爆笑問題はなぜ、オードリーやハライチなど芸人たちから愛されるのか

2020.4.22

写真:(C)TITAN
文=かんそう 編集=鈴木 梢


爆笑問題は大御所と呼ばれる立場にいながらも、後輩芸人たちから気を使われない。それでいて慕われており、多くの芸人たちが爆笑問題から受けた影響を話したり、尊敬するコンビとしてその名前を挙げることが多い。

あらゆるエンタメやカルチャー、事象についての“感想”を綴るブログ『kansou』を運営するかんそうが、爆笑問題が芸人たちから愛される理由を探る。


爆笑問題という不思議なお笑いコンビ

「お笑い芸人」の印象のひとつに、「ライブやテレビ収録が終わったら後輩芸人を引き連れ朝まで酒を飲み明かす」というものがあるが、爆笑問題はその印象とは真逆のコンビだ。ふたりとも夜遊びは一切せず、自粛するしないに関係なく家と仕事場の往復ばかりで、後輩芸人と飲みに行ったというエピソードはほとんど聞かない。というかそもそもふたりとも酒が弱い。

太田光はテレビ収録にかかる時間が長く、一度ボケ始めると止まらない。生放送では言っちゃいけないことを言って大炎上したり、あり得ないほどスベることもある。対して田中裕二はそんな太田をを止めるフリをして止めない。異常なほどマイペースで、時には(天然で)太田以上に失礼なことを言うこともある。『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)に鬼越トマホークがゲスト出演した際に「(田中のことを)尊敬してる若手ひとりもいないからな」とネタとはいえ言われてしまったりと、芸歴30年を超えてもある意味最も「大御所らしくない」大御所だ。「うるさい」「しつこい」「嫌い」とテレビでどれだけ言われても、本当に爆笑問題のことを嫌ったり、評価していない芸人はほとんどいない。

多くの芸人は芸歴を重ね自身の番組を持つようになると、どうしてもネタを披露する機会が少なくなるが、爆笑問題は2ヶ月に一度行われている事務所主催のお笑いライブ『タイタンライブ』で常に新ネタを書き下ろし、かつテレビのネタ番組にも数多く出演し、先日放送された『ENGEIグランドスラム』ではEXITや霜降り明星などの若手芸人が座る客席に向けて漫才をするというめちゃくちゃな状況でもきっちり自分たちの漫才を披露していた。

ここまでストイックに「漫才」というものと向き合っているにもかかわらず、爆笑問題は1ミリもそれをひけらかさない。事あるごとに自分達の漫才や芸風を「ヘタクソ」「バカッターと同じ」と卑下し、ウケなかった日は若手芸人のように本気でヘコむ。知名度も上がりいくつも冠番組を持てば天狗になってもおかしくないような状況なのにふたりにはそれがない。

爆笑問題を慕う後輩芸人たち


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かんそう

1989年生まれ。ブログ「kansou」でお笑い、音楽、ドラマなど様々な「感想」を書いている。

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