失われゆくアーケード商店街と、突然のバーベキュー

2020.7.26

異世界に迷い込んだかのような「四条名店会」

ちなみに、前ページの「FOOD SHOP にいざ」があるのは大泉学園町ではなく、その名のとおり、埼玉県新座市。学園通りを直進してゆくと、やがて学園町を突き抜けて埼玉県に突入するのだ。駅前からつづく桜並木がプツッと途切れ、風景が突然変わるこのエリアの味わいがまたいい。特に、ふいに現れる小さな商店街、「四条名店会」には感動した。

昭和の面影が残る、小さな商店街

初めて訪れた日は真夏日だった。抜けるような青空と、平日日中の閑散、スピーカーから大音量で流れる演歌、それらのコントラストに、学園町からまた次の異世界に迷いこんでしまったような非日常感を強烈に感じ、クラクラした。特に気になったのが、四条名店会の中の、この1本のアーケード。

郷愁があふれまくっている

通りに面して八百屋と肉屋があり、その奥にもいくつかの商店が入っていたのだろう。まさに、かつてのスーパーマーケット。僕が子供の頃は、こういった「〇〇マーケット」や「〇〇センター」みたいな施設はまだけっこうあった。しかし、コンビニや大手スーパーの台頭めざましい昨今、気づけば希少な存在になってしまった。実際このアーケードも、ほとんどの店のシャッターが降り、営業しているのは肉屋1軒のみのようだ。

その日のミッションはドムドムハンバーガーを買って帰ることだったので、散策のみで帰宅。が、後日、僕はどうしてもあのアーケードをもう一度訪ねたくなった。というわけで、再訪。

どうです? この圧巻の佇まい
唯一営業中の「まきた精肉店」

全体的にリーズナブルで、家の近所にあったら焼肉頻度が増えそうだ。ところでそうそう、今日の僕には「ある計画」がある。そのため、ここで肉を数種と、名物であるらしき鶏のチューリップから揚げをふたつ買った。

練馬区でも埼玉県でもなく、もはや沖縄みたいな風景
わけもなく涙がこぼれそうになるになるのはなぜだろう

買い物をした「まきた精肉店」は、僕と同年代くらいに見える男性がひとりで切り盛りされていた。店主と思われるその方に、店頭や店の周囲の写真を撮ってもいいかひと言確認すると、大変ショッキングな返事が返ってきた。
「ここも今年の10月で取り壊しになってしまうんでね、記念にいくらでも撮ってやってください」
聞けば、このアーケードの歴史は約50年になるという。建て替えは老朽化のためで仕方ないそうだけど、あまりにも味わい深いこの風景が、遠くない未来になくなってしまうと思うと、ふらりと散歩にやってきただけの僕でも寂しい。まして店主さんの気持ちは、想像もできない。10月までにまたできるだけ、ここを訪れることにしよう。

突然のバーベキュー


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