トム・クルーズの名「ドヤ顔」映画3選
『デイズ・オブ・サンダー』(1990)
『トップガン』につづき、トニー・スコットとタッグを組んだ作品。同時にニコール・キッドマンと初共演を果たしている。予算やスケジュールの問題が重なり、レース映画だというのにレースシーンよりも人間ドラマ尺のほうが多いのも印象的な作品である。そのドラマも濃厚とは言い難い。『トップガン』の戦闘機から車にしただけの「トップガン・イン・レースカー」という批判もあるほど。
しかし、クライマックスで見せるトムの表情が、プロットに足りないドラマ性をすべて補っているかのようであり、このときのドヤ顔のインパクトが今の原型にあるのかもしれない……。
『ナイト&デイ』(2010)
インドでもリメイクされた隠れた名作。このころのトム・クルーズは、ケイティ・ホームズとのスキャンダルの影響で、なかなか仕事に恵まれなかった時期であり、今作においても4番目の候補であった。
心なしかトムのドヤ顔も、どこか元気がないのが逆に印象的。興行的にも成功とは言い難い結果となっているものの、トムとしては二枚目と三枚目の間を行く役どころであり、けっこう吹っ切れた分岐点作品ともいえる。
そのコメディ要素が、良くも悪くも『ミッション:インポッシブル』シリーズにコメディ色を加える要因になっているとも感じられるだけに、通過点としては忘れてはいけない作品だ。
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)
シリーズの第4弾。ドバイにある約828mの超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」のシーンは、プロのスタントマンであっても恐れるほどのスタントをトム本人が行っている。
当初は、今作で初登場となるジェレミー・レナー演じるウィリアムを主人公としてシフトしていく予定もあったが、さすがにそんなスタントを見せつけられて、あとを継ぎたいと思う俳優がどこにいるだろうか。
配給や製作会社、そして世間に対して「このシリーズの主役はトムにしかできない!!」と印象づけた作品といえるだろう。
どこへ向かう? 究極のトム・クルーズ
トム・クルーズのドヤ顔は今に始まったことではないが、その説得力に、彼の役者魂が見えるというのは、間違いなく一流の役者であるからだ。
役者を立てるところは立てていて、主役でない作品に関しては徹底的にサブに徹し、コスプレで自分を隠している(『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008)のように結果的に目立ってしまうこともあるが)。プロモーション能力の持ち主としても高く評価されているのだ。
リスペクトしていたジャッキー・チェンを上回るほどのスタントをこなしているトム。『トップガン マーヴェリック』を観ても、まだまだ通過点にしか思えない。
トムにとっては完全体であっても、究極体ではないのだろう。このおもしろ過ぎる俳優は、いったいどこへ向かっていくのだろうか……。目が離せない!!
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『トップガン マーヴェリック』
2022年5月27日(金)公開
監督:ジョセフ・コシンスキー
脚本:クリストファー・マッカリー
製作:ジェリー・ブラッカイマー、トム・クルーズ
出演:トム・クルーズ、エド・ハリス、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、ヴァル・キルマー
配給:東和ピクチャーズ
(c)2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
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