仕事、恋愛、結婚、人間関係…女性の呪いを解いていくジェーン・スー著『女のお悩み動物園』

2021.1.7

文=僕のマリ


最近、自分の周りでベビーブームが巻き起こっている。「え、あなたも⁉」というような友だちもどんどん出産して、気づいたら母親になっている。

最初はぼんやりと聞いていたが、わたしはもう28歳。ただ単に、自分がそういう節目のような年齢に差し掛かっていることに、遅ればせながら気づいた。

※本記事は、2020年12月25日に発売された『クイック・ジャパン』vol.153掲載のコラムを転載したものです。


相談に答えるということは

東京に長く住んでいるので、地元よりも同い年の友だちの独身率は高い。楽しくやっているが、独身だからこその悩みは尽きない。顔を合わせれば「ねえ、うちらこれからどうする?」と口癖のように言い合っている。

しかし、悩んでいるこの瞬間も実は楽しい。みんな固定観念にとらわれずに「どうしたら“自分なり”の幸せを掴めるか」と、自分の頭で考えているから。思い描いていたような未来じゃなかったかもしれないけれど、思いどおりにいかない人生だって十分楽しいと思える。

ジェーン・スー著『女のお悩み動物園』では、悩める女性達を動物の生態に見立てて分析し、彼女たちの未来を切り拓く手助けをする。

仕事、恋愛、結婚、人間関係など、女性の悩みは尽きない。仕事と家庭、その両立を叶えるには、独身者との人間関係のこじれはつきもの。しかし、こんなあるあるも彼女は「戦うべきは社会の悪しきシステム」と斬る。仕事を辞めて、病に伏した両親の介護をすべきか悩む女性には「会社の介護休業制度や地域の福祉制度を利用すること」と視野を広げる。

ジェーン・スーは、固定観念や社会のしがらみといった呪いを、いとも簡単に解いてゆく。自分自身、昔から相談されることが多い。この本の著者のように当意即妙に回答できることは少ないが、このごろは価値観や考え方が変わって、そっと背中を押すことができるようになった。

先日、年下の女友だちに恋愛相談をされた。彼女はモテるタイプで、3人の男性から同時にアプローチされている。「どの人がいいかなあ」と悩む彼女に、一番地味だが、一番控えめで優しい男性を薦めた。

そのお相手は、28歳ながらにデートでプラネタリウムを提案する素朴さを持ち合わせている。愛おしいなと思った。年頃の女の子からすれば、もっとドキドキや刺激を感じられる相手を望むかもしれないが、年を重ねた今だからこそ、「自分を大事にしてくれる」ことがいかに大切かを知っている。

痛い目に遭ってきたからわかる。恋人でも友人でもそうだ。「やっぱそうかー、幸せにならなきゃね」とハイボール片手にはにかむ友だちのことが、わたしはかわいくて仕方がないのだ。


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僕のマリ

(ぼくのまり)1992年生まれ、物書き。犬が好き。2018年、短編集『いかれた慕情』を発表。ネットプリントで印刷できるエッセイをたまに書いている。

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