SEVENTEENが考える「幸せ」とは?新作『SEVENTEENTH HEAVEN』に込められた、ファンだけがわかる仕掛けと愛情
SEVENTEENが10月23日に11th Mini Album『SEVENTEENTH HEAVEN』でついにカムバックした。S.COUPS(エスクプス)が「10月にカムバックします!」とスポ(ネタバレ)してくれたあの日から、ずっと待っていた待望の新アルバム! WOOZI(ウジ)が「SEVENTEENを見てCARAT(ファンネーム)が幸せを感じられるようにという気持ちを込めたアルバム」と話していたが、本当に幸せが詰まった一枚だった。
目次
作品のディテールに込められるファンへの愛情
今回のアルバムコンセプトは“フェスティバル”。リリース前には、カモミールの花が空を舞うティザー動画が公開された。また、アルバムの一般盤は「AM5:26Ver.」、「PM2:14Ver.」、「PM10:23Ver.」と3形態が発表されたが、この時刻は、SEVENTEENのデビュー日である5月26日、CARATの誕生日である2月14日、そして今回のカムバック日、10月23日からきている。
もちろんSEVENTEENの楽曲はファンのみならず多くの人たちに聴いてほしいけれど、こうしてCARATしか知らない、CARATが喜ぶような仕掛けを入れてくれるあたり、さすがSEVENTEEN。ファン心をよくわかっている。
タイトル曲「God of Music」の幸福感
笑顔で空を舞うカモミールのティザー動画や、かわいすぎる3パターンのジャケット写真を見て、きっとタイトル曲の「God of Music」はお祭りみたいなハッピーソングなんだろうな〜と、なんとなくみんな予想していたのではと思う。そしてその予想は、HOSHIがサングラスをかけてロバに乗っているあまりにもかわいすぎるMVのサムネイルを見た瞬間、確信に変わった。
MVでは“音楽がなくなった世界”を舞台に、SEVENTEENが音楽を通じて世界中の人々と繋がっていくというストーリーが描かれている。JOSHUA(ジョシュア)の甘い歌声から楽曲が始まると、次から次へとカラフルで多幸感あふれるメンバーの姿が映し出されていく。正直、MVを見ながら何度「かわいい〜!」と叫んだかわからない。
今回のMVはハンガリーのブタペストで撮影されたそうで、景色もキレイだしメンバーもすっごくかわいいし、もうMVを観ているだけで幸せな気持ちになれる。そしてなんと言っても「쿵 치 팍 치 쿵 쿵 치 팍 치 예(クン チ パッチ クン クン チ パッチ イェ)」というフレーズ。「Super」の「DARUMDARIMDA」ばりに、一度聴いたら頭から離れない。韓国語がわかなくてもすぐに覚えられる魔法のようなメロディとフレーズは、まさにこの楽曲が示す“音楽は世界共通言語”を表しているようだ。
「音楽で世界中の人々を幸せにする」SEVENTEENらしさ
以前、別のコラムでも書かせてもらったが、SEVENTEENの楽曲のほとんどは、メンバーのWOOZIが作詞作曲を手がけている。「言葉が通じなくても音楽があれば僕らは今から大親友さ」という歌詞は、韓国語がまるでわからなくてもSEVENTEENの楽曲が大好きな日本人の筆者に、すごく刺さるフレーズだ。
そして、この曲が世界中で再生されていることや、MVが公開されると韓国語だけじゃなく多数の言語でYouTubeにコメントが寄せられているという事実は、SEVENTEENの楽曲が世界に浸透して、まさに音楽で世界中の人々を幸せにしていることに大きな説得力を持たせている。
今回は作詞にS.COUPS、VERNON(バーノン)、MINGYU(ミンギュ)も参加。それぞれ自分のパートの作詞を担当しているそうだ。S.COUPSの「4文字ならなんでも僕の名前だと言う」「クン チ パッチもまた僕の名前か?」という歌詞に沸いたCARATも多いはず。
S.COUPSはハングルで書くと4文字であることから、4文字の単語をひたすら言っていく「S.COUPSゲーム」という楽しいゲームが存在するのだ(※SEVENTEENの中だけで流行っている)。SEVENTEENにはほかに4文字のメンバーはいないので、この歌詞はS.COUPSにしか歌えない。JEONGHAN(ジョンハン)もこの歌詞がお気に入りだと話していた。
そしてSEVENTEENと言えば圧倒的なパフォーマンス力! SEUNGKWAN(スングァン)が「僕たちは曲が明るいからといって振り付けが簡単になるタイプではまったくない」と話していたが、「God of Music」は、軽快で爽やかなメロディからは想像もつかないぐらい、激しいダンスパフォーマンスも魅力のひとつだ。
その難易度は、パフォーマンスリーダーのHOSHI(ホシ)が「意外と『Super』より大変だった」と話していたほど。DK(ドギョム)が「「Super」とはまた違う感情を出す曲」と語っていたように、「Super」ではバチバチにかっこいい表情で踊っていた彼らだが、「God of Music」では終始笑顔でかわいらしいSEVENTEENを見ることができる。
サビの「(音楽の)神様へのメッセージ」のパートでは、ストレートに音楽の神様への感謝を伝えている振り付けがあったりとメッセージ性の強いダンスなので、歌詞と合わせて見るとより楽しめると思う。また、HOSHIとWOOZIのダンスブレイクにもぜひ注目してほしい。
