。VTuberを褒める言葉としてはおかしいかもしれないですけど、マンガみたいでしたね。甲子園は毎年やってほしいですね。舞元啓介さんの企画は絶対外さないですよ。麻雀とか。
──VTuberコラボのほっこり感と違って、舞元啓介さんがやると熱気が高いんですよね。
渡辺 そうですね、取り組みにその大会の主催者としての責任感も感じますし、絶対に成し遂げてやろうってのも感じますね。絶対おもしろくしてやろうっていうのも。解説もうまいですよ。で、またイジられるのもうまい。
──ぼくはあの方は、何を振られても全部受け止めるプロレスラーだと思ってます。
渡辺 ほんとそうです。全部の技を逃げずに受け止めますもんね。
──VTuberは女の子がいっぱいいるのに、おじさんが人気というのはおもしろい現象ですね。
渡辺 そここそ、観ている方もエンタメとして受け止めているってことなんでしょうね。VTuberってアイドルだけで終わる市場じゃないんだと思います。
芸人としてVTuberがうらやましいところ
──芸人さんの視点で、VTuberに対して「うらやましい」と思うところはありますか?
渡辺 VTuberさんは、いつどんなときでも健康な姿を見せられるのがすごいですね。
──あっ、実写だとメイクでも無理!
渡辺 絶対に無理です。ぼくなんか痛風なので、足引きずっちゃいますからね。完璧な姿を見せられるのはなかなかのアドバンテージだと思います。バーチャルだからできることですよね。
──もしVTuberさんがテレビの中で錦鯉さんと共演となったらどんな感覚になりそうですか?
渡辺 それはできるならうれしいですけどね。ゲーム耐久配信、クリアするまでどっちが速いかとか。
──じゃあそれは鈴原るるさんとやってほしいですね。
渡辺 鈴原るるか! 強敵ですね……。10時間コースですね。そういうちょっと過酷なのやってみたいですね。まあぼくらがいるリアルの世界とバーチャルの世界は、ゲームがつないでくれると思うんで。
──やはりゲームは重要なんですかね?
渡辺 今VTuberとリアルをつなぐ一番わかりやすいツールはゲームだと思いますね。歌とかもいいと思うんですけど、現状ではゲーム。バッテリーとスマホをつなぐケーブルみたいな役割じゃないかな。どっちの世界からも入れますからね。
──VTuberの中でも、ゲーム実況以外の活動をされる方は多いですね。
渡辺 音楽メインの方もいるじゃないですか。ブイアパの花奏かのんさんはベースの演奏されてますし。やりたいことやってほしいですね。
(※花奏かのん:バーチャルベーシスト。実際のベース演奏を行いながら、自作の曲も発表しているアーティスト。ほかの演奏VTuberとのコラボも多い。チョコミントが好き)
──VTuberの歌動画はご覧になっていますか?
渡辺 「歌ってみた」は垂れ流して観ていますね。すいちゃん、星街すいせいとか観てます。すいちゃんは『テトリス』も半端じゃないですからね。『テトリス』世界1位のあめみやたいようさんがコメントしにきていたのはすごかったですね。
(※星街すいせい:元は個人で活動していて、ホロライブに参入して活動中。歌が非常にうまく、多くの人に歌動画は高く評価されている。レギュラーでラジオパーソナリティも行っている)
なぜVTuberなのか
──渡辺さんのVTuber好きは、今までの趣味とつながっているのかなと思ってました。
渡辺 趣味ほぼないですよ! 酒飲んでるだけです。
──なんで実写のYouTuberさんにいかなかったのか気になっていました。
渡辺 なんでですかね? キャラの個性の強さがVTuberはわかりやすいからなのかな。
──たとえば兎田ぺこらさんですと、しゃべり方とか声とか挨拶とか特徴的ですね。
渡辺 そうですねえ。最初何言ってるんだろうみたいな感じだったけど、今は慣れちゃいましたからね。「ぺこ」つけてないとかこっちが指摘したくなる(笑)。
──兎田ぺこらさんがお母さんにカミングアウトした配信ご覧になりましたか?
渡辺 観ました。すごいですよ、100万人突破するまでバレてなかったんだって。実家なのになかなかに叫んでましたよね? キレたりしてたのに。
──個人的には渡辺さんとぺこらさんの対談見てみたいです。企画があったらどうですか?
渡辺 ぼくはぜひしたいとは思いますけど、あちらからしたら「なんでおっさんなんだ」って思うんじゃないかな。ぼくが兎田ぺこらさんだったら、もっといたろ、って思うな(笑)。実現できたらうれしいですね。
──VTuberと芸人の方が仕事をされる機会は増えてきていますね。
渡辺 うち(SMA)のバイきんぐ小峠も番組やってますしね。
──『ガリベンガーV』ですね。ああいうのはやってみたいですか?
(※『超人女子戦士 ガリベンガーV』:テレビ朝日で放映している教育系番組。バイきんぐ小峠英二と専門家の先生が、VTuberの生徒に授業を行う内容で、同じ教室にリアルとバーチャルが並んでいるのがユニーク)
渡辺 オファーあればやってみたいですけど、仕事とか抜きにしていちリスナーとしてVTuberを楽しんでいるおっさんなんで、一緒に仕事したいとかは考えたことなかったですね。ほんとにエンタテインメントだと思っているんで。
──VTuberの心地いいところってどこなんでしょう? 絵とか3Dアバターだから抵抗がある方のほうが多い気もします。渡辺さんはアニメ・マンガが好きという印象もなかったんですよ。
渡辺 ぼくも最初抵抗あったかもしれないですね。今はまったくないです。VTuberって毎日配信しているじゃないですか。量に凌駕されてしまう。文化に押し流されている。洗脳、っていう言い方も失礼ですけど、今はあって当たり前ですもんね。
──ぼくはVTuberが毎日何時間も配信するのは、あまりにも大変過ぎじゃないかとは思ってたんですよ。もっと休んでいいんだよと。観ている側は毎日あったほうがいいものですか?
渡辺 ぼくもやり過ぎだろって思うときはありますね。毎日何時間もすげえなって。休めばいいのにとか思うし。今日夜中起きたら、葉山舞鈴さんが6時間くらい『ダークソウル』やってましたよ。そしてチャンネル観てみたら、昨日も6時間くらいやってる(笑)。ただ、やっている感じ観たら、つらそうとかはない。本当に好きだからやっているように見えますよ。
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