コロナ禍(第5波まっただなか)の夏、3匹きょうだいの子猫を一時預かり。まずは弟の「ぶん」の譲渡先が決まった。あとは「よう」(兄)と「なな」(ぶんの姉、ようの妹)の里親を探さねば。寂しがり屋の「よう」のことを思うと、2匹そろって引き受けてくれる人がいいな、こんなにかわいいんだから大丈夫。え? なかなか里親希望が現れない! どうしよう。大好評〈猫歌人〉仁尾智が記録する保護猫観察日記、短歌つき。きょうだい子猫編その3、最終章。
【関連】その1「生後約3カ月のきょうだい猫を保護した話〈偽善でも善ですらなくただ楽しい 子猫を一時預かることは〉」
【関連】その2「コロナ禍できょうだい子猫3匹の里親を探す日々〈猫を飼う条件:思っていたのとはちがうすべてを楽しめること〉」
応募が来ない!
今夏、一時預かりをした3匹のきょうだい猫(なな、ぶん、よう)の里親さん探しの顛末を、ときおり短歌や本の感想などを交えながら、ゆるやかに綴りたい。

〈微風だが先輩風を吹かせたい これから猫を飼う人たちに〉
3きょうだいのうち、ひと足先に「ぶん」の里親さんが決まって「ぶん」は「寅」という名前になった。
初めて猫を飼う里親さんで、それはそれはうれしそうで、こちらとしても、うっかりいいことをしたような気持ちになってしまう。
〈もうすでに圧勝でしょう? 朝起きて猫が視界に入る暮らしは〉
残るは「なな」と「よう」。「よう」の寂しがり屋具合から「できれば2匹一緒の家に」と思っていたので、里親募集サイトにもそのように記載した。
ちょっと目を引く2匹なので、すぐに応募があるのでは、と思っていたけれど、これがなかなかそうもいかない。「ぶん」に応募があってから2週間経っても、「なな」と「よう」にはひと声もかからなかった。2匹一緒というのは、やはりハードルが高いのかもしれない。


「やっぱり2匹一緒は難しいのかも。いったん『よう』を(並行して譲渡先を探している)病院のほうに戻しましょうか。先住猫がいる人なんかに声をかけて、実際に見てもらえば決まるかもしれない」という話も出て、それも致し方ないか、とその段取りも相談していた。
そんななか、あまりにも音沙汰がないので、こんな泣き言のようなツイートをした。《こんなにかわいいのに応募がないのは、なぜなのか。気長にやります。》
このツイートがのちの里親さんにつながるきっかけになった、というから、本当に里親さん探しは運と縁なのだ。泣き言もたまには役に立つ。
このころは、妻(里親さん探しの窓口は妻が担当)に「問い合わせあった?」と聞いて「……来てないね」と答えられるのが日課になっていた。
当たり前だけど、「なな」と「よう」はなにも悪くないし、なにも変わらない。毎日のんびりと、時にやんちゃに過ごしてくれていて、それはなんだかちょっと救いだったのだ。そんなに慌てることはないよね。

〈星空と猫は似ている 眺めたらなんか悩みもないものになる〉
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