INIがMINI以上に楽しんで初のツアーを完走。松田迅「お母さんとお父さん、自慢の息子やろ~!」

2023.1.10
INI

(C)LAPONE Entertainment
文・編集=梅山織愛


2021年にデビューしたグローバルボーイズグループ「INI(アイエヌアイ)」。彼らの初のアリーナツアー『2022 INI 1ST ARENA LIVE TOUR[BREAK THE CODE]』が、全国4都市5会場全13公演で開催された。

本稿では1月7日に日本武道館で行われたツアーファイナルの模様をレポート。公演中に彼らが振り返ったこれまでの道のり、そしてMINI(INIのファンネーム)に誓ったこれからの目標とは。

ド派手な演出からスタート

日本武道館での開催が発表されたのは、2022年11月1日に生配信された『INI DEBUT 1ST ANNIVERSARY PARTY』でのこと。サプライズでの発表にメンバーも「武道館でできるなんて夢のよう!」と期待をふくらませていた。

武道館での開催を発表した『INI DEBUT 1ST ANNIVERSARY PARTY』

そんな夢の舞台で迎えたツアー最終公演。ロケットのようなセットが打ち上がると、中から黒い衣装に身を包んだ11人が登場した。最初に披露したのはデビュー曲「Rocketeer」。この1年間、さまざまな場面で披露してきたINIを代表する一曲で会場のボルテージを一気に上げる。さらに、リーダーの木村柾哉が「ラスト、行くぞ!」と叫ぶと、メンバーはさらに熱気を帯びた。そのあとも「Cardio」「BOMBARDA」とINIらしいエネルギッシュな曲をパフォーマンス。

INI
火花が散るなか登場したINI(C)LAPONE Entertainment

MCコーナーではそれまでの雄々しい表情から一転。穏やかな表情で「MINI~来てくれてありがとう~」と会場全体に手を振る。後藤威尊は「今日はMAPを開いたときに武道館のところが黄色に輝くホットスポットになるようにします!」と宣言。髙塚大夢は「この2時間半、泣く時間じゃないですからね。楽しんで、笑って帰る2時間半にしましょうね。メンバーも!」と最後まで笑顔で完走することを誓った。

また、木村の合図で改めて「MINIの皆さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」と挨拶。兎年の話題になると、年男の髙塚がふたつのタオルをうさぎの耳にして会場を沸かせる。一方、同じく年男の藤牧京介は松田迅から同様のうさ耳をつけられそうになるも「俺は大丈夫!(笑)」とかわした。しかし「もっとたくさんのMINIのみんなに会う!」と今年の抱負を語っている最中に、背後にいた木村から手でうさ耳を立てられていた。

INI
(C)LAPONE Entertainment

それぞれの個性が光ったユニット曲

つづいて、佐野雄大が「僕たちにとっても思い出深い楽曲を、成長したINIがパフォーマンスさせていただきます」と曲振りをして披露したのは、オーディションの最終審査で課題曲だった「RUNWAY」と「ONE」。オーディションではダンス未経験のためまわりとの実力差に悩んだ佐野だが、その言葉どおりほかのメンバーに引けを取らないパフォーマンスで成長した姿を見せた。

白をベースにした衣装にチェンジし、披露したのはR&B調の楽曲「Do What You Like」。まるでドライブを楽しんでいるかのような世界観で会場を包み込んだ。その後もポップな楽曲がつづき、メンバーの笑顔があふれる。また「KILLING PART」の最後には、先ほどうさ耳から逃げていた藤牧が照れながらも髙塚と共に曲終わりでうさぎのマネをした。

INI
「Do What You Like」ではスクリーンにも車が登場(C)LAPONE Entertainment
INI
うさぎポーズだけでなくハートで愛嬌を振りまく髙牧(C)LAPONE Entertainment

