最終回『今ここにある危機とぼくの好感度について』意味のあることを言わない者たちの最終判断
ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』全5話が完結した。最終回の再放送は、本日6月2日、NHK総合午後11:40から。まさに、今ここにある現実をブラックなコメディで描いているとしか思えないタイムリーさ。最終話は、国民の命を犠牲にし、事実を隠蔽し、大規模イベントを強引にやろうとする権力者と、過ちを認めて事実を公表しようとする権力者の対立を描いた。ゲーム作家で大学教授の米光一成が振り返る。
現実よりもドラマの放送日のほうが早い
「正面から答えなかったり、曖昧だったりする回答が多く、国民が不満を抱いている。明確に答えるようお願いする」とまで言われても、「意味あることをなるべく言わないのがリスクマネジメント」戦略で、質問に答えず逃げた菅首相(『東京新聞』2021年5月28日)や、緊急事態宣言下でも東京オリンピックは中止しないと言い張るIOCの人(『ロイター』2021年5月21日)がモデルだ、と思いたくなる。
が、当然ながら、ドラマはあっという間に作れるものではない。脚本家の渡辺あやによると、プロデューサーとテーマを決めたのは2019年のこと、第4話の脚本は、2020年の3月に書いていたそうだ(ツイッター「映画『逆光』公式」2021年5月22日)。第3話で総長が何を聞かれても「学生の安全を確保すること」しか答えず呆れられるという場面は、菅首相が壊れたICレコーダーのように「国民の命と健康を守っていく」だけを繰り返し読み上げた珍事とそっくりだが、現実よりもドラマの放送日のほうが2日早かった。
だから、ブラックコメディの内容を、現実があと追いでトレースするという笑っていいのか泣けばいいのかわからない状態になっているのだ。
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