『銀魂』は本当に終わるのか。“腐れ縁の悪友”との今後
──数々の「終わる終わる詐欺」をしてきましたが、今回で『銀魂』は本当に終わるのでしょうか?
現状は、そうですね。ただ、このプロジェクトの成績がよければ「金儲けができるぞ」って人たちは黙ってはいないんじゃないかとは思いますけれども(笑)。我々としてはすべて出し切ったという気持ちですね。
──では監督のなかでは、いったん『銀魂』との区切りがついた感じ……でしょうか。
よくわからないんですけど、この仕事特有なのかな? 区切りみたいなものってないんですよ。キチンと、スパッと全部終わって……っていう感じがなくて。フリーランスなので、ひとつの仕事が終わるころには次の仕事の準備が始まっているので、キレイに気持ちの整理がつかないままなんです。『銀魂』は、終わったは終わったんです。だけど、今も自分自身の中では終わった自覚みたいなものは全然持てていないですね。自分でも「映画が公開されたら別の気持ちになるのかな?」と思ってはいたんですけど、いざその日が来ても、全然変わらない(笑)。
──自分の中に『銀魂』がずっと居るような感覚なのでしょうか。
長過ぎたんでしょうね、きっと(笑)。やってることが当たり前だったから。「本当に終わったんだ」って実感するのは、もしかしたら1、2年後とかなのかもしれないです。
──1年後にぜひまた取材に来たいです。
「心境どうですか?」って?(笑)。でもそれって、気になるもんです……?
──人それぞれだと思いますけど、個人としては作り手が『銀魂』のことをどう思って携わってきたかというのはとても気になります。
(笑)。本当にね、「こんちくしょう!」って思うことは何回もありました。「どんだけモブ出すんだ! 無理無理!」とか(笑)。
──お話を伺っていると、特別な“恋愛感情”みたいなものもあるんでしょうか? 好きになってはいけないし、嫌なこともいっぱいされているけど、いざ離れると好きになりそうだし……。
うーん、恋愛感情ではないです。どっちかって言うと“腐れ縁”です。たまたま同じクラスになって、なんか知らないけどいっつも席も近くて、ワルいことするときは「お、一緒にやる?」みたいな感じで(笑)。“腐れ縁の悪友”ですね。「あれ? 好きかも。いや、ないないない!」っていうのも、たぶん悪友だからだと思うんです。だってあいつあんなヒドいことするような奴だし、めっちゃ苦労させられてるし!っていう(笑)。
──嫌な部分も知っているからこそ(笑)。
そうそう。でも、何か困ったこと、やりたいことがあれば手伝ってあげたいっていう気持ちになるんです。高松さんも藤田さんも、そういう気持ちだったのかな。何かあれば協力してあげたいって思わせるタイトルだったのかなって思います。不思議な魅力がありますね。
──ありがとうございます。最後に、今回の映画についてひと言、お願いします!
映画ではありますが「いつもの」銀魂を観にきたと思ってくれれば。このご時世なので焦らず、興味があったら観てくれれば大変ありがたいですし、ファンの方も「あの話どうなった?」ってくらいの気持ちで。新規の方も「(入場者特典の)鬼滅のイラストもらいたいな」って気持ちのついでに観にきてくれればうれしいです(笑)。
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映画『銀魂 THE FINAL』は大ヒット公開中!
原作:空知英秋(集英社ジャンプコミックス刊)
監督/脚本:宮脇千鶴
監修:藤田陽一
声の出演:杉田智和、阪口大助、釘宮理恵 ほか
アニメーション制作:BN Pictures
配給:ワーナー・ブラザース映画
©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会関連リンク