かが屋・加賀&放送作家・白武が語る、エロ自由律俳句「我々にはまだ“エロティシズム”が残っている」

エロ自由律俳句

文=原 航平 写真=時永大吾
編集=田島太陽


お笑いコンビ・かが屋の加賀翔と放送作家の白武ときお。YouTubeにて『みんなのかが屋』という番組を共に企画し、2020年3月には2度の無観客ライブを成功させた彼らは、お互いに自由律俳句が好きなことが判明して以来、詠んだ俳句をLINEで送り合う仲だという。

穂村弘の『ラインマーカーズ』(小学館)、又吉直樹とせきしろの共著である自由律俳句本『カキフライが無いなら来なかった』(幻冬舎文庫)が好きなふたりは「偉大な先人たちによって“ワンダー”と“センチメンタル”の畑は耕された。でも、私たちにはまだ“エロティシズム”が残っていた」と語り、“エロ自由律俳句”なるジャンルを編み出した。

エロ自由律俳句はまだできて間もないジャンル。この連載も「読者参加型企画」として一般の読者から句を募集する。みんなで手を取り合いながら、「この文化を共に極めていければ」というスタンスだ。

「ゆくゆくは書籍化とか、番組とかにしていきたいですよね……」。

そんな壮大な夢に向けた企画が今、始まる。

加賀 翔
(かが・しょう)1993年生まれ、岡山県出身。賀屋壮也と2015年に「かが屋」を結成。テレビ朝日『爆笑問題のシンパイ賞!!』、中国放送『イマナマ!』レギュラー出演中。

白武ときお
(しらたけ・ときお)1990年生まれ、京都府出身。放送作家・YouTube作家。『みんなのかが屋』『しもふりチューブ』『ジュニア小籔フットのYouTube』(YouTube)、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)、『霜降りミキXIT』(TBS)、『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』(TBSラジオ)などを担当。【ツイッター】@TOKIOCOM 【メール】[email protected]


穂村弘作品をきっかけに接近したふたり

まさかこんな企画が実現するとは…。ありがたいですね。

ほんとに……。感無量です。

今日、調子はいかがですか?

さっき増上寺で厄除けしてきたんで、たぶん調子いいです。

では、この企画に至った経緯を話していきましょうか。昨年の6月くらいから定期的に会ってお互いの近況報告をする会みたいなのを始めたんですよね。加賀くんが「定点観測してほしい」って言うから。

定点観測って(笑)。そんなロマンチックなお願いした覚えないですけどね。

「定期的に話を聞いてほしい」ってね。

そうです、それが正しいです。

お茶しながらいろんな会話をしてるなかで、穂村弘さんの話題になったからかな? お互いに短歌とか俳句、それこそ自由律俳句が好きなんだってことが判明して。

でも短歌はちょっと長いし俳句は縛りがきついから、ふたりで詠み合ったりするなら自由律俳句が手軽そうだねっていう話になったんですよね。

そもそも加賀くんは、どういう経緯で自由律俳句に興味を持ったんだっけ?

僕、(ピースの)又吉さんが大好きなんですけど、自由律俳句に興味を持ったのは又吉さんの本(『カキフライが無いなら来なかった』幻冬社文庫)がきっかけです。作家のせきしろさんとの連名で自由律俳句の本を出してるって知って読んでみたら「オモロッ!」って。ただただ、ふたりが詠む自由律俳句が並んでるだけなんですよ。

読者側がその俳句をちゃんと受け取って想像までしないとなんの魅力もないというか。その、読者の想像力を信用してる感じがめちゃくちゃ渋かったんですよね。そこから俳句とか短歌にも興味を持ち出して。白武さんはどこから興味を持ったんですか?

僕は昔からふかわりょうさんのひと言ネタとかつぶやきシローさん、ヒロシさん、さまぁ〜ずさんの悲しい俳句とか、フレーズのネタ本を読むのが好きだったんですよ。僕が高校生のときに『IPPONグランプリ』(フジテレビ)が始まったり、その当時は『ケータイ大喜利』(NHK)も盛り上がっていて、短いフレーズのお笑いにけっこう接してたし、その流れなのか自由律俳句にも興味を持って。始めやすいよね、自由律俳句は。

短歌や俳句も好きなんですけど、自分でやるにはちょっと難しいっていう話はしましたね。

エロで文化を発展させていこう

自由律俳句って本当に自由。型がないし、定義もない。「でも、自由律俳句というものはある」とみんなでおもしろがっていく文化なのかなと。

俳句や短歌だと達人にしか到達できない、野球でホームランを打つような難しさがあるんですけど、それに比べると、自由律俳句はボーリングでストライクを取るくらい、まぐれの当たりがあるんじゃないかと。詠んでいたらストライクを取れるチャンスがあるんです。1行だけなら、もしかしたら村上春樹さんにだって勝てるかもしれないって錯覚できるというか。

前にそのお話聞いて「そうっすよ、それ!」ってものすごく心に突き刺さって。このたとえはみんなに聞いてほしかった(笑)。

それで話を戻すと、お互いに自由律俳句が好きだってことが判明して、でも何か縛りをつけて遊べたらおもしろそうだねっていう話をしてて。穂村弘さんの短歌が醸し出す“ワンダー”な雰囲気、又吉さんとせきしろさんの“センチメンタル”な自由律俳句じゃないところを探して辿り着いたのが、「エロ自由律俳句」だった(笑)。

我々にはまだ“エロティシズム”が残っていると。やっぱり詩とかはエロの題材が多いですし、脈々と文化の中で受け継がれているものですから、堂々と言ってみようではないかという感じですね(笑)。

エロは人間の生存本能ですから。僕たちもこれで文化を発展させていこうというね。ただ、僕たちは自由律俳句の上手い下手とかはわからない。だからふたりがこの道のプロというわけではなく、読者のみなさんと同じ立ち位置でこのジャンルを一緒に盛り上げていきたいと思っていますね。

ここで一大自由律俳句ブームを巻き起こしたいですね! 女子高生が自由律俳句を詠み合うLINEグループを作るくらい……。

自由律俳句のTikTokでバズる高校生俳人の登場もあり得ます。今後は読者の方から募集したいんですが、みなさん送ってきてくれますかね?

大丈夫でしょう! かが屋で月1回ラジオ番組をやらせてもらってるんですけど、そこでも自由律俳句のコーナーがありまして。これが信じられないくらい送ってくれるんですよ。スタッフさんが「これは自由律俳句として成立している」って判断したものだけで300通くらい来るんです。

それぞれの句を発表:「こんな色のセーター、清潔な人しか着られないです」

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原航平

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原 航平

(はら・こうへい)ライター/編集者。1995年生まれ、兵庫県出身。映画好き。『リアルサウンド』『クイック・ジャパン』『キネマ旬報』『芸人雑誌』『メンズノンノ』などで、映画やドラマ、お笑いの記事を執筆。 縞馬は青い

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