『銀魂』とは“悪友“。15年を共にした宮脇千鶴監督の「恋愛感情ではない」けど特別な思い

2021.1.19
銀魂

文・編集=佐々木 笑


『銀魂』に恋愛感情はないです。どっちかって言うと“腐れ縁”です

声優キャストと登壇する、舞台挨拶(1/9開催 舞台挨拶『祝公開&謹賀新年 最後のバカ騒ぎ新年会!』)の緊張をほぐすために、家で少しお酒を飲んできたという宮脇千鶴監督が、照れ臭そうにそう言った。

15年という長い年月を『銀魂』と共に過ごした宮脇監督。テレビシリーズの初期から作画監督や原画などで参加、第3期より監督に就任、そして今回の『銀魂 THE FINAL』では監督と脚本を担当。

そんな宮脇監督と『銀魂』の関係性について、ほんのり酔っ払った監督からお話を伺った。

映画『銀魂 THE FINAL』 ©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会

『銀魂 THE FINAL』は、いつもどおりの銀魂

──本映画、冒頭は最高級のおふざけだったな……と。

「いつもの」全力です(笑)。最後の映画だから特別とかではなくて、おふざけだったらいつもこれくらいはっていう。

──最後だから「やってやった」感とかではないんですね。

そうですね。ネタとか演出上なことに関しては、テレビシリーズとの違いを意識していないですね。もちろん、劇場に耐え得るような演出・クオリティとかは映画を意識して作っているんですけど、「何をやるか」っていう根本的な骨組みに関してはテレビシリーズとは大きく変わっていないと思います。

──きっとそれも、ファンの心を掴んでいる要因ですね。どこでも「いつもの」銀魂が観られるという。本映画の制作は、いつごろ決定したんでしょうか?

原作はまだつづいている時期で、テレビシリーズではこれ以上本数を作れない……万事休すってなったあとです。その次の話をどう描くか作戦会議をしました。それをテレビシリーズにするのか、映画にするのか、映画だとしたら何本作にするのか。

──「最後」の映画制作が決まったときの、監督の率直な想いをお聞かせください。

突然映画になるって降ってきたわけではなくて、むしろ「最後の話、映画じゃないと無理でしょ!」って、こっちから提案したんです。内容もヘビーだし、アクションがつづくし、この内容はテレビシリーズでは回せないだろうと。映画のほうが、お客様にも納得してもらえるところまで持っていけるんではないかと思いました。結果、映画1本でいくことになったんですけど、その時点で「いやいや、1本で入り切るわけないでしょ」って(笑)。だって原作が全然終わらないから(笑)。

──監督でも、本誌の『銀魂』の流れは直前にわかるスケジュールなんでしょうか?

アプリ掲載のときは本当に、世間に発表する1日前とかです。お客さまとそんなにブランクがないんです。

──ほぼファンと同じ気持ちで、一喜一憂するような。

そうそう(笑)。「あれ!? 終わらないんだ!?」って(笑)。

『銀魂 THE FINAL』場面写真_1
『銀魂 THE FINAL』 ©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会

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