『ヴィンチェンツォ』6話 カサノの悲しい過去が見えてきた…コミカルとシリアスが常に表裏一体の魅力
『愛の不時着』超えを噂される大人気ドラマ『ヴィンチェンツォ』を韓ドラ大好きライター・大山くまおが各話を解説する土曜日。クムガ・プラザの住人大活躍の6話の興奮をもう一度!
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クムガ・プラザの謎のダンサーの正体とは?
最近、知り合いがどんどん沼にハマっていて、やっぱり流行っているんだと改めて感じる韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』。「検索したらこの連載記事が出てきた!」という声も聞いたりするので、しっかりガイドしていきたいと思います。今週は第6話(以下、ネタバレがあります)。
イタリアからやってきたマフィアの顧問弁護士(コンシリエーリ)、ヴィンチェンツォ・カサノ(ソン・ジュンギ)。切れ者の弁護士、ホン・チャヨン(チョン・ヨビン)とバディになり、悪辣な大企業バベルグループと戦う。
バベルグループの中でも「致命的にひどい倫理観を持つ」のがバベル化学だった。バベル化学は毒性の強い化学物質で研究者たちを次々と死に追いやっていた。ヴィンチェンツォとチャヨンは被害者救済のために法廷に立つのだが……。
裁判所で謎の抗議パフォーマンスを繰り広げるのは、ヴィンチェンツォも入居する雑居ビル、クムガ・プラザの人々。ダンススタジオのレリー院長(キム・ソルジン)の赤いペンキを使ったダンスはデタラメなようで、上空から見ると「命」と描かれていてハッとする。コミカルさとシリアスさが常に表裏一体になっているのが『ヴィンチェンツォ』の魅力である。
演じるキム・ソルジンは本職の現代舞踊家で、第2話ではクムガ・プラザの人たちにゾンビ映画の振り付けをしていたが、実際にNetflixで配信中のホラードラマ『Sweet Home ─俺と世界の絶望─』ではゾンビの動きの振り付けを行っている。
カサノファミリー1本!
しかし、いくらヴィンチェンツォとチャヨンが切れ者同士とはいえ、法廷でまともに戦うには準備が足りない。つまり、時間稼ぎが必要だ。
まずはチャヨンが仮病で倒れる。しかし、これでは法廷は延期にはならない。次に法廷の電源を落としてしまう。だが、それでもまだ延期にならない。バベルグループの寄生虫、ウサン法律事務所と通じている判事は、なんとしても裁判を終わらせようとしていた。
最後の妨害工作は、なんとスズメバチ! ヒントになっていたのはクムガ・プラザの質屋の店主、イ社長(ヤン・ギョンウォン)が持ってきたスズメバチ酒。パニックになった傍聴人は慌てて法廷から脱出する。BGMが懐かしのアメリカテレビドラマ『グリーン・ホーネット』の主題歌風になっているのが芸コマ(ホーネット=スズメバチ)。それでも職務を果たそうとする判事だったが、事前にハチミツ入りの液体をたっぷり顔に塗られていたせいでスズメバチの餌食に。あえなく法廷は1週間延期となる。まずはカサノファミリーが1本取ったかたち。
“ズンバを踊るヘビ”ことウサン法律事務所のエース弁護士、チェ・ミョンヒ(キム・ヨジン)はチャヨンに抗議するが、チャヨンは取り合わない。そりゃそうだ。ウサンとバベルは彼女の父親の仇なのだから。ヴィンチェンツォは穏やかにこう語る。
「あるマフィア一族の家訓は、“最も痛いのは不意打ちの拳だ”」。
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