『日本の路線図』で全国149社の路線図を見比べる……もう、それは旅だ

2020.4.5

鉄道関連書籍で路線図を掲載するときは、路線図をゼロから描き起こすことが多い。路線図は鉄道会社の著作物であり、そのまま載せるには許諾が必要になるだからだ。つまり『日本の路線図』に掲載された路線図は、すべて鉄道会社の許諾を得たもの

許諾願いは著者の3人で手分けし、ひとりあたり50社ほどに連絡。Illustratorのデータが用意された会社もあれば、駅に掲出されている現物しかない会社など、鉄道会社によって路線図の保存状態はさまざま。データの提供がない場合は現地まで行って路線図を撮影し、補正を施して掲載している(現地でしか見られないレアもの!)

また、鉄道会社からのリアクションで多かったのが「うちの路線は1本しかありませんが……」というもの。JRから分離独立した第3セクター路線などは、どうしても“1本線”の路線図になってしまう。「見栄えのする路線図ではないので……」と、心配されるのだけど、まったくそんなことはない。 “1本線”の路線図だって、それぞれデザインが違うのだ。全国の路線図を集めて並べてみるとそれぞれの個性が際立つ。「図鑑」を作る意味がここにある。

埼玉新都市交通、流鉄、東葉高速鉄道はいずれも“1本線”だが、そのデザインは大きく異なる(流鉄は上下線でイラストが異なるため2枚掲載)
相模鉄道には各駅停車や特急といった列車種別が、横浜シーサイドラインには駅間の所用時間が併記されている。どの情報をどれくらい入れるかも路線図によって異なる

「高輪ゲートウェイ」が載っていない理由

ここでひとつ、お伝えしておきたいことがある。記事冒頭に高輪ゲートウェイ駅の話をしたのだけど、実は『日本の路線図』には高輪ゲートウェイ駅が載っていない。

『日本の路線図』に収められた路線図は、基本的に「2020年1月時点」のもの。JR東日本の路線図(運賃表)には高輪ゲートウェイが登場していないし、2020年3月に4つの駅名が変更された京急電鉄も、駅名変更前の路線図が載っている。

最新の路線図が載ってないじゃないか! と思われるかもしれないが、ここはあえて最新にこだわらなかった。

都営地下鉄の路線図。山手線に「高輪ゲートウェイ駅」が追加される前のもの
京急電鉄の路線図。2020年1月時点のものなので、新逗子駅→逗子・葉山駅などの駅名変更は反映されていない

路線図は時とともに姿形を変える生き物だ


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井上マサキ

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