今、最も芸人のセンスが試される!?純度100%の即興ネタ番組『千原ジュニアの座王』

2020.7.4

ベジータ芸人・R藤本が地上波で大活躍!

最後に紹介したいのは、東京からの刺客・R藤本。ベジータ芸人として知られる彼は、初登場(#73)から2連覇を成し遂げる偉業を達成して以降、座王獲得回数はすでに歴代2位の8回を記録している(2020年7月4日時点)。ベジータのほかジャムおじさんなど、得意とするモノマネに加え、「大喜利」(かつて『ダイナマイト関西』の決勝大会にも進出した経歴を持つ)や「歌」、「モノボケ」といったそのほかのお題でもハイクオリティの回答を連発。長くつづくニコ生『R藤本の水曜はじけてまざれ!』のMCやラジオ、イベントなどで話術や豊富な知識はすでに認知されていたが、ついにその能力が地上波でもいかんなく発揮されたかたちだ。

ジュニアに「R藤本」と声をかけられると「ベジータだ!」と返すのが一連の流れに

2020年の年始や3月には、放送時間を拡大したスペシャルが放送された『座王』。Amazon Prime Video内の「大阪チャンネル」では過去回がすべて視聴できるようになるなど、番組の裾野が全国にまで広がりつつあるなか、COVID-19問題で収録中断を余儀なくされた。だが、6月6日から椅子取りなし、グループ勝ち抜き方式という新たな装いで2カ月ぶりに通常回の放送が再開。記念すべきその放送では、笑い飯・西田が鬼の称号の面目躍如、通算33回目の座王を獲得している。

最近では東京在住の吉本芸人のみならず、狩野英孝、ずんの飯尾和樹など非吉本メンバーの参加も増加。関西色(吉本色)の強さ、出演者のアクの強さはいまだに残るものの、身内感や馴れ合いを絶妙に遮断するバトルシステムの採用により、すべてがよい方向に転がっているのが『座王』の長所である。30分弱、プロの芸人から次々と放たれる即興ネタに身を委ねる時間――それは新しい生活様式の中にもしっかりと組み込まれるべきだと、自粛期間中にすっかり『座王』にハマってしまった筆者は強く思うのである。

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