笑い飯・西田による“ボケの総合芸術”
『座王』において、特に輝きを放っている芸人を紹介しよう。まずは『座王』をここまで盛り上げた立役者であり、通算「座王」獲得回数33回(2020年7月4日時点)、その圧倒的な強さから “鬼”と言われる笑い飯・西田。イベント「笑い飯・千鳥の大喜利ライブ」を長年開催していることからもわかるように、その「大喜利」能力は高く評価されているが、「モノボケ」「歌(※有名曲のイントロに歌詞をつけるお題)」「1分トーク」、そして苦手であろう「ギャグ」でも爆笑をかっさらい、改めてその対応力の高さを示した。
中でも“名人芸”とジュニアが絶賛した大喜利のお題“落語「AV男優」のオチは?”(#99)の回答は、ここに書くのも憚(はばか)られるほどの下ネタワードを用いながら、奇跡的なまでの笑いに昇華された。語彙力、回答における間、話し方のトーン、そして表情。それらすべてが融合した、“ボケの総合芸術”を味わえた瞬間と言って過言ではないだろう。

“らしさ”を発揮しているミサイルマン岩部&アインシュタイン稲田
『座王』で大幅に認知度を高めた若手のひとりが、『M-1』や『キングオブコント』で準決勝進出を果たしているコンビ、ロングコートダディの堂前。脱力系の朴訥としたキャラクターから生み出される、優しげだがきっちりと爆笑できる回答の数々は、ジュニアをはじめ芸人や視聴者を驚かせた。「ぺこぱ」に代表される人を傷つけない笑いというのが近年のトレンドだとすると、そのライン上に堂前のネタも乗っているように見えるが、隠し味として皮肉や毒が感じられるのが魅力。
また、『座王』で“らしさ”を発揮しているのが、「武将様」ことミサイルマン岩部と、アインシュタイン稲田だろう。『いろはに千鳥』(テレビ埼玉)でも1年に一度スパークする武将様の戦国時代ネタ、自身のパーソナリティをとことん掘り下げる稲田のポジティブな自虐といった要素は、即興だからこそ切れ味が増している。

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