【Kep1er】韓日中ガールズグループの魅力を発掘!“ゲラ”な日本人メンバーのやりとりに、世界が注目。

2022.10.12

※トップ画像=『FLY-UP』(通常盤)より
文=キクチカムサ 編集=菅原史稀


韓国のガールズグループ、Kep1er(ケプラー)が中高生を中心に人気を集めている。デビューアルバム『FIRST IMPACT』のタイトル曲「WA DA DA」は、本人たちの映像をはじめ動画系SNSユーザーによるダンスチャレンジなどで流行し、TikTok内での総再生回数はなんと20億回を超える(2022年10月7日現在)。本稿では、Kep1erの必聴動画、そしてその見どころを紹介したい。

Kep1er
(ケプラー)2021年、韓国のオーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』から誕生した日中韓の9人組グローバルガールズグループ。世界中の視聴者からの投票により、ユジン、シャオティン、マシロ、チェヒョン、ダヨン、ヒカル、ヒュニンバヒエ、ヨンウン、イェソの9名が選ばれ結成。グループ名のKep1erは「夢をつかんだ」ことを意味する“Kep”と、9人の少女がひとつになって「最高のガールズグループ」になるという意味の “1”を組み合わせている。2022年1月3日、韓国にてミニアルバム『FIRST IMPACT』でデビュー。


日本でも注目を集めるグローバルグループ

Kep1erは、2021年に放送された韓国のオーディション番組『Girls Planet 999:少女祭典』からデビューした9人組グループ。

9月にはシングル『FLY-UP』で日本デビューを果たし、オリコンランキングデイリーチャート1位、ウィークリーチャート2位を記録。先月行われた日本デビュー記念ショーケースは3分で2万席が完売。さらに10月13日には、3rdミニアルバム『TROUBLESHOOTER』のリリースを控えている。

すでにライブアンセム!「WA DA DA」

動画系SNS上で話題となったデビュー曲「WA DA DA」は、印象に残るフックが散りばめられるキャッチーなナンバーだ。この曲の真価がひときわ発揮されるのは、ライブだろう。今年の6月に行われた韓国最大規模の音楽イベント『28TH DREAM CONCERT』で披露された同曲のパフォーマンスを配信で観た筆者は、そのポテンシャルに驚かされた。

メンバーが登場するやいなや巻き起こる大きな声援、そして大合唱。プレコーラスの「WA DA DA DA!」、そしてサビの「Oh-oh, Oh-oh……」というフレーズがシンプルながらも、それゆえに敷居を感じさせず、観客を高揚と熱狂の渦へと巻き込む。韓国では今年5月からライブ鑑賞中の声援や拍手が解禁されたのだが、それまでオーディエンスが抱えていたフラストレーションもその熱狂の一因となったのかもしれない。

残念ながら、日本でのライブは未だファンが声を出すことができない場合がほとんどなだけに、思う存分声を上げながらこの曲を鑑賞できる日が待ち遠しい。


クールなステージもこなすポテンシャル

デビューアルバムに収録され、「WADADA」と共にステージで披露される機会が多い「MVSK」(マスク)。

KARAやTWICEなどの楽曲を世に送り出してきた、K-POPブームを牽引する作曲チーム「e.one」が手がけた同曲は、メンバーのカリスマ性が見えることからファンの間でも人気だ。その美貌でイントロから圧倒的に目を引く中国人メンバーのシャオティンに始まり、メインで歌い踊るメンバーがフレーズごとに入れ替わる様は圧巻。見れば見るほどのめりこんでしまうタイプの楽曲といえるだろう。

総勢100名弱のオーディションを勝ち抜いたメンバーだけあって個々の実力は折り紙つき。フォーカスが当たる瞬間に華を見せるのはもちろん、逆に個を消す必要があるそれ以外の部分で一糸乱れぬシンクロを難なくこなして見せるのがKep1erの凄みだ。

この曲で特に存在感を見せるのが日本人メンバーのヒカル。曲を構成する音が減って自然とメンバーの動きや表情に注目が集まる2番のプレコーラスにて、完璧な表情、そして流れるように動きつづけながらも目に焼きつくボディラインの曲線美を披露している。

華のあるボーカル、チェヒョンの歌声を聴け

今年1月にデビューしたのち、休む間もなく活動をつづけてきたKep1er。今年の3月から放送された、ガールズグループ同士が事務所の垣根を越えてパフォーマンスを競い合うサバイバル番組『QUEENDOM 2』にも新人グループながら参加、数々の名場面を残した。


ここで取り上げるのは、他グループとポジション別選抜ユニットを組むこととなった第3ラウンドより、ボーカル選抜による「Don’t go」のステージだ。Kep1erからはチェヒョンとヨンウンが参加している。チェヒョンは『Girls Planet 999:少女祭典』でも屈指のボーカリストとして注目を集めたが、その実力は健在。キーのレンジが広く、低音から高音まで安定した声量、技術的な引き出しの多さ、そしてその透明感ある声質は唯一無二。間奏明け、感極まったヨンウンの涙、そしてチェヒョンによるハイトーンのフェイクで、この曲はクライマックスを迎える。

“ゲラ”な日本人メンバーによるやりとりも見逃せない

K-POPアイドルの活動を追うにあたり、欠かせない存在として挙げられるのが「VLIVE」だ。VLIVEとは、ライブ配信などを通じて視聴者がコメントやハートを送ることができる、韓国の動画配信サービス。あらかじめ準備されたセリフをしゃべるインタビューとは異なり、何が起こるかわからない、ステージ上では見ることが出来ないアイドルの“素”に近い姿、言葉選び、性格などを垣間見られる点が魅力となっている。

今回取り上げた動画では、前述のヒカル、そして同じく日本人メンバー・マシロが登場。ファンの質問やリクエストに答えつつ、来日時の活動や生活について雑多に語っている。グローバルファンに向け韓国語も織り交ぜつつ、配信の半分以上が日本語で行われているため、K-POPアイドルになじみがない人にも取っつきやすいコンテンツといえる。

またこのVLIVEでは、視聴者が自らアイドルたちの会話を翻訳し、字幕をつけることができるシステムを採用している。そのためふたりの日本語によるやりとりも、ファンの手によって韓国語や英語、スペイン語、インドネシア語などに翻訳されており、ドン・キホーテで購入した品物を物色中の「カントリーマアム買ってない!」といった発言が各国のファンへ届いている点も興味深い。

このふたりがとにかくゲラで、無邪気に笑っている姿はこちらの笑いを誘うようであり、なによりステージでの気迫のこもった姿を知っていれば知っているほど、そのギャップ、年相応の彼女たちの姿に驚かされる。

活動が始まったばかりながら多彩な表情・魅力を見せてくれるKep1er。スキルのあるメンバーがそろっていることから、これからもさらに数多くのジャンルの楽曲に取り組み、また違った一面を見せてくれることだろう。今後の活躍が楽しみだ。


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