【講評編】かが屋・加賀&放送作家・白武の「エロ自由律俳句」第2回

2020.5.1

文=原 航平 写真=時永大吾
編集=田島太陽


お笑いコンビ・かが屋の加賀翔と放送作家の白武ときお。お互いに自由律俳句が好きで、詠んだ句をLINEで送り合う仲であるふたりが、「エロ」をテーマにした自由律俳句の連載をスタート!

今回は、ふたりがそれぞれ用意した10句を発表。お互いに講評を行います。奥深き自由律俳句の世界をご堪能ください。

かが屋・加賀 翔(左)、放送作家・白武ときお(右)

加賀の句を発表“よけたトマトくれて間接間接キス”

交互に5句ずつ詠んでいって、特に気になるものについては詳しく言及していきましょうか。

ではさっそく、私からいかせていただきます。

1句目の“腹式呼吸を教える肺を見ている”。これはまぁわかりやすいですよね。最初なのでエロ自由律俳句をやる上での基本的なものを出しておこうと思いまして。

いいですね。控えめなエロですね。

こういうことが脳内に浮かんでるってことが気持ち悪い(笑)。なんていうんでしょう、「言い訳の句」だと思って見てほしいというか。自分の心の中で言ってるんだからストレートに“おっぱいを見ている”でいいのに、“肺を見ている”って言っちゃうスケベさとか、ムッツリ具合とか。

恥じらいなのかな。

ポケットに手を突っ込んでる感じがありますね。

“パチンコ屋のパが見えないベランダだった”。これはパッとすぐに情景が浮かびますね。

やった! パチンコ屋の看板がチ◯コに見える瞬間っていうのはよくあると思うんですけど、じゃあどのタイミングで気づくのが一番切ないのかなと思って。

内見してこの部屋にするぞって決めて、引っ越ししてダンボールとか開けて、だいぶ作業が終わったなぁって思ってベランダに出て「うぅーー」って伸びをしてる、ここで気づくのが一番哀愁があるなって(笑)。気づかずに引っ越してきてしまったっていう。別に大したことではないんですけどね。

これ、プロの人に添削してもらいたいですね。

プロっているのかな……。

この場合“看板のパが見えないベランダだった”にするとか隠し方もいろいろあると思うんです。バラし方とかの技術も高めたいですよね。

あっ、それはめちゃくちゃ悩みました。説明をし過ぎないことの美学があるので、“見えそうなので見ない” とかは伝わるだろうと思ってこのまま出してるんですけど。世の中にはパチンコ屋の看板を人生で意識したことがない人もいるかもしれないんですよ。

そうですね。

受け手の想像力に委ねる一番ギリギリのところを狙ってはいます。チ◯コと書かないってことだけは意識して、直接的な表現を避けながら。

これ、僕のターンになったらわかるんですけど、この競技の品格の基準についても言及しないといけないな……(笑)。

次が“よけたトマトくれて間接間接キス”。これは“腹式呼吸を教える肺を見ている”子とかなり近い子なんですよ。「トマトいらない」って言って相手がよけたトマトをもらうとき。よけられたトマトにはその子が使う箸が1回ついてるので、自分の箸でそのトマトを取って口に入れたら「相手の箸→トマト→自分の箸→口で間接間接キスだなぁ」と思ってしまうということです(笑)。

気持ち悪いですね。

「間接間接キス」という単語がとても気持ち悪い。

穂村弘さんの降りますランプの短歌(“終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて”)みたいな雰囲気もありますね。
では、次は僕の5句です。

白武の句を発表“一線を超えた女の大胆さ”


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