なぜ彼の前だと女性はポワンとしてしまうのか?写真家・相澤義和にその秘訣を聞いた

2020.5.9
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トップ画像=『愛の輪郭』より(撮影=相澤義和)
文=碇 雪恵 編集=森田真規


20年以上のキャリアを誇る写真家・相澤義和の2019年2月に発売された処女作品集『愛情観察』は、女性たちの生々しく自由な姿を収め、有名人が載っているわけではないにもかかわらず版を重ね、写真集として異例の売れ行きを記録した。

インスタグラムで10万人のフォロワーを持ち、アカウントがたびたび凍結されることでも知られる彼が、2020年4月刊行の2作目の作品集『愛の輪郭』で被写体に選んだのは自身の恋人だった。そこには“濃密”な関係によって前作以上に伸び伸びと自由で、そして生々しさを感じさせるひとりの女性の姿が写し出されていた。

ところで、「女性から熱烈に愛され、女性を熱烈に愛する写真家」という惹句のとおり、女性たちの多くは相澤に会うとポワンと表情をゆるませる……そんな噂を耳にした。その真偽を確かめるため彼に話を聞いた――。


男性は僕の写真を評価することを嫌がる

――「相澤さんに会うと女性はみんなポワンとする」という噂を聞いていたので、仮想デートをしながらインタビューすることを企んでいたのですが、かなわず残念です……。

相澤 仮想デート、めっちゃいいですね! でもそんな噂聞いたことないですけど、ありますか(笑)?

――はい。それに相澤さんの写真に写る女性の顔が物語っています! さて、2冊目の写真集の出版おめでとうございます。今回はご自身の恋人をメインにした写真集ですが、まず彼女の反応はいかがでしたか?

相澤 けっこういろいろあって。この本の最終的な打ち合わせをした去年の秋ごろに、ちょうどお別れしたんですよ。彼女のほうが仕事で環境が変わって、愛だの恋だの言ってる場合じゃないってモードで。だから別れちゃったことも含めた本にしようと思ってたら、時間が進んでいくなかでもう1回やり直すことになって。よくある話ですね (笑)。そういう紆余曲折を経て本ができ上がったので、最初見たときは泣いてましたね。たいそう喜んでくれました。

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インタビューはSkypeを使って行われた

――ちなみに『愛情観察』が出たとき、彼女は嫉妬しませんでしたか?

相澤 してました。たぶんみなさんが想像する以上の状況になって。自分の彼氏がこんな写真撮ってたら、「この子たちも抱かれてるのかな」って思っちゃいますよね。だからちゃんと話し合ったり、ケアして、今はゆるやかに納得していったみたいな感じですかね。

――読者からの反応はいかがでしょう?

相澤 女性は、自己投影してくださる方が多いみたいです。「ふたりの生活の中に入っていく感じがする」っていう感想もいただきました。
一方男性は、僕の写真を評価することをすごく嫌がるんですよね。何かを見たときの言葉って、その人自身を表すじゃないですか。たとえば、「なんだ、あの写真は下品だな」って言ったら、その人がその写真を下品に見てるだけって話で。自分は1枚1枚に言いたいことを込めてるわけじゃなくて、アマチュアの方と同じようにいいなと思ったら撮ってるだけなんで、写真自体はただの事実なんですよ。それに対して「下品!」って言うと、結局そういう目でしか見れてないってことになるので。そこに引け目を感じるらしいんですよ。
あとこれは『愛情観察』のときですが、「こんなにイキイキしてるもんなの?」とか「肌を出して堂々として、こんなことってあり得るの?」って。自分が女性にこういう顔をさせられなかったって思い悩んだりする人もいますね。「たぶん見逃しちゃっただけだよ」って言うんですけど。

自分の固定観念で彼女が輝いてる瞬間を見逃していた


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碇 雪恵

(いかり・ゆきえ)北海道札幌市出身。出版取次会社や出版社での勤務を経て、現在はフリーランス。ライター業や出版社の営業代行を請け負う傍ら、ウェブサイト『WEBmagazine温度』運営、新宿ゴールデン街「月に吠える」店番なども。

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