3.去年の雪辱を果たせるか? 2年目の2組
そして2年連続2回目の決勝進出となったのがこのふた組。
「空気階段」──クズとファンタジー
この1年で鈴木もぐらの借金クズっぷりがより広く知れ渡ったと思われる空気階段。千鳥のノブが『そろそろ にちようチャップリン』(テレビ東京)で彼らのネタを観て、あまりのおもしろさに「ありがとう」と声をかけたという逸話もある。もぐらのキャラに目が行きがちだが、ふたりのつくる、時にファンタジックな設定自体がまず魅力的だ。水川かたまりが昨年漏らした「お笑いのある世界に生まれてよかった」以上の名言も期待してしまう。
「うるとらブギーズ」──高い演技力
昨年、初出場で準優勝の好成績を収めたうるとらブギーズ。わかりやすい設定のなかで繰り広げられる、バカバカしさに振り切った展開は観ていてとにかく楽しい。観る者が自然と彼らのコントに引き込まれるのは、ふたりの高い演技力があってこそ。ななまがり、やさしいズなど実力派コント師で構成されるライブ「優勝」メンバーから唯一の決勝進出者となった彼らが、本当の優勝を手にする姿が観られるだろうか。
賞レースの決勝進出者が発表されてから決勝当日までのこの期間は、お笑いファンにとって至福の時間だ。ファイナリストたちはこの期間、ライブに出演しては決勝にかけるネタを磨きつづける。劇場で緊張感あるそのネタを観られるうれしさ。決勝進出を寿(ことほ)ぎ、本番での健闘を祈る拍手を送れる喜び。ライブが例年ほど開催できなかったり、できても劇場に入れる人数が限られていたりという状況はあったが、ライブでなくとも自身のYouTubeやSNSで喜びを爆発させ、決勝に向けて意気込むファイナリストたちを見ることができた。昨年まで2年つづいたファイナリストシークレット制度が廃止されたおかげで、決勝に挑む芸人たちの姿を見守ることができたのだ。
この盛り上がりのまま9月26日19時を迎え、10組の中から優勝者が決まるのをリアルタイムで見届けたい。
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