『Quick Japan』のコンセプト「Dive to Passion」にちなんで、「私だけが知っているアツいもの」について綴るコラム企画「DtP」。
先日、21曲入りアルバム『BEST 2020-2023』をリリースした宅録家・perfect young ladyが明かす、ちょっと変わった歌詞作りのヒミツ。
こんな程度で傘をさすようなくだらないお前さ

「歌詞なら人に言えないことや恥ずかしいことを綴ってもいい」と気づいてから4年ほど経ちました。曲を作り始めたはいいもののパソコンや機材、なんなら音のこともよくわからない、それで自然と歌詞に重きを置くようになったのかもしれません。当初は自分のブログで書いていた嘘日記や“本当”日記からかいつまんで歌詞を作っていましたが、次第に「歌詞を作る」目的で文章を考えるようになりました。
何かテーマがあってそれに沿って書くことはあまりなく、基本的には15分くらいで書き終わります。それは適当にやっているつもりではなくむしろ、そのときの感情が如実に表れやすくなる気がするので、長考せずサクッと書くようにしています。人に言えないことを恥ずかしげもなく言えるのはここだけなので、脳のリフレッシュのためにも定期的に必要かつ楽しい作業です。歌詞を書くようになってから墓場に持っていくものが減りました。
ほとんどの作品は文字どおりの話ではないのですが、たまにそのままの意味を持っている場合もあります。「ピロートークマニア」という曲の「苦しい、天使になりたい」という部分や、「pure water」という曲の「忙しい職種最悪」という部分など。これは本当に苦しくて天使になりたいし、忙しい職種は最悪だという意味です。
またテーマに沿って書くことはないといいましたが、「技術のあるサービスマン」という曲にはテーマがありました。水道業者に部品代をぼったくられたことです。嫌なこともとりあえず歌詞にしちゃえば笑えるじゃないですか。
ただ本当に恐ろしかったのは、「PYLの疑惑・思惑」という曲の4分半に自分の人生をうまくまとめすぎてしまったことです。「早熟なことでなにかよくないことばかり」「あいまいなことそのままにして少しふざけた顔をして様子をうかがってる」「引き算から入ってうまいこといったつもりになれる気持ちいい薬」。ほかに人生をまとめすぎた例を挙げると、「PYLのそこんトコロ」という曲のラスト「迎えに来たの苔むしたプールにちやほやされない土のむせかえる蒸気」。恥ずかしいことや人に言ったらいけないことを、ここでは綴らせてほしいのです。
「こんな程度で傘をさすようなくだらないお前さ」
ね、人にこんなこと言ったら角が立つでしょ?
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