K-POP日本人メンバー「ツキ」が大ブレイク中。1000万回超の再生回数を生んだ“職人技”級のパフォーマンスに注目

2022.9.10

※トップ画像=Billlie『the Billage of perception:chapter one』より
文=キクチカムサ 編集=菅原史稀


昨年K-POPアイドルとしてデビューしたばかりにもかかわらず、本拠地韓国で大きな注目を集めている日本人をご存じだろうか。ツキという名前で活動する彼女は、ガールズグループ・Billlie(ビリー)に所属している。

この記事では、そんなツキの活躍や注目を集めた理由などを紹介したい。

Billlie
(ビリー)2021年に結成した韓国の7人組女性アイドルグループ。2021年11月10日にミニアルバム『the Billage of perception : chapter one』でデビュー。現在は韓国出身メンバーのスア、スヒョン、ハラム、シユン、ション、日本出身メンバーのツキ、ハルナの7人組として活動中。8月31日、最新ミニアルバム『the Billage of perception : chapter two』ををリリースした。


韓国で今最も注目されている日本人アイドル「ツキ」

彼女が一躍脚光を浴びたのは、とある楽曲の個人映像(パフォーマンス中の個人の動きを追った映像、K-POPシーンでは“チッケム”と称される)だ。その映像のYouTube再生回数はなんと1000万回以上。K-POPを代表する人気グループ・BLACKPINKやTWICEメンバーの映像でさえ1000万回以上再生されたものは数少ないことからも、いかに驚くべき数字かが窺える。

この映像でブレイクを果たしたツキは、個人でもバラエティ番組に出演、さらに韓国コスメブランドのアンバサダーに就任など、まさに今韓国で最も注目されている日本人のひとりとなった。

日本のファッション誌モデル出身

ツキが初めて世間の注目を集めたのは2018年から開催された日本のファッション誌『Popteen』プロデュースのオーディション番組『Popteenカバーガール戦争』。日本で活動しているメンバーが主な中、突如韓国からの参加者として登場した。

韓国での練習生期間が長いツキは、歌唱・ダンス共にハイクオリティなパフォーマンスを披露し、すぐさま同オーディションの中心メンバーに。見事ランキング1位となり「MAGICOUR(マジックアワー)」としてデビューしたほか、同誌の専属モデルにも昇格。韓国でのデビューを目指し、同グループでの活動は1枚のシングルのリリースのみとなったが視聴者に圧倒的な印象を植えつけた。

本場のファンもうならせる確かな実力は、長い練習生時代の賜物

そのパフォーマンス力は当然一日にして結実されたわけではなく、練習生としての長く厳しい下積みによるものだ。幼き日にテレビで観た少女時代に憧れ、4歳からダンスを習い始めたというツキ。中学生のころには、少女時代が所属している韓国の大手芸能事務所SMエンターテインメントのオーディションに参加、約2万人の参加者のうち唯一の日本人合格者となった。

2年の期間を同事務所の練習生として過ごしたが、デビューの機会に恵まれなかった彼女。日本と韓国を行き来する生活を送りつつ、途中にはTWICEやNiziUらが所属する事務所、JYPエンターテインメントの公開オーディションにも挑戦したあと、現在所属する事務所ミスティックストーリーへと辿り着いた。

こちらの動画は今からおよそ3年前、練習生時代の発表会のもの。特に注目すべきは少女時代のメンバー・テヨンの「四季」のカバーだ(動画09:53〜)。本番のわずか2時間前に、スタッフからの提案で急遽歌うことになったというこの曲で、甘く透明な歌声を見事に披露している。

再生回数1000万回超え!飛躍のきっかけを生んだ伝説の個人映像

数多くの挑戦をしてきたツキの努力が花開いたのが、冒頭で紹介した個人映像。彼女が所属するグループ・Billlieの楽曲「GingaMingaYo (the strange world)」リリース時、音楽番組に出演した際に収録されたこちらの映像は、サムネイルの大きく目を見開いた表情がリスナーの好奇心を誘った。

そしてその期待を上回る、まさに目を離すことができないそのパフォーマンスは、まるで職人技。映像の中で、歌に合わせて何回も(何十回も!)変わる表情はまるで精巧に造られた人形か、もしくはデフォルメされたアニメキャラクターかのよう。まったく隙のない表情演技のインパクトもさることながら、その裏に膨大な練習量が窺えることで、K-POPファンの間で話題となり瞬く間に再生回数が増えていった。

K-POPシーンで受け継がれる日本人メンバーのバトン

今や世界から注目を浴びる一大ジャンルとなったK-POP。日本出身メンバーの活躍はファンからの関心を集めるだけでなく、若きアイドル志望者たちが日本からK-POPシーンをまなざすきっかけにもなっている。

ツキがK-POPに興味を持ったのは少女時代の影響が大きいのだが、K-POPで活躍する日本人メンバーの先輩に当たるTWICE・モモもロールモデル、憧れの存在であると公言している。また日本のダンススクールに通っていたころは、モモの実姉であるハナにダンスを教わっていたというつながりもあるという(モモの実姉は日本でダンスのインストラクターを行っている)。

ほかにもHKT48元メンバーで、2018年から昨年までK-POPグループ・IZ*ONEに所属、現在はLE SSERAFIM(ル セラフィム)メンバーとして韓国を活動拠点とする宮脇咲良と韓国のバラエティ番組で共演した際には、「(宮脇が)日本人として韓国で活動する姿を見てとても感動していた」と語る姿も見せていた。

K-POPをはじめ、パフォーマンスの業界で活躍する日本人が増えてくることでこれからもバトンがつながれていくことだろう。ツキの今後の活動や、モモや宮脇咲良とのパフォーマンスでの共演、そしてツキのパフォーマンスに憧れK-POPアイドルを志す、さらなる若い世代との共演にも期待したい。


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