パフォーマンスが楽しみになるアルバム曲
アルバムにはその他6曲の新曲が収録されている。MINGYUが「パフォーマンスをしたらすごくかっこいいと思う。早くステージで見せたい!」と笑顔で語っていた「SOS」。全編英語詞の楽曲で、前半のWONWOO(ウォヌ)&MINGYUのかけ合いがすごくかっこいいし、後半からの怒涛の盛り上がりはパフォーマンスでどのように表現されるかも楽しみだ。SEUNGKWANの美しい高音とDKのいつもとはまったく表情の違うボーカルにも引き込まれる。
デビューアルバム収録曲の「Shining Diamond」をサンプリングして作った「Diamond Days」。JEONGHANが「9年目になった今、当時とは違う状況で再解釈をした楽曲。CARATの皆さんはすごく喜んでくれると思います」と語り、DKは「聴くと泣きそうになる。CARATのみなさんもそうだと思う」と話していたように、SEVENTEENとCARATにとって一緒に思い出を辿っていけるような、宝物のような一曲だ。
ユニット曲に映し出される、多彩な表現
PERFORMANCE TEAM(HOSHI、WOOZI、JUN、THE8、DINO)のユニット曲は「Back 2 Back」。この楽曲は、お互いが背中合わせとなり四方を敵に囲まれたときに、お互いを頼っているようなイメージで作られたそうだ。PERFORMANCE TEAMはパフォーマンスだけではなく、年々ボーカル力も進化しており、低音から高音まで幅広い音域で歌う彼らに圧倒される。とくにこの楽曲はTHE8の高音がアクセントとなっていると思う。
DINO(ディノ)はTHE8のレコーディング時、高いキーを地声で歌っていたことにびっくりしたと話していた。本来なら裏声で歌うパートを地声で歌ってみたら、それが採用されたのだそう。
サビ前のDINOやJUNのセリフのように叫ぶパートもかっこよすぎる。ライブではいったいどのようなステージを作り上げて魅せてくれるのか、今からすごく楽しみだ。
「Monster」はHIPHOP TEAM(S.COUPS、WONWOO、MINGYU、VERNON)のユニット曲。「“HIPHOP TEAMの余裕のある態度と、成長した4人それぞれのフロウを感じることができる」とWONWOOがアピールしていたように、これまでとはまた違った4人の多彩な表現力が見られる一曲だ。
タイトルどおり、歌詞にもいろんなモンスターが出現していて楽しい。「今俺の人生はポップスター 信じられないならスタジアムに遊びにおいで」のような、HIPHOP TEAMらしい挑発的なリリックも最高だ。WOOZIが「公演で披露することを考えながら企画した」と話していたが、これは絶対にライブで爆音でノリノリになりながら聴きたい! 最高に盛り上がるはずだ。
VOCALTEAM(JEONGHAN、JOSHUA、WOOZI、DK、SEUNGKWAN)の「Yawn」は、WOOZIが単独作詞した楽曲。THE8が「歌詞にあくびを表現する部分があるんですが、芸術です。すごく詩的」と話していたように、WOOZIらしい繊細な感性で紡がれた歌詞は胸に刺さる。
WOOZIはこの楽曲を制作した翌日に、当時活動休止中だったSEUNGKWANに個人メッセージで曲を送ったそう。SEUNGKWANは「一節目ですぐに涙が出ました。冗談で、『休んでるのに僕を泣かせるなんて』と言ったけど、WOOZIさんの作った感性あふれるバラード曲のトップを記録したんじゃないか」と絶賛していた。VOCALTEAMの透き通るような美声が最大限に生かされた一曲だと思う。
「僕たちもCARATを見て熱狂する」
そして「Headliner」。実はタイトルの「Headliner」は、CARATのことなのだそう。「CARATは僕たちを見て熱狂するけど、僕たちもCARATを見て熱狂するから」というWOOZIの想いが込められている。その想いを聴いてからこの曲を聴くと、WOOZIの歌い出しの「会う前からときめかせて」という歌詞に最高にキュンとしてしまう。
「たったひとつの僕の宝物」や「君は僕のヘッドライナー」などキュンとする歌詞の連続で、さすがに私たち相思相愛すぎやしないだろうか。特に「雨が降る日が来ても 君の最前列に立ってあげるよ」というフレーズはうるっとした。きっとライブで聴いたら泣いてしまうだろう。
WOOZIは「God of Music」を制作するにあたり、「僕たちはどんな瞬間なら確信を持って“幸せ”と言えるか」について考えたと言う。そして、「ステージの上でSEVENTEENとCARATが会うその瞬間はお互い幸せ。僕たちを繋げてくれるのは音楽だから、もしこの世に音楽の神様がいたら、このありがたい気持ちを伝えたい。僕たちが出会う機会を与えてくれて、幸せになれるようにしてくれたから」という想いを込めて作ったそうだ。
いやいや、それはこちらのセリフだ。もし音楽の神様がいるのなら、いつも全力のパフォーマンスを見せてくれて、彼らを推していて本当によかったと思わせてくれるSEVENTEENと出逢わせてくれてありがとうと伝えたい。
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