10代の彼女たちはなぜ歌うのか?「自分を否定しない」の言葉を胸にステージへ<少女歌劇団ミモザーヌ>

2020.12.30
少女歌劇団ミモザーヌ

文=森野広明 インタビュー写真=倉科直弘
編集=田島太陽


12歳から19歳まで、23人の少女たちで構成された“歌劇団”プロジェクトが発足した。その名も「少女歌劇団ミモザーヌ」。700名を超えるオーディションを勝ち抜いたメンバーたちが「『和』の文化」をテーマに、地道なレッスンで磨いた歌とダンスをステージで表現する。

新型コロナウイルスなどの影響でお披露目が延期されるなど、苦難がつづいた彼女たちは、これからどんな“歌劇団”を目指すのか。12月30日の第1回公演を目前に、メンバーに話を聞いた。


1年半の苦節を経て、今がある

左:いわなみゆうか(13歳/1期生)右:いまもりまなか(17歳/1期生)
左:いわなみゆうか(13歳/1期生)右:いまもりまなか(17歳/1期生)

──11月15日の初公演を終えた感想を教えてください。

いまもり すっごい楽しかった! 延びて、延びて、延びて……だったんで、やっとお披露目ができて本当によかったです。ここからがスタートだと思っているので、これからみんなで一生懸命がんばっていきたいです。

いわなみ 本当に楽しくて。「ミモザのように」のときに、最後の歌だからと気持ちを出しすぎて泣いてしまって……。でも、ここまで気持ちを前に出せるようになれてよかったです。

──ミモザーヌに入る前は、ここまで気持ちを出せなかった?

いわなみ 少女歌劇団に入ってから、もっと気持ちを伝えたいなと思うようになって、それで出せるようになりました。

──ふたりとも1期生ですが、1年半の準備期間があったことはプラスだったと思いますか?

いまもり 今思えば、めちゃくちゃプラスだったなと思います。オーディションのあとにすぐステージに出てたら、今よりレベルも全然低かっただろうし、仲間意識もあまりなくて、気持ちが軽くなってたかなって。お披露目が延びたときは確かに「えー!」って感じだったけど、リモートでのレッスン期間で自主性もついてきたから、それはそれでよかったのかなって。

いわなみ モチベーションが下がって「どうしよう?」と思ったこともあったんですけど、でも「いつか絶対にステージに立てる」と思って、信じてやってきてよかったなと思いました。

いわなみゆうか(13歳)兵庫県出身、おうし座、少女歌劇団ミモザーヌ1期生
いわなみゆうか(13歳)兵庫県出身、おうし座、少女歌劇団ミモザーヌ1期生

──1期生はレッスン合宿があったそうですね。

いまもり そうですね。あそこで距離がぐっと縮まった気がします。

いわなみ そうやなぁ。

いまもり 今は外で遊んだりすることもあるし、私たち、仲はめちゃくちゃいいと思いますよ。一緒にユニバ行ったりもしたし(笑)。

──お互いのいいところを教えてください。

いまもり (いわなみ)ゆうかは、表現力とか、想像力が抜群です。広井(王子)さんも言ってるんですけど、「ミモザのように」を歌うときとか、本当にそこにミモザの花があるって、見ている私たちにもわかるくらいで、そういう想像力はすごいなと思います。

いわなみ (いまもりを)オーディションのときから「あの人足細い! 顔ちっちゃい!」と思って見てました。スタイルがすごいよくて、ダンスもうまくて、もうなんでもできるんですよ。びっくりしました。

──これからミモザーヌをどんなグループにしていきたいですか?

いまもり まずは、個人個人のレベルをもっと上げていきたい。その上で(みやはら)にことか、すごいアクロバティックができるので、そういうところも活かして、世界で活躍できるグループになれたらいいなと思ってます。あとは、観てよかった、また次も観たいって元気で前向きな気持ちになってもらえたらうれしいですね。

いわなみ 私は……みんなすごい優しくて、支えてくれてるんですけど、私もみんなのことを支えられる人になれるように、がんばっていきたいと思ってます。

いわもりまなか(17歳)京都府出身、かに座、少女歌劇団ミモザーヌ1期生
いわもりまなか(17歳)京都府出身、かに座、少女歌劇団ミモザーヌ1期生

──オーディションからここまで、人間的にも成長したと実感しますか?

いまもり 年下の子がたくさんいるので、こうだよって教えられる人になったなとは思います。1期生の一番下の子が中学1年生なんですけど、そんな年下の子と一緒に踊ったりすることがこれまでなかったので「あ、こんな感じなのね」って思ってます(笑)。

いわなみ 私は、ミーティングのときに手をあげて発言できるようになって、学校で発表するときとかもがんばってみようかなって思えるようになりました。

──12月30日には、第1回公演となる『Begin〜始まりの歌〜』も控えています。

いわなみ 前に「welcome! sing sing sing」の振り付けを教えてもらったとき、すぐに覚えられなくて時間がかかっちゃったんです。本公演では新しい振り付けが入るので、次はすぐにしっかり覚えられるようにしたいなと思います。

いまもり でも、先生に「早くなったね〜」って言われるようになって、うれしかったよね。

いわなみ 最初は本当に遅かったもんね。1週間とかかかってた。

──顧問の古賀剛(コンドルズ)さんや、音楽監督のクボナオキさん、ダンスチーフのLicca.さんなど、スタッフも錚々たるメンバーですよね。

いまもり みなさんすごく素敵な先生です。厳しいといえば、厳しいですけど、言われたところを直せばいいものができるとわかってるから……すごく好きです(笑)。

いわなみ うん、先生たちみんなおもしろいんです。ノリノリでやってるときもあるし、ちゃんと厳しいときもあって。だから、私もやっぱり好きです(笑)。

「自分を否定しちゃだめだよ」の言葉を胸に


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森野広明

(もりの・ひろあき)1980年生まれ。ライター、編集者、動画編集者。主に、『週刊SPA!』『TV Bros.』『サイゾー』などに執筆。ものまねウォッチャー。

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