「のぞき見感」がおもしろさのキー
SCRAPの脱出ゲームも、オンラインタイプは、潜入スタイルのものが多い。
『封鎖された人狼村からの脱出』は、好きなときに始められ、時間を気にせずに遊べるオンラインタイプの参加型ゲームだ。タイトルに脱出とついているが、外出制限がかけられ、村人同士が監視し合う封鎖された人狼村に潜入した村人フレック役になって、謎を解き、誰が人狼なのかを推理するゲームになっている。
劇団ノーミーツ『むこうのくに』は、オンライン演劇。Zoom的な正面向きの人の画面を、仮想空間を描いた背景に組み込み、しかもそれを自在に動かす演出で、Zoom演劇を超えて、リモート演劇になった。舞台設定が、「ヘルベチカ」という仮想空間であり、観客もそのヘルベチカにログインするという仕掛けになっていて、ここでも「潜入」することが没入感を高めていた。
アーカイブも残せない幻の伝説回も
動画配信も潜入感がたっぷりのタイプが増えてきた。俳優の志尊淳さんがやっているインスタライブ『志尊の自粛部屋』は、志尊淳さんが自室から直接語りかけてくる動画配信。志尊さんの部屋に潜入した気分になれる。
芸人の動画配信も、「潜入感」「のぞき見感」がおもしろさのキーになっている。喫煙OKの会員制バーという設定の『さらば青春のBAR』(さらば青春の光)は、「ここだけのヤバい話」をクローズドな場で共有する共犯感覚の強さがたっぷり。
みなみかわさんとヒコロヒーさんの『もう二度と松竹を辞める人間を出さないでおこうTV』(現『小川のせせらぎTV』)は、ドランクドラゴン鈴木拓さんがぶっ込みまくった大暴走の回、岡野陽一さんの国家監視のせいか乳首のせいか疑惑の回など、アーカイブも残せない幻の伝説回が多数。
作品のフレームとして「潜入」「のぞき見」がエキサイティングなのは、我々がパソコンやスマートフォンを使ってコンテンツにログインする体験とシンクロするためだろう。
濃厚なコミュニティに潜入する体験を提供するコンテンツは、これからもっとエキサイティングなものになっていくに違いない。
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