ライブ中盤ではユニット曲を披露。まずは木村、後藤、松田がダンスナンバーを。小柄ながら体を大きく使いダイナミックに踊る松田、しなやかに踊りながらもパワーがあふれる後藤、そして重厚感とキレを武器にふたりを引っ張る木村。3人の個性が光りつつも、息の合ったダンスを見せつけた。

INI
約1年前に公開された動画「INI WORKSPACE」からさらに進化したダンスを披露した3人(C)LAPONE Entertainment

つづいては池﨑理人、田島将吾、西洸人の「How are you」。オーディションのトレーナーだったKEN THE 390とのコラボや田島と西はグループの楽曲でも作詞を担当するなど、この1年でラップラインとしてさまざまな経験をしてきた3人。余裕を感じさせるその姿は、これまでにない大人の色気をまとっていた。

INI
ドス鯉倶楽部の愛称を持つ3人。会場には3人のうちわを並べて持つ人も(C)LAPONE Entertainment

ユニット曲最後は、尾崎匠海、佐野、許豊凡、髙塚、藤牧のボーカルラインによる「Mirror」。テンポの速い表題曲が多いINIだが、その中でも光るのがこの5人の透き通った歌声。今回はピアノとギターの音色が調和するこの曲で、優しいハーモニーを響かせた。

INI
5人の歌声で会場には温かい空気が流れた(C)LAPONE Entertainment

最後まで激しいダンスで完走

池﨑が「僕はうまくいかないこととか、つらいことから逃げるという選択をするのも間違いじゃないと思っていて。僕らがMINIのみなさんが逃げてこられるような癒やしの場所になれるよう願ってます」とMINIへの思いを語って披露したのは、追加公演からセットリストに加わった「Runaway」。池﨑の言葉どおり11人がMINIに寄り添うよう歌い始めると、スクリーン上にはいつも背中を押してくれるINIに向けたMINIからの感謝のメッセージが映し出された。

INI
会場を見渡しながら歌う11人(C)LAPONE Entertainment

ライブ終盤は「Dramatic」「BAD BOYZ」と1stアルバム『Awakening』の収録曲をつづけて披露。クセになるメロディが特徴的な2曲でタイトルどおり覚醒した姿を見せた。最後のMCコーナーでは西が「これを言うの早いけど、ここまでにやった楽曲はもうこのステージで踊らないんだぜ!」とまだパフォーマンスが残るなか、早くもしみじみ。メンバーも「確かに~」「そっかー」と同調した。

ラストを飾ったのは、アルバムの表題曲である「SPECTRA」。「We’re popping like the New SPECTRA 俺たちのNew drama 前人未踏のNew era」という歌詞のように、さらなる進化を感じさせる力強いパフォーマンスで公演を終えた。

これからもMINIと一緒に

INI
(C)LAPONE Entertainment

鳴り止まない拍手を受け、再び登場した11人はオーディションテーマ曲だった「Let Me Fly~その未来へ~」を披露。最後の挨拶では、それぞれ今回の“夢の舞台”に辿り着くまでの葛藤やここまで支えてくれた人々への感謝を語った。尾崎は「自分は(ファンの)支えになれるようなアーティストになりたいってずっと言ってるんですけど、たまにそういう存在になれているのかと不安になることがあります。でも、ライブを通してみなさんと直接目を合わせているとすごく幸せな笑顔を向けてくれて。ちゃんと支えになれてるのかなって思えるので、すごくうれしいです」と思いの丈を話す。

田島は「これからももっと強く歩いていきたいなと思いましたし、MINIのみなさんと一緒に歩んでいきたいなと思いました。このツアーを通して皆さんとの距離が縮まったんじゃないかなと思います。終わっちゃうのが寂しいな~という気持ちです」と今回のツアーで感じたことを語った。

また許は「自分は知り合い0、家族0の状態で日本に来たので、たまに言語が通じないときもあるし、やっぱり孤独を感じることもあるんですけど、そんな弱かった自分を強くしてくれたのはここにいる皆さんです」と胸の内を明かす。そして「本当は皆さん一人ひとりに感謝の気持ちを伝えたいんですけど、なかなかそれができないので、少しでも自分たちのパフォーマンスで笑顔になってくれたらと。ここにいないMINIの皆さんもどこかで自分たちの姿を見て、皆さんのおかげでがんばれてるってことが伝わったら、それが自分たちにとって最高の恩返しになります」と日々、支えてくれているMINIに笑顔を見せた。

さらに成人の日を前に昨年20歳になった最年少の松田は「こういった舞台に立たせてくださって本当にありがとうございます」と思わず涙。さらに「今日まで支えてくれたお母さんとお父さん、自慢の息子やろ~!」と、両親に向けてこれまでの感謝を込めた言葉を贈った。

最後は観客の撮影も解禁して「We Are」の披露。紙吹雪が舞う中、会場の隅々まで感謝が届くよう手を振り、ツアーファイナルを締め括った。

今回の公演に限らず、これまでもリリースイベントなど至るところで「ライブができることがうれしい」「MINIと顔を合わせることが幸せ」と口にしていたINI。このツアーでは、その言葉が嘘でなかったと感じられる瞬間が随所にあった。8000人の観客一人ひとりと目を合わせるように会場を見渡す姿、“楽しい”という感情があふれるパフォーマンス。MINIの前でパフォーマンスすることが彼らにとっても幸せであるということが言葉だけでなく、全身から伝わってきた。

世界での活躍を目指すINI。しかし、この先どんなに大きな舞台に立つことになっても、誰の手も離さずにいてくれるだろう。

INI
終演後のINI(C)LAPONE Entertainment

『2022 INI 1ST ARENA LIVE TOUR[BREAK THE CODE]』(2023年1月7日、日本武道館)セットリスト

01.Rocketeer
02.Cardio
03.BOMBARDA
04.RUNWAY(INI Ver.)
05.ONE(INI Ver.)
06.Do What You Like
07.KILLING PART
08.AMAZE ME
09.Brighter
10.STRIDE
11.DANCE #1(ユニット曲:木村柾哉、後藤威尊、松田迅)
12.How are you(ユニット曲:池﨑理人、田島将吾、西洸人)
13.Mirror(ユニット曲:尾崎匠海、佐野雄大、許豊凡、髙塚大夢、藤牧京介)
14.Runaway
15.Password
16.CALL 119
17.Shooting
18.Dramatic
19.BAD BOYZ
20.SPECTRA
──アンコール──
21.Let Me Fly~その未来へ~(INI Ver.)
22.We Are

この記事の画像(全15枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

関連記事

『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』10月23日、東京公演より (c)LAPONE ENTERTAINMENT

JO1、初のアリーナツアー千秋楽で見せつけた“経験値”。リーダー・與那城奨「いい思い出になった」とハプニングにも笑顔

INI

INIが団結して謎解きに挑戦。サプライズに藤牧京介「ひとつの夢が叶った」【『「M」PREMIUM SHOW CASE』レポート】

INI

INIが『I』活動期間で見せた成長。藤牧京介「これからもっともっと会っていきたい」【『INI COMEBACK SHOW』レポート】

7ORDER安井謙太郎の採用体験記

7ORDER安井謙太郎の採用体験記──妥協なきエンタメの現場で「一緒に働きたい人」とは?【求人ボックス特別企画】

天才コント師、最強ツッコミ…芸人たちが“究極の問い”に答える「理想の相方とは?」<『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』特集>

「みんなで歌うとは?」大西亜玖璃と林鼓子が考える『ニジガク』のテーマと、『完結編 第1章』を観て感じたこと

「まさか自分がその一員になるなんて」鬼頭明里と田中ちえ美が明かす『ラブライブ!シリーズ』への憧れと、ニジガク『完結編』への今の想い

歌い手・吉乃が“否定”したかった言葉、「主導権は私にある」と語る理由

クイック・ジャパン/QJWeb/QJサポーターズ

クイック・ジャパンを一緒に盛り上げるメンバーを募集しています!

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。