わかりやすいテレビと想像力を要する舞台。お〜い!久馬が紐解く「コントの疑問」
お笑いやバラエティ番組にさまざまな影響を与えてきたテレビ番組でのコント。一時はゴールデンタイムでの放送が減ったコント番組だが、『新しいカギ』(フジテレビ)、『キングオブコントの会』(TBS)など再び増加している。
時代と共に変化してきたコントについて、ザ・プラン9のリーダーで構成作家としてコント番組にも携わる、お〜い!久馬がインタビュアー・クエスチョン久馬と共に「ひとりQ&A」で紐解く。
コント番組の作り方に感じる変化
クエスチョン久馬(以下、Q馬)「今日はよろしくお願いいたします」
久馬「よろしくお願いいたします」
Q馬「ええ。近年のテレビコントについて、いろいろお話を聞きたいのですが」
久馬「はい。でもそんな語れるほど、何もしてませんけど」
Q馬「またまたご謙遜を。久馬さんはコント番組に作家として携わってるようですけど」
久馬「ええ、ありがたいことに。昔は『チュー’sDAYコミックス 侍チュート!』(TBS)や『ピカルの定理』(フジテレビ)、今は『新しいカギ』に参加させてもらってます」
Q馬「そうですよね。最近『新しいカギ』のほか、『キングオブコントの会』『ただ今、コント中。』(フジテレビ)などコント番組が増えてるように思うのですが、どういった要因が考えられますか?」
久馬「それは正直、よくわからないですね。タイミングみたいなものなんですかね。おもしろいコントをする人がいても、コント番組がない時代もありましたし。無理に作ろうとして失敗することもありましたし。特に大阪は漫才の町で、日曜日や祝日に漫才番組はあるんですけど、コントはあまり受け入れられないですよね。でも最近は見てもらえるようになってきたかな、と思います。
あとは、やっぱりスタッフさんもコントは面倒くさいと思うんですよね。小道具を用意したり、リハーサルしたり。僕も極力コントをしたいのですが、『漫才でお願いできたら……』とよく言われます」
Q馬「なるほど。コント番組で、昔と今、作り方に変化はありますか?」
久馬「そうですね。大きくは感じないですけど、やっぱりコンプライアンス的な問題はだいぶ変わりましたね」
Q馬「ああ、それは感じますね」
久馬「はい。容姿のイジリ系や、犯罪を助長し得ない系、セクシュアリティ系など、気を遣うようになりましたね。これは本当に年々厳しくなってきてるので、この先ちょっと不安ですけどね……。昔は“子供に見せたくない番組”ランキングとかありましたけど、そこにランクインすると逆に光栄的な雰囲気もありましたけど、今は普通に番組が終わっちゃいますもんね」
Q馬「昔と今、視聴者層の変化は感じますか?」
久馬「視聴者層というか、見方は変わりましたよね。僕らが子供のころは、ドリフ(ザ・ドリフターズ)やひょうきん族、ダウンタウンなどのコント番組は、ワクワクしてテレビの前で放送を待っていましたが、今はOTTサービスなどがあり、いつでも手軽に観れるようになりましたもんね」
Q馬「そうですよね。私もドリフや(オレたち)ひょうきん世代なので、わかります」
久馬「あ、そうなんですね。お若く見えます」
豪華なセットがない舞台コントだからこそできること
Q馬「いえいえ(照)。あと久馬さんは普段舞台にもお立ちだと思いますが、舞台とテレビのコントの違いはありますか?」
久馬「まぁ、大きなところでいいますと、ゴールデンタイムのコントになるとセットも豪華で、レストランや学校とかリアルに作ってもらえるので説明が少なくてすみますね。舞台ですと、机とイスがあってもそこが学校なのか?レストランなのか?わからないですもんね。レストランとしても、新しいレストランか?寂れたレストランか?とかいちいちよけいなセリフが増えたりするんで、その違いですかね。
あとテレビはここを見てほしいというところを撮ればそれで成立しますよね。舞台はお客さんの見るところは自由なので、見てほしい箇所を指差したり声を出したりして、注目させないといけないのでね。でも逆にしゃべってない人の表情や仕草(カメラでは映ってない人の表情)を楽しめるという利点はありますけど」
Q馬「確かにそうですね」
久馬「あと舞台だと、お客さんの想像力をお借りして、勝手にいろんな設定を作れたりしますね。江戸時代になったり未来になったり、宇宙に行けたり。セットがなければないで、いろいろ旅したりはできますよね。あと舞台だと、誰もいないのに向かいに彼女が座ってる体で話をしたりできるけど、ちゃんとしたセットだと、誰かいる体で話しているのは少し滑稽に映るかもしれませんね」
Q馬「なるほど。テレビはテレビのよさ。舞台は舞台のよさ。があるんですね」
久馬「はい。そういうことですね」
豪華ゲストも出演してきた『月刊コント』
Q馬「舞台といえば、久馬さんは月1のペースで『月刊コント』というのをされてますよね?」
久馬「あ、知ってくれてるんですか! ありがとうございます!」
Q馬「はい。何度か見させてもらってます」
久馬「ええ! ありがとうございます!」
Q馬「もうどれくらいされてます?」
久馬「今年(2022年)の夏で13周年です」
Q馬「13周年! おめでとうございます」
久馬「ありがとうございます」
Q馬「これまでたくさんのゲストの方が出演してますよね」
久馬「そうですね。ありがたいことに。今田耕司さんや130Rさんや千原兄弟さんに宮川大輔さん。他事務所も関根勤さんや久本雅美さんに清水ミチコさん。あとダチョウ俱楽部さんの3人も出てくれましたね」
Q馬「本当に豪華ですよねー。特に思い出に残ってる回とかありますか?」
久馬「そうですねぇ。関根さんのとき、いつも事前に台本をお送りしてるんですけど、関根さんのマネージャーがガッツリコントをするとは知らず、ただ単にくり抜きで登場するぐらいと思ってたみたいで、関根さんに台本を渡してなかったみたいなんですよね。それで当日の夕方に関根さんが慌てて覚えて。でも完璧に千葉真一と化してセリフも完璧でしたねぇ」
Q馬「ええー! すごい!」
久馬「はい、感動しました。打ち上げにも来てくださり、いろいろ話せてうれしかったです」
5組のコント師が1カットコントドラマに挑戦
Q馬「そんな『月刊コント』ですが、今回フットボールアワーの番組『るてんのんてる』(読売テレビ)内で放送があるそうですね」
久馬「そうなんですよ。ありがたいですねー」
Q馬「やってみていかがでしたか?」
久馬「いやぁ、めちゃくちゃ楽しかったですねー! ディレクターさんがどうしても1カットでやりたい、とおっしゃったので演者の緊張感は半端なかったですね」
Q馬「特にどなたが緊張してました?」
久馬「もちろん浅越(ゴエ)はレポーター役なので、出ずっぱりですし、セリフも多いし、移動も大変やったんで、緊張感あったと思いますけど、ビスケットブラザーズの原田(泰雅)君がけっこう追い込まれてましたね」
Q馬「追い込まれた?」
久馬「はい。やり慣れたコントではあったと思うのですが、商店街の設定上、いつもとは違うパン屋でのコントになったので、少しやり辛かったのか噛んだり、道具をてこずったりしてましたね。『もうイップスになってまいます』って言うてたんですけど、最終的にはいい感じに仕上がってました」
Q馬「よかったです。私だったらと思うとゾッとしますね」
久馬「はい。だから僕自身のセリフは極力減らしました」
Q馬「(爆笑)ほかには何かございました?」
久馬「そうですね。出てくれたビスケットブラザーズやニッポンの社長、天才ピアニスト、みんなちゃんと商店街に合う設定で、作りやすかったんですが、なぜかロングコートダディは『キックマン』を選んでましたね」
Q馬「そうですね。あれ、よくつなげられましたね?」
久馬「はい、ああいうのは逆に燃えるんです。やりがいがありますね」
Q馬「ええ!? 逆に?」
久馬「はい。見どころというと、最後の公園の桜ですね。見事な満開で。しかも天気もよくて最高でしたね。フットの後藤(輝基)は「あの桜が一番おもしろかった」って言うてました(笑)」
Q馬「確かにきれいな桜でした。実際雨だった場合はどうしてたんですか?」
久馬「本当、どうなってたんでしょうね? 傘さしてやってたんでしょうね。とにかく晴れることを祈ってました」
Q馬「思いが届いたということですね?」
久馬「ですね」
Q馬「では、最後に読者に向けてメッセージをお願いします」
久馬「そうですね。1回目は普通に観ていただいてですね。いろいろ細かい仕掛けもしてますんで、2回目以降はそういうものを探しながら観てもらえると、さらに楽しめるんじゃないかと」
Q馬「なるほど。私も何度も観たいと思います!(笑)」
久馬「へぇ(冷)」
Q馬「……。ありがとうございました」
読売テレビ『るてんのんてる』
放送日:5月6日(金)24時45分~、5月13日(金)24時30分~
※関西ローカル。放送後TVerでの見逃し配信あり。
【番組概要】
読売テレビのディレクターが温めてきた渾身の企画を、フットボールアワーが見届けるチャレンジ番組。
今回は「商店街にナイスガイ!」という1カットコントドラマを放送。
ザ・プラン9、ロングコートダディ、ニッポンの社長、ビスケットブラザーズ、天才ピアニストの5組が商店街でコントを披露し、さらにそれらが1カット撮影でひとつの物語につながる。
スタジオには脚本を手掛けた久馬も登場し、1カット撮影ならではの制作秘話を語る。
詳細は番組公式ツイッターで。
【関連】大宮セブンのコントがひとつの世界になった! 「月刊コント ルミネde大宮セブン号」詳細レポ
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『ザ・プラン9コント座』
〇 ~其の四~おてんやぶり 開場15:00/開演15:30
〇~其の伍~LARPYO 開場18:00/開演18:30
〇アフタートーク 開場20:30/開演20:45
出演:ザ・プラン9
料金:前売4,000円、当日4,500円、配信2,500円
アフタートーク:1,000円、配信500円
通し券:リアル8,000円、配信4,000円 -
『ザ ザ ザ』
日時:6月26日(日)
会場:ABCホール
〇ザ ザ ザ 1st LIVE コントライブ 開場16:00/開演16:30
〇ザ ザ ザ 1st LIVE アフタートークライブ 開場18:40/開演19:00
出演:ザ・プラン9、ザ・ギース、ザ・マミィ、ザ・ザ・ザ(ザ・プラン9×ザ・ギース×ザ・マミィユニット)
料金:前売4,500円、当日4,800円、配信2,500円
アフタートーク:前売:2,000円、当日2,500円、配信1,500円
通し券:リアル6,000円、配信3,000円
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