ME:I、“想像以上”の進化を続けたデビューからの4カ月「次の夏もここで待ち合わせしよう」

2024.9.1
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS

文=岸野恵加 編集=森田真規


11人組ガールズグループME:I(ミーアイ)が、2NDシングル『Hi-Five』のリリースを記念したショーケースイベント『“Hi-Five” RELEASE SHOW CASE』を8月27日に横浜市内にて開催した。

「Hi-Five」「Our Diary」の2曲をパフォーマンスし、ふたつのゲームコーナーを実施して、デビューから4カ月ながらも彼女たちの進化が大いに感じられた同イベントのレポートをお届けする。

グループの絆の深さを感じさせた「Hi-Five」パフォーマンス

サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』を通じて、2023年12月に誕生したME:I。アイドルとしての経験を持つメンバーから未経験の原石、音大生、長年の練習生期間を送ったメンバーなど、個性豊かな11人で構成されている。

4月にリリースしたデビューシングル『MIRAI』はオリコン週間ランキングで1位を獲得し、『Z世代が選ぶ2024年上半期トレンドランキング』では「流行ったアイドル部門」で1位に選ばれるなど、話題の絶えないグループだ。

結成から8カ月、そしてデビューからわずか4カ月とは思えないほど、彼女たちは濃密な日々を送ってきた。デビュー前に行われたファンコンサート『2024 ME:I LAUNCHING SHOW ME:ICONIC』は、国立代々木競技場第一体育館を含む全9公演で6.5万人を動員。その後も大型イベント、日本での音楽特番、韓国の音楽番組などへ引っ張りだこで、7月末にはアメリカ・ロサンゼルスに渡り、『KCON LA 2024』のステージでパフォーマンスを披露した。

ショーケースでまずパフォーマンスされたのは、『Hi-Five』のタイトル曲。メンバーが何度も手を合わせてハイファイブを繰り返す、弾けるようなサマーソングで、各種SNS、ストリーミングでの総再生回数は3億回を超えている。

ME:I (ミーアイ) ⊹ ‘Hi-Five’ Official MV

冒頭から満面の笑顔で明るいエネルギーをぶつけてくるメンバーに負けないくらいの熱気で、客席のYOU:ME(ME:Iのファンネーム)からは大きなかけ声が起こる。中には、発売されたばかりの公式ペンライトを手にしている人も多数。ME:Iの公式キャラクターであるME:EYEをかたどった猫型のペンライトが、フロアでキュートに光を放つ。

『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS

ME:Iのダンスの迫力やシンクロ率は、数カ月前にパフォーマンスを観たときよりも格段にアップしていた。そして8月より長期的に活動を休止しているTSUZUMIのパートを、ほかのメンバーがカバーして歌っていたことも印象的だった。

メインボーカルとして高音パートやフェイクなど難易度の高いパートを担当することが多いTSUZUMIだが、「Hi-Five」終盤の高音はMIUが見事に表現。メンバーがTSUZUMIの居場所を守りつつ、彼女への敬意と愛を込めて歌っていることがよく伝わってきて、胸に熱いものが込み上げてきた。

オーディション中から見違えたメンバーの進化

イベントでは「絵日記リレー」と「みんなで答えを合わせましょう」という、ふたつのゲームコーナーを実施。前半ではリーダーのMOMONA、後半では最年長のCOCOROが進行を担当していたのだが、経験豊富なふたりならではのスムーズな仕切りが心地よい。新人グループの活動初期はこうしたイベントではMCを立てるケースも多いが、メンバーのみで難なく成立させられることも、ME:Iの強みのひとつだ。

『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS

「絵日記リレー」ではCOCORO、RAN、SHIZUKU、KEIKO、RINONからなるAチーム、MIU、AYANE、KOKONA、SUZU、MOMONAのBチームに分かれて、お題の絵をひとり20秒ずつ描いてリレーしていくゲームに挑戦。

最初のお題はAチームが「花火大会に来たME:I」、Bチームが「キャンプをしているME:I」で、わちゃわちゃとやりとりをしながらも、それぞれ息を合わせて難なく正答。7月に放送された『プレバト!!』(MBS)で見事な画力を披露していたSHIZUKUはトップバッターを務め、花火をくっきりとわかりやすく描いていた。

『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS

ふたつ目のお題はAチームが「海でスイカ割りをした少年」、Bチームが「新幹線から見えた富士」。こちらはAチームが正解したものの、Bチームは惜しくも不正解。RINONは「貝とか魚とか、上手……!」と自らの絵を絶賛して、ポジティブで自己肯定感の高い“りんりんマインド”を発揮するも、なぜか波を縦線で表現するという独特の感性が話題に。

またMOMONAは、最後に太陽などよけいなものを描き足してしまい「それはいらんやろ」とツッコミを受けて笑わせていた。メンバーを導くしっかり者だが、お調子者で周囲を和ませる面もあるMOMONAがリーダーだからこそ、メンバーがのびのびと自分らしく振る舞えているのだろう。

「みんなで答えを合わせましょう」では、高級フルーツというごほうびが提示されたため、全員で解答を合わせるべく、さらに意欲を燃やす10人。1問目の「LAで食べたおいしかったもの」は惜しくも全員一致ならず、2問目の「一番夏が似合うメンバー」というお題では、大多数のメンバーがそろって、夏生まれのRANと解答。KEIKOのみ「みんな」と書いてしまうも、YOU:MEのあと押しもあって、なんとか正解判定をゲットした。

『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS

そのあとはしばしフリートークコーナーとなり、LAでの思い出や、今後コンサートで訪れたい都市について、YOU:MEも交えて盛り上がる。この日のイベントではYOU:MEとの距離が近いことをメンバーは喜んでおり、RANは冒頭に「みなさんとこの距離で会えて、すごく幸せです」と笑顔で話していた。自分たちとYOU:MEだけの空間でたくさんの愛を受け取れる機会は、メンバーにとって一番のエネルギー源になっているに違いない。

約40分間と限られた時間のイベントだったが、メンバーの変化や成長を感じる瞬間も多かった。MIUは遠い席のファンまで全方位に気を配り、トークではツッコミを入れるなどして、率先して場を盛り上げる姿が印象に残った。イベント終了時の去り際には、「(ずっと腕を上げていて)腕、疲れたよね。もう大丈夫だよ!」とYOU:MEに優しく声をかける。なかなか素を出せずに悩んでいた、オーディション中の彼女とは見違えるようだ。

仲間との絆を深め、ファンから愛を受け取ってどんどん進化していくメンバーの姿を見られることが、今後もより楽しみになった。

『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS
『“Hi-Five” RELEASE SHOWCASE』より (C)LAPONE GIRLS

「次の夏もここで待ち合わせしよう」

最後に歌われたのは、『Hi-Five』の収録曲「Our Diary」。歌詞では夏の思い出を残していく日記帳のような世界観が綴られ、心地よいミディアムスローのトラックに乗せて、メンバーはハンドマイクで優しく歌い上げていく。

KOKONAの「ぐるぐる回るプール」というパートではメンバーが顔を見合わせて笑うチャーミングな動作が盛り込まれ、最後のサビでは、AYANEが高音フェイクを抜群の歌唱力で披露。個性あふれるメンバーの歌声が堪能できるステージを、YOU:MEは噛みしめるように見つめていた。

会場を出てから耳に残ったのは、「Our Diary」の、夏の終わりを彩るような「次の夏もここで待ち合わせしよう」というフレーズ。結成から8カ月でさまざまな経験を重ね、猛スピードで進化してきたME:Iは、来年の夏、どんなグループになっているだろうか。正直想像もつかないが、“想像以上”の姿を見せてくれそうで、胸が高鳴る。

ME:I (ミーアイ) ⊹ ‘Our Diary’ Track Video

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岸野恵加

(きしの・けいか)ライター・編集者。ぴあでの勤務を経て『コミックナタリー』『音楽ナタリー』副編集長を務めたのち、フリーランスとして2023年に独立。音楽、マンガなどエンタメ領域を中心に取材・執筆を行っている。2児の母。インタビューZINE『meine』主宰。

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