【『QuizKnock 僕たちの現在地』発売記念】伊沢拓司も在籍した開成学園クイズ研究部に密着「クイズは答えるだけじゃなく、活躍できる場所がいろいろある」

2024.10.14
開成学園

文・編集=梅山織愛 撮影=晴知花


伊沢拓司も所属した開成学園クイズ研究部は、現在も名門として、さまざまな大会で結果を残している。そんな彼らの強さの秘密を探るべく、活動を取材した。

本稿は9月25日より発売中の『Quick Japan SPECIAL:QuizKnock「僕たちの現在地」』より転載したものです。

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答えるだけではないクイズの魅力

開成学園クイズ研究部は現在、中学生から高校生まで新入部員を除くと20名程度で活動中。部活動は週に4回で、長期休みも変わらず活動している。

目指すのは、彼らも出演した『新しいカギ』(フジテレビ)の「高校生クイズ何問目?」や毎年夏に全国放送される『全国高等学校クイズ選手権(通称、高校生クイズ)』(日本テレビ)など、メディアで放送される大会だけではない。今回、取材を行った8月上旬は、『若獅子杯』に向けて中高生とともに対策を行っていた。

この日は、生徒同士で解答者と問い読みを交代しながら早押しを実践。競技クイズは大会によって勝ち上がり数などのルールが違うため、さまざまなルールのもとで行っていく。彼らが使用している早押し機は大会本番でも使用されるものと同じ。実は昨年、伊沢から送られたものだそうだ。

開成高校
活動はすべて生徒同士で行う

大会に向けて、早押しの実践だけでなく、個々が部活動以外の時間でも問題集で対策を行う。早押しでは問題文のどこで押せるかがカギとなるため、答えを確定できるポイントも含めて暗記。実際に勉強に使用している問題集を見せてもらうと、それぞれのやり方で対策の印が記載されていた。

メディアで放送される大会は団体戦が多いが、中高生が出場するオープン大会はほとんどが個人戦。そのため、部活動の仲間も大会ではライバルになる。この日行われていた早押しでも先輩後輩関係なく、全員が真剣勝負。そのなかでも、相手の知識や早押しのスピードを称賛するなど和気あいあいとした雰囲気で活動を行っていた。時にはおすすめの問題集についての情報交換なども行うそうだ。

校内では9月下旬の文化祭に向けて準備中。3万人程度が来場する開成高校の文化祭でクイズ研究部は毎年、主に小学生に向けたクイズを作成、さらに先輩から受け継いだ問題も活用して早押しクイズの体験会を実施する。さらに、毎年11月ごろには部員が一丸となって大会を主催。OBの手も借りながら、8月中から問題の作成やレギュレーションの確認を行っていく。

彼らはクイズを楽しむだけでなく、「クイズ」という文化を広げていくための活動も行っていた。そんな「クイズ」への愛こそ、彼らの強さの秘密なのだろう。

競技クイズを始めたきっかけは?

この日、部活に参加していた部員に「競技クイズを始めたきっかけ」「競技クイズの魅力」を質問。クイズ自体に興味がなかった部員も徐々にその魅力にハマっていったという。

「中学2年生までは別の部活に入っていましたが、なかなか身が入らなくて。だけど何かしらがんばりたいと思い、中学3年生のときクイズ研究部の体験会に参加。部活動の雰囲気がよくて、ここでなら自分もがんばれそうと思い入部しました」

「開成高校の中でも有名な部活なので、最初は同級生も60人くらいいたんです。僕もまわりの同級生に流されて入ったんですけど、先輩たちもよくしてくれたし、クイズも楽しかったので、続けています」

「『高校生クイズ』を小学生のときに観てクイズに興味を持って、せっかく開成に入ったんだから自分もクイズをやってみたいと思い、入部しました」

「小学生のころから『東大王』などのクイズ番組を観ていて、こんなに早く押してすごいな、とクイズプレーヤーに憧れていました」

「先輩たちを筆頭に、クイズが強くて、人としても尊敬できるクイズプレーヤーの人たちのようになりたいです」

「新入生歓迎会のとき、興味を持っていた部活の列があまりにも並んでいたので、それだったら人と違う部活に入ろうかなと思い、そのときはあまり人がいなそうだったクイズ研究部に入りました」

競技クイズの魅力は?

「クイズに対しての勉強は、基本は座学で問題集と向き合う時間が長いのですが、そういった時間が大会で報われたとき、とても達成感があります」

「オープン大会はほとんど個人戦なので、自分自身の力が試されたり、成長を感じられるから楽しい」

「自分はあまりクイズ自体は強くないけど、答えるだけじゃなくて問読みなど自分が活躍できる場所がいろいろあって楽しい」

功績の証が眠る部室

校舎から少し離れた場所にある部室棟の2階にあるクイズ研究部の部室。物置きと化していたが、これまでの功績の証やクイズに欠かせないアイテムが置かれていた。

開成高校
ほとんど文字が消えてしまった部室の表札
開成高校
もともと「社会科研究部」と同部屋だった部室。現在はクイズ研究部の物が多いという
開成高校
天井に置かれた大きなパネル。その正体は……
開成高校
伊沢らが『高校生クイズ』で優勝した際に送られたパネル。15年以上前のものも今でも部室に保管されていた
開成高校
5位に入賞した2024年4月の『EQIDEN』出場時のネームプレート

本稿は現在発売中の『Quick Japan SPECIAL:QuizKnock「僕たちの現在地」』にも掲載。本誌では、さらに詳しく「クイズカルチャー」について紹介している。

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梅山織愛

(うめやま・おりちか)1997年生まれ。珍しい名前ってよく言われます。編集者・ライター。自他共に認めるミーハー。チョコレートとかき氷が好き。

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