深夜はドラマのゴールデンタイムだ。40年の歴史を総括し、2020年春のヒットを予想する

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2020深夜ドラマ

文=大山くまお イラスト=たけだあや 編集=アライユキコ


さあ、学校が会社が始まるぞ! そんな新生活を励ましてくれるのが春季スタートのドラマである。しかし、2020年4月。新型コロナウイルス拡大の影響で、有力ドラマの放送延期、撮影中止のニュースが気分を暗くしている。今のところ、そうしたニュースは聞こえてこないけれど(4月2日現在)深夜ドラマも心配だ。ドラマを愛し、特に深夜ドラマの可能性に注目しているライター・大山くまおが、深夜ドラマの歴史を総括し、春の展開を予想する。

本数的には深夜ドラマが上回っている

今、あえて言おう。深夜ドラマがおもしろい。いや、もちろんずっと前からおもしろかったんだけど、最近また特におもしろくなった。それは断言できる。

ドラマが放送されている時間帯といえば、夜7時から11時までのプライムタイムが中心なのは間違いない。しかし、視聴者の高齢化などによって、プライムタイムのドラマに変化が訪れている。たとえば、刑事ドラマや医療ドラマの増加は、1話完結でスッキリ観終えたい視聴者の気分が反映されている。医療ドラマに関しては、視聴者の健康や病気への関心の高さも関係しているだろう。

一方、20代、30代、40代の視聴者がよく見ているのが、深夜ドラマだ(ここでは午後11時以降に放映される作品とする)。そもそも、会社で忙しく仕事をしている人は、夜8時や9時からのドラマに間に合わない可能性が高い。帰宅して食事などを済まし、少し落ち着いてテレビを観始めるのは夜11時を過ぎてからという人も少なくないはずだ。深夜ドラマの30分から40分という長さも観やすく、たとえ見逃したとしても配信サイトなどで容易に追いつくことができるという利点がある。

2020年1月スタートのドラマを数えてみると、プライムタイムのドラマが19本だったのに対して、深夜ドラマは25本にのぼる(BS、WOWOW含む)。4月スタートのドラマについても、プライムタイムのドラマが21本に対して、深夜ドラマは25本。すでに本数的には深夜ドラマが上回っている。

「深夜はバラエティのゴールデンタイム」という物言いがあるらしいが、まもなく「深夜はドラマのゴールデンタイム」と言えるようになるかもしれない。

若手クリエイターの才能の発掘の場

ここで、ごく簡単に深夜ドラマの歴史を振り返ってみよう。深夜ドラマの嚆矢と言われているのが、とんねるず主演の『トライアングル・ブルー』(85年/テレビ朝日)。まさにバブル時代に突入しようかという時期で、テレビの放映時間が深夜に延伸されるとともに新たに若者を視聴者としたドラマ枠が増えていった。三谷幸喜の出世作『やっぱり猫が好き』(88年/フジテレビ)のスタートも深夜から。現在まで続く『世にも奇妙な物語』の原型となった『奇妙な出来事』(89年/フジテレビ)、飯田譲治監督のSFドラマ『NIGHT HEAD』(92年/フジテレビ)など、当時の深夜バラエティと同様に尖った企画のドラマが生み出されていった。以降、深夜ドラマは若手クリエイターの才能の発掘の場として定着していく。

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2000年にテレビ朝日系「金曜ナイトドラマ」枠が新設され、堤幸彦監督の『トリック』(00年)が大ヒット。主演の仲間由紀恵、阿部寛も本作をきっかけにブレイクした(阿部は再ブレイク)。その後も同枠は『特命係長 只野仁』(03年)、『時効警察』(06年)などのヒット作を生み出していく。05年にはテレビ東京が「ドラマ24」枠を新設。人気絶頂だったAKB48主演の『マジすか学園』(10年)、映画化もされた『モテキ』(10年)、山田孝之主演の『勇者ヨシヒコ』シリーズ(11年)などの話題作を立て続けに送り出してきた。

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