街から姿を消しているトイレットペーパーが!?
早足で歩けば15秒くらいで一周できてしまいそうなコンパクトな店内。そこに、子どもの頃に訪れた西友の2階と変わらない、時が止まってしまったような空気が満ちている。勝手に2階もあるものと思っていたが、エスカレーターは封鎖され、マネキンが並べられている。いつの頃からか規模を縮小した結果なのかもしれない。店内の構成は、やはり「どこで売ってるんだろう?」系の婦人服がメイン。だが、若干渋めのものが多かったライフに比べ、攻めたデザインのものが多いような気がする。着こなしとモデルによっては、めちゃくちゃファッショナブルになりそうな気がしないでもない。それに比べ、やっぱり地味なのが男性用の衣料品コーナーで、お決まりのように真っ白いTシャツが並んでいる。そのほかに、かなり厳選された日用品コーナー。意外だったのが、昨今のコロナウイルス騒動による買い占めの影響で、たいがいのスーパーや薬局から姿を消しているトイレットペーパーが普通に売られていた。これが盲点ってやつか。家の在庫が心細くなってきたらここに買いに来よう。
ここでは、普通に欲しいと思った「天ぷら敷紙」を購入。SUNNAPというメーカーの商品で、レトロなデザインが好ましい。それから、我が家では台所用のスポンジを、100均などで適当に買うのではなく、「Scotch Brite」というブランドのものを使うと決めている。そのほうが洗剤の泡立ちがよく、結果的に経済的だし、何より僕は皿を洗うのが好きなのだ。快適な洗い心地は、家事を超えたエンターテインメント。まなマート2号館は、数少ないスポンジラインナップに占めるScotch Briteの割合が高く、非常に信頼できる。が、その中にひとつ、聞き慣れないスポンジが並んでいる。キクロン株式会社製の「キクロン」。パッケージには「たわしの革命児」とある。これまたレトロなデザインが素敵で、何よりキクロン1本で株式会社を立ち上げてしまっているくらいだから、きっといい商品に違いない。その洗い心地を確かめるため、これも購入。
最後は「西友」。ここもまた変則的な構成になっていて、メインの食料品売り場は地下1階だ。それから1階が日用品のフロア。2階は衣料品などのフロア。2どころか3フロアで構成されており、石神井では最も大規模なスーパーということになるだろう。
今回、最上階である2階を改めてじっくりと訪れ驚いた。ライフやまなマートとは違い、割とファストファッション寄り、つまり、若い世代でも違和感なく着られるデザインのオリジナル衣料が多く並んでいるイメージだったんだけど、そのほかに、電化製品のコーナーがかなり充実している。AV用の各種ケーブルなども揃っていて、そういうものが欲しいとき、僕は新宿や池袋に出たついでに大型の家電量販店で買うことが多かったんだけど、なんだ、ここで買えたのか。
1階フロアは、キッチングッズが豊富なので、これまでも用もなく寄ってしまうことが多かった。が、よく見ると、医薬品や日用品、おもちゃのほかに、自転車売り場まである。もはや西友さえあれば生活に必要なものはすべて揃ってしまうんじゃないかというレベル。いかに自分が、視野狭くスーパーを訪れていたのかを思い知らされた。
事務用品のコーナーに電卓が並んでいる。そういえば、ちょっとした計算がしたいとき、スマホの電卓機能を使っていたんだけど、アプリを立ち上げるのが毎回まだるっこしく、使いやすい電卓が欲しいと思っていた。今こそ電卓を買うときだ! と、シンプルでちょっといなたいデザインが気に入った、CASIO製の「MH-10T」を購入。現在、早く計算をする機会が訪れて欲しくてうずうずしている。
普段は何気なく素通りしてしまいがちなスーパーの2階。改めて巡ってみたら、新鮮な発見がたくさんあり、また、胸を締めつけられるようなノスタルジーも存分に堪能できた。あなたの住む街にも、2階のあるスーパーはないだろうか? ノスタルジーは、きっとそこにある。