鉄道関連書籍で路線図を掲載するときは、路線図をゼロから描き起こすことが多い。路線図は鉄道会社の著作物であり、そのまま載せるには許諾が必要になるだからだ。つまり『日本の路線図』に掲載された路線図は、すべて鉄道会社の許諾を得たもの。
許諾願いは著者の3人で手分けし、ひとりあたり50社ほどに連絡。Illustratorのデータが用意された会社もあれば、駅に掲出されている現物しかない会社など、鉄道会社によって路線図の保存状態はさまざま。データの提供がない場合は現地まで行って路線図を撮影し、補正を施して掲載している(現地でしか見られないレアもの!)
また、鉄道会社からのリアクションで多かったのが「うちの路線は1本しかありませんが……」というもの。JRから分離独立した第3セクター路線などは、どうしても“1本線”の路線図になってしまう。「見栄えのする路線図ではないので……」と、心配されるのだけど、まったくそんなことはない。 “1本線”の路線図だって、それぞれデザインが違うのだ。全国の路線図を集めて並べてみるとそれぞれの個性が際立つ。「図鑑」を作る意味がここにある。
「高輪ゲートウェイ」が載っていない理由
ここでひとつ、お伝えしておきたいことがある。記事冒頭に高輪ゲートウェイ駅の話をしたのだけど、実は『日本の路線図』には高輪ゲートウェイ駅が載っていない。
『日本の路線図』に収められた路線図は、基本的に「2020年1月時点」のもの。JR東日本の路線図(運賃表)には高輪ゲートウェイが登場していないし、2020年3月に4つの駅名が変更された京急電鉄も、駅名変更前の路線図が載っている。
最新の路線図が載ってないじゃないか! と思われるかもしれないが、ここはあえて最新にこだわらなかった。