ENHYPEN、アンコール公演で見せたワールドツアーの到達点と“決意”「どんな運命が僕たちを導いても…」

2024.2.29

(P)&(C)BELIFT LAB Inc.

文=紺野真利子 編集=菅原史稀


7人組グローバルグループ「ENHYPEN(エンハイプン)」が2月23日から3日間、韓国・ソウルのKSPO DOMEで『ENHYPEN WORLD TOUR ‘FATE PLUS’ IN SEOUL』を開催。本公演は、2回目となるワールドツアー『ENHYPEN WORLD TOUR ‘FATE’』にて大成功を収めた彼らによるアンコール公演だ。

本稿では、「Sweet Venom」など新曲も含む26曲が披露された23日の模様を通じて、『‘FATE’』からさらに成長した7人の姿を捉えたい。

ダークで妖艶な雰囲気で始まった公演

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約3時間の公演は「Drunk-Dazed」でスタート。ENHYPENが得意とするダークで妖艶なパフォーマンスで、あっという間に観客を虜にした。残念ながらこの日は、メンバーのJAYが体調不良のため一部ステージは不参加となったが、JUNGWONは「JAYさんのために力強く叫べ〜!」とENGENE(ENHYPENのファンネーム)に呼びかけ、会場全体でJAYへ大きな声援を贈った。

この日の公演は、ファンを喜ばせるサプライズが盛りだくさん! 昨年11月に発売された韓国5thミニアルバム『ORANGE BLOOD』の収録曲である「Still Monster」のイントロが流れると、会場からは大きな歓声が湧き起こる。ツアーでは初披露となるこの曲は、ミディアムテンポの曲に合わせ、流れるような7人のそろった美しいダンスが見ものだ。

メンバーによる演奏&美声で魅了

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ユニットステージでは、SUNGHOON、SUNOO、JAKE、JAYが、JAYのアコースティックギターの演奏とともに「TFW(That Feeling When)」