『愛の不時着』超えを噂される大人気ドラマ『ヴィンチェンツォ』を韓ドラ大好きライター・大山くまおが各話を解説する土曜日。インザーギの登場、巨悪の凶行など中盤以降の展開に重要な位置を占める9話をじっくり味わいます。ヴィンチェンツォとパジャマもあるよ(9話までのネタバレを含みます)。
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6月の気圧のように感情の高低差が激し過ぎる
イタリアからやってきたマフィアの顧問弁護士が、韓国の悪辣な大企業グループと戦う韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』。小ネタなども含めて、じっくり全話を振り返っていく。
第9話はたくさんの登場人物がそれぞれの思惑を抱えて行動を起こし始める、“フリ”のようなエピソード。ギャグが多めかと思いきや、最後にとんでもない悲劇が用意されていた。まるで6月の気圧のように感情の高低差が激し過ぎる。
第8話で悪の大企業バベルグループへのシングァン銀行の大型融資を阻止できなかったヴィンチェンツォ(ソン・ジュンギ)とホン・チャヨン(チョン・ヨビン)だったが、報道陣の前でチャヨンが自分はバベルグループとの係争中に死んだ弁護士の娘だと明かし、バベルグループの不正と検察との関係を白日の下にさらすと宣言したため、他の大手銀行がバベルへの融資を中止してしまう。
ヴィンチェンツォとチャヨンの次の狙いは、バベルの影のボスを突き止めること。「今後はバベルの影のボスを“バカ”と呼ぶわ」とチャヨンが言うが、これは「バベル」の“バ”と「影」の“カ”を使った見事な翻訳で、元のセリフは「バベルの影のボス」で、韓国語でバカを意味する「バボ(パボ)」。以前、「Pabo」というバラエティ番組発の女性ユニットがあったが、同じ由来である。つくづくひどいネーミングだと思う。
叱られると、なぜか気分がいいです
ヴィンチェンツォと彼の実の母親、オ・ギョンジャ(ユン・ボクイン)の謎も少しずつ解き明かされていく。ギョンジャが幼かったヴィンチェンツォを手元に置かなかったのは、重い病気のせいだったことがわかる。
ヴィンチェンツォは入院中のギョンジャのもとへやってくると医師に猛抗議し、返す刀で医師に従うようにギョンジャをキツく叱る。彼が去ったあと、「叱られると、なぜか気分がいいです」とチャヨンに打ち明けるギョンジャ。叱るのはその人を思っての行為。彼女はこれまで何十年も、誰からも心配されたり、叱られたりすることのない孤独な日々を送っていたのだろう。
一方、クムガ・プラザの住人たちは、地下に隠されている金塊を本格的に探し始める。暖薬寺(ナニャクサ)のチョクハ僧侶(イ・ウジン)がやっているのはダウジングという疑似科学の一種。
クムガ・プラザの住人といえば、最も根性なしに見えた質屋のイ社長(ヤン・ギョンウォン)が、意外な実力者だということが判明。ヴィンチェンツォの部屋への侵入者を見事なレスリング技で撃退する。ニット帽で隠していた耳は、レスリングや柔道の猛者だけがなる「ギョウザ耳」だった。妻のヨンジン(ソ・イェファ)も怪力の持ち主で、どうやら重量挙げの選手の模様。

やがて、クムガ・プラザの人々は力を合わせて金塊を探すことに決定。潜入捜査をしているアン・ギソク(イム・チョルス)もひと口加わるとわかると、おしとやかそうなピアノ教室のソ院長(キム・ユネ)が「また分け前が減る」と吐き捨てる。この人たちからは韓国の庶民のたくましさがあふれている。
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