『太田上田』のおもしろさと中毒性
今、最も楽しみにしているテレビ番組がある。それが『太田上田』。
2015年から中京テレビで放送されている、爆笑問題の太田光とくりぃむしちゅーの上田晋也が「基本的にただしゃべり倒す」だけの番組。これがあまりにもおもしろい。
筆者は北海道在住なのでこの番組をリアルタイムで観ることはできないが、名古屋系番組配信サービス『Locipo(ロキポ)』にて最新話がチェックでき、また過去の放送回はHuluで公開されているので取り憑かれたように観ている。
また、今年4月には公式YouTubeチャンネルも開設され、過去のトークの傑作選が随時公開されているのだが、チャンネル登録者数もじわじわと伸びつづけ9月現在で19万人を超える人気になっており、私と同じように『太田上田』の魅力に取り憑かれた人間が増えているのをひしひしと感じている。こんなにも心狂わせる『太田上田』の魅力とは何か。そこに迫っていきたい。
放送できれば何をしゃべってもOKの「ゆるさ」
『太田上田』の魅力はなんと言っても「ゆるさ」にあると思っている。普段テレビ番組でMCを務めることの多い爆笑問題とくりぃむしちゅーにとって、まず、「ただひたすらしゃべる番組」というのはそれだけでも貴重(爆笑問題はラジオという場があるものの)で、両者のファンにとってこれほどまでにありがたい番組はなく、お互いを「ピーちゃん」「カメ」と呼び合うほど旧知の仲のふたりだからこそ出せる空気感がたまらない。この番組を観るとふたりのことがさらに好きになってしまう。
この番組の最大の魅力は、冒頭にも述べたように「爆笑問題の太田光とくりぃむしちゅーの上田晋也がただしゃべるだけ」というシンプルさにあるのだが、放送できれば基本的に何をしゃべってもOKの、まさに「バーリトゥード形式」。だからこそふたりの、芸人としてのすごさが120%伝わる構成になっている。
公式YouTubeチャンネルのサムネイル一覧を見るだけでもわかるように、ふたりの趣味やプライベートの話はもちろん、お笑い論や、ふたりと仲のいい芸人を呼んでのクロストーク、果ては「太田がマヨネーズを好き過ぎる話」「上田の同級生ナカセの話」といった超間口の狭い話まで、その振り幅の広さはまさに無限。どんな他愛もない話でもふたりの頭の引き出しと回転の速さによって「番組」として成立するのがすごい。
また、ふたりのトークスタイルの違いもおもしろく、太田は自分の体験に情感を込めるのが本当にうまく、聞いているとまるで自分もその体験をしているかのような臨場感がある。反対に上田はひとつのトークでのフリからオチまでの流れが美しく、まるで落語の一席のように洗練されている。ある意味で真逆の話し方をするふたりだからこそ、カチッとハマったときにとんでもない爆発力を生んでいるのだと思う。
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