男女で区別する違和感。自由すぎるYouTuber“とうあ”のアイデンティティ「しっくりくる言葉がない。人間ってくくりしかない」

2022.5.27
とうあ

文=とうあ


登録者約50万のYouTuber「ウチら3姉妹」のメンバー、“とうあ”。性別にとらわれないアイデンティティやファッション、恋愛観、人生観などが多くの共感を呼び、個人でのSNS(TikTok/インスタグラム/YouTube)のフォロワーは約200万人。「おはようでやんす」の挨拶フレーズがバズり、「2020年インスタ流行語大賞」にランクインしたこともある。

現在19歳のとうあは、どのように「なりたい自分」になったのか? その哲学や生きるためのヒントが詰まったエッセイ集『生まれ変わっても自分でいたいって思うために生きてる』(KADOKAWA/2021年12月発売)から、一部を特別に公開する。


なんでみんな男女で区別するんやろ

とうあ
『生まれ変わっても自分でいたいって思うために生きてる』

小さい頃から、「男女」っていう枠で何かを決めることがほとんどなかった。今でも「男女」っていう感覚はよくわからない。

あたしは生物学上の性別は男なんやけど、小さい頃から仲良くなるのは女の子ばっか。でも、女の子の遊びとされてるものが大好き!っていうわけでもなかった。体を動かすことが好きで、外でバドミントンしたり、いとこのダンス教室に遊びに行ったり、ソーラン節を踊ったり。

「男女とかなんも気にせず好きなことで遊ぶ」って感じ。小学生になっても、やっぱ友達は全員、女の子。選んでるわけじゃなくて、シンプルに男の子の遊びがわかんなかったし興味なかった。

よくDMとかでいじめの経験を聞かれるけど、それは1度もないんよ。

女の子たちはフラットに、ウチら女同士やんね!って感じで受け入れてくれてたの。今思うと不思議だし、すごい恵まれた環境だったなって思います。だから自分の性別に疑問を抱くこともなかったし、なんで先生たちはこんなに男女で区別するんやろ?って不思議だったし違和感しかなかった。

女の子たちとばっか一緒におったり、べったり腕を組んで歩いとったりすることを先生からママに報告されたことはあったけど、ママもあたしも気にしてなかったなぁ。ただ、小5のときかな、先生があたしについて「女性ホルモンが多いかなんか知らんけど……」って言ってるのを聞いちゃって。もちろん女性ホルモンの意味とかわからんかったけど、めちゃくちゃ腹が立ったのを覚えてる。それを友達とか理解がある先生たちにぶちまけたら、「先生が変なだけで、とうあは変じゃないよ!」って。今でも、男とか女とかトランスジェンダーとか、全部の言葉がしっくりこない。

一番の味方も影響されたのもママ

周りの女の子のなかでも、一番影響を受けたのは間違いなくママ。ママは倖田來未さんのことがめっちゃ好きで。家でずっとライブDVDが流れてて、一緒に観てたらあたしのほうがハマっちゃった。5歳くらいのときかな、たぶん。倖田來未さんがライブで着てたバニーガールの衣装をマネしたくて、100均でうさぎの耳買って、タオルを腰に巻いたりしてました。口元に折った綿棒つけて、ライブ用のマイクみたいにしてた。わかる? その格好で踊って歌って、ママとか誰かが動画を撮ってくれてないと怒るんよ。目立ちたがり屋は、5歳の頃からみたい。

“こうなりたい!”って意識したの、この頃が初めてだと思う。

服にこだわり始めた中学生まではママの服を着ることも多くて、よく着てる古着のプリントとかバスケのウェアとかは完全にママの影響。

ママをはじめ、家族から服装をどうこう言われたり、男らしくしろとか言われたことは一切ない。

唯一ママ側のおばあちゃんが口出してきたけど、家族で総無視(笑)。ママとか逆に喜んでたんやないかな、あたしと好きなことが共有できて。

ママに影響されたことで、一番おっきいのは考え方。家にいるときは、ママに対して、そのとき思ったことやあったことを、ひたすらばーってしゃべってたんやけど。そうすると、あたしの発言から悩みのタネをつまみ出して「ママだったらこうするよ」ってアイデアをくれるの。自分じゃまったく想像もつかないようなことを言うし、しかもそれが超ポジティブなのね。そんな考え方もあるんだ、そうやってもいいんだ!って思えて、マジで超心強かった!


生まれたときから周りは女の子ばっか

とうあ
とうあ

ちなみに生まれは岐阜県。下のほうの羽島市ってとこで、わりと岐阜市から近いかな。田舎っちゃ田舎だけど、不便がない、ちょうどいい田舎って感じ。愛知が真下にあって電車で40分で名古屋に行けちゃうし、家から30秒でコンビニ行けたし。あっ、それはウソやわ。3分、3分!

しかも新幹線通ってるし、コストコあるし。でも地元を「好き!」って思えたのは、東京に出てきてから。向こうにいたときはなんもないし、つまんないしって感じで、良さが全然わからんかった。離れてみると、やっぱ地元っていいね。空気がぜんっぜん違うんだよねー。

家族構成はママ、パパ、自分、妹の4人。ママはお察しの通りファッションも考え方も何もかも派手! まぁ今はだいぶ落ち着いたけど、めちゃめちゃ明るくて、超ポジティブ。でもパパは真逆で、ほんっっっと静か。

ひとこともしゃべらんの、冗談じゃなくて! 自分の性格は完全にママ似だけど、顔はパパそっくり。きれーに分かれてるの、すごくない?(笑)。

ちなみに妹は自分の反対で、顔はママ似で性格はパパ。昔から自分とママが永遠にしゃべってて、パパと妹はだまって聞いてる感じだった。

いとこが近所に住んでて、しょっちゅう家族ぐるみで遊んでたんだけど。そのいとこは女の子で、自分と妹、そこにうちのママと、いとこのママ。パパたちは仕事でほとんど家にいなかったから、幼稚園に入るまで、男の人と触れ合う機会がまったくなかったんよね。その結果、男の遊びがわからんまま育ったわけ。生まれたときから、とにかく周りに女の子しかおらんかったなーっていう感じがする。

「とうあって“とうあ”っていう性別だよね!」って言われてきた。ほんとシンプルにそれだし、それ以上にしっくりくる言葉がない。男女を区別する理由は意味不明。あたしには昔から人間ってくくりしかない。

『生まれ変わっても自分でいたいって思うために生きてる』(とうあ/KADOKAWA)より

【関連】“若い女”を無駄にしてはいけないと思っていた「女の価値」という苦痛


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