集めたエレベーターのボタン写真は、累計700枚! 譜久村聖が語る、日常で見つけた激レアな“エレボタ”とは?

2025.5.16

文=奈都樹 撮影=遥南 碧 編集=菅原史稀


モーニング娘。9代目リーダーとしてグループを支えてきた譜久村聖。実はエレベーターボタンマニアとしてもファンの間では知られていて、なんと10年以上もエレベーターボタンを撮り続けているそう。

なぜそこまで惹かれるのか。彼女に話を聞いてみると、デザイン、押し心地、年季、歴史……その偏愛から、“エレボタ”の奥深い世界が見えてきた。

ボタンを持ち歩く⁉

まさかエレベーターボタンについてお話を伺える日が来るとは思ってなかったです。今日はよろしくお願いします。

私もすごく楽しみにしてました!

譜久村さんはエレベーターボタンを“エレボタ”と略しているようなので、私も今日はそう呼ばせていただきます。

はい、エレボタで!

譜久村さんは“マイエレボタ”を持ってるとか?

持ってます! 操作盤とつながっているものはインテリアとしておうちに飾っていて、ボタンのアクリル部分だけのものは一時期持ち歩いたりもしてました。

持ち歩いてる人、見たことないです。

押し心地がめちゃくちゃ気持ちいいんですよ! YouTube番組で島田電機さんを工場見学する機会があって、そこでいただいたんです。島田電機さんは私の誕生日にもエレボタを贈ってくださったりもして、すごくお世話になっています。

この取材場所のビルにもエレベーターがありましたが、あれはどうでしたか?

今あんまり見かけないエレボタですね。古い感じがしました! ボタンの文字がかすれてたり、枠がちょっと壊れかけてたりして……なんかこう……がんばってる!みたいな。年季が入っている感じがよかったです。

視点がマニアックですね。

エレベーターに入ったらまず押し心地を予想して、それからチェックするんです。予想を超えてくるものだとテンションが上がりますね。

好きな3大要素とは?

そういえば、取材にあたってお答えいただいたアンケートでも、エレボタを好きな理由として「押し心地」「デザイン性」「年季」を挙げていましたよね。

この3つは大事ですね。デザイン性だとレトロなものが好きです。

事前に、写真もたくさん送ってくださったみたいで。ここにあるだけでもたくさんありますが、エレボタの写真ってどれぐらい集めてるんですか?

700枚ぐらいはありますね。

え⁉

今回は「お気に入りのエレボタ」を厳選しました。エレベーターも好きなので、どうしようかなと迷ったんですけど……。

あ、「エレベーター」と「エレベーターボタン」では語る内容が変わるんですね。

エレベーターそのものになると空間もポイントなので……エレベーターって長く乗れないのでボタンしか見る時間がないこともあるんですけど、余裕があるときは空間も見てます!

そこまで好きになったきっかけはなんだったんですか?

もう10年以上前なんですけど、『ハロプロ世界握手会』で韓国、フランス、タイ、台湾の4カ所を回らせていただいたことがあったんです。そのときに韓国で青く光っているシルバーのエレボタを見つけて。それが宇宙みたいでかっこいいなと思って、とりあえず写真を撮ってみたんです。

それでほかの国に行ったときも意識して見てみたら、またボタンの雰囲気が全然違うんですよね。その違いにびっくりして。うわ! これ集めたい!ってなって。

にしてもここまで好きだと、メンバーのみなさんにも驚かれますよね……?

初めは気持ち悪がられてました(笑)。でもあるときからみんな協力的になってくれて。海外に行ったお土産にエレボタの画像を送ってくれたりもします!

エレボタを見たら、譜久村さんを思い出すようになっているんですね。

写真を撮ってきてもらうこともあって……あるテレビ局のエレベーターでは、ボタンを押すと音が鳴るんですよ。私、その音がどの音階なのかが気になっちゃって。先にスタジオを出ちゃって確認ができなかったので、ほかのメンバーに「動画撮ってくれない?」ってお願いしたら快くOKしてくれました!

それで送ってもらった動画を、今度は絶対音感がある別のメンバーに聞かせて(笑)。「これはミですね」って教えてもらったり。

音とか気にしたことないですよ!

なかなか共感はされないですね(笑)。

譜久村 聖のBESTエレボタ:第3位

今回はお気に入りのエレボタTOP3も選んでいただきました。まず3位はどれでしょう。

これですね! 深く押せるボタンで、色が黒って珍しいんです。押し心地も軽くて何度も押したくなるボタンでした。この黒いのは何でできてるんだろうなってずっと気になっているんですよ。

第3位に輝いた、深く押せる黒いエレボタ

言われてみるとあまり見かけない気がします。

全体的にレトロなデザインも高級感があっておしゃれで……もうこの写真は4回ぐらい撮り直しましたね。

そうなんですか。

一度に何度も撮り直せる時間ってあんまりないんですよね。ほかに人がいたりすると撮りづらいですし……。

それに私のこだわりとして、エレボタを撮るためだけに乗るってことはしないんです。車椅子に乗っている方やベビーカーを押している方とかが優先して乗るべきものだと思っているので。ちゃんとエレベーターとして利用しているときに撮るってことは大事にしていて。だからエレベーターに乗る機会があるときだけ撮っています。

それだと撮れるタイミングってなかなかないですよね。

そうなんですよ! だから東京タワーやスカイツリーのボタンは、まだ撮れてないんです。

さすがに人も多いですし、ああいう高い建物だとガイドさんがいたりもするので。あんな感じなんだなーって遠目で確認してます。撮れないのがちょっと悔しいですね(笑)。

それでもすでに700枚以上収集しているんですもんね……こうやって見比べるとだんだん撮り方にこだわりが出てきている感じもしますね。

あの……エレボタが一番かわいく撮れる方法、知ってますか?

え? もちろん知りませんが。

斜め下から撮るのが一番なんですよ〜! ツヤ感とか分厚さとか全部わかるので。

あ、たしかにこれは斜めから撮られてる……。

仙台で見つけた“ボタンが丸見え”のエレボタを斜めから撮影

そう、かわいいですよねえ! これは仙台で見つけたもので。

普通はこれ(下の画像)みたいにまわりにカバーみたいなものがあったりするんですけど、さっきのにはないんですよね。ボタンが丸見えの状態で深く押せるっていうのがかわいくて……いろんな人に押されてきたからだと思うんですけど、まわりの部分が壊れちゃったり、ちょっと曲がってたりしてて、上なの下なのどっちなの⁉みたいな!

まわりにカバーのあるエレボタ

エレボタ初心者なので理解が追いついていませんが……譜久村さんの熱意はすごく伝わってきます。

白くて、丸くて、深く押せるアクリルのものが好きなんです。このタイプって古い建物とかにしかなくてなかなか見つからないんですよね。それでこの見た目じゃないですか。これ(仙台のエレボタ)はもう殿堂入りです!

譜久村さんは第二関節でボタンを押すと聞きましたが、これも……?

いや、これに関しては人差し指一本ですね。

あ、そうなんですか。

ここぞってときは指一本でいきます。このボタンは押し心地は硬そうに見えるけど意外にスカッとしてる感じで、深いけど軽めに押せるんですよね。

譜久村 聖のBESTエレボタ:第2位

逆にこういうエレボタは嫌だ、とかもあるんですか?

清掃されてないエレベーターですね。手の跡とかがしっかり残ってたりすると、エレボタにたどり着く前にちょっと嫌になる感じで。あんまり触りたくないみたいな。

好きだからこそなんでもいいというわけではないんですね。

はい、まずは清掃されているかはチェックしますね。

では、そのチェックを通過したお気に入りエレボタ2位はどれですか?

これです! かなりレアなんですよ。

第2位に輝いた、レアなエレボタ

よく見かけるような気もしますが……。

昔からあるタイプのエレボタではあるんですけど、このデザインは意外になかなかないんです。このサイズ感と艶感のバランスがすっごくかわいくて。

この小さいボタンの中にめいっぱい大きな絵柄が入っているのがポイントです。で、押したときにカチッとなるのがまたいいんですよね……。

やっぱりレトロなデザインに惹かれるんですね。

洗練された感じも好きですよ! たとえばこれは、最近見つけた新しいパターンのエレボタです。触ったときに凹凸を感じないんですよ。

洗練されたデザインのエレボタ

こういう雰囲気のものって空港とかに多いのかな……でもそれともまた違って世界観がめっちゃ好きでした。なんていうんだろう……とにかく「世界観」が意識されているのを感じたんですよね。押し心地といい、デザインといい、すごくよくて。触った瞬間、笑顔になりました。うわー、久しぶりに出会った! こんなボタン!と思って。

譜久村さんのキラキラした顔をファンの方にも伝えたいです。

Instagramにエレボタ写真を「かわいい」って投稿することもあるんですけど、ファンの方からは「どこが?」とは言われます(笑)。

マニアの方にしかわからないかわいさっていうのがあるのかもしれないですね。

エレボタに感じるちょっとしたアクシデントに惹かれるんですよね。ボタンに誰かのネイルがついちゃってたりとか、文字がかすれてたりとか。

エレベーターっていろんな人が乗ってるじゃないですか。中には一度しかこれに乗らない人もいて。どんな人がこのボタンを押してきたんだろうなとか考えたりして。

譜久村 聖のBESTエレボタ:第1位

ボタンの中にある物語まで想像されているんですね。

そうなんです! ちなみにこれが1位のお気に入りボタンなんですけど……。

これ気になってました。なんで2枚あるのかなと。

ある日メンバーが「かわいいボタンがあったんで撮りました」って写真(上画像①)を送ってくれたんです。で、あれ? なんかこれ見たことある!と思ってカメラロールを遡ったら、私も2012年に同じ場所で写真(上画像②)を撮っていて!

へえ! たしかに見比べると年季が違いますね。

傷が全然違うじゃないですか。わ〜10年もがんばるとこうなるんだ!みたいな。もともとデザインも押し心地も好きだったんですけど、そういう思い出も込みで、お気に入りボタン1位にしました!

にしてもこうしていろいろ紹介いただくと、エレベーターからいろんな歴史を感じますし、ユニバーサルデザインを意識してか、どんどん変化していっていることも伝わってきます。

そうなんです。たとえば、これは閉まるボタンが左にある珍しいタイプなんですよ。今よく見かけるエレボタって、基本的に右に閉まるボタンがあって。もしかしたらこれは、開閉ボタンの位置が逆だった時代に生まれたものなのかも。

あと私は好きなんですけど、深く押せるタイプのエレボタが少なくなっているのもそういうことなのかな。

珍しいボタン配置

なるほど……押し心地だったり、デザインだったり、位置だったり、シンプルなデザインの中にもいろんな工夫が凝らされているんですね。勉強になりました。

今回はいいエレボタをそろえられたんじゃないかなと思っています!

きっとこれからもエレボタ収集は続くと思いますが……。

はい、続きます!

今後の展望は何かありますか?

いろいろあります。自宅にお気に入りのエレボタがついたエレベーターを設置したいとか、あとは新しい施設が建てられるときにエレボタのデザインにも携わりたいですし、島田電機さんとのコラボグッズも作ってみたいです。

ボタンをアピールしながら、私なりのグッズにできたら最高だなと思っています!

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奈都樹

(なつき)1994年生まれ。リアルサウンド編集部に所属後、現在はフリーライターとして活動しながら、クオーターライフクライシスの渦中にいる若者の心情を様々な角度から切り取ったインタビューサイト『小さな生活の声』を運営中。会社員時代の経験や同世代としての視点から、若者たちのリアルな声を取材している。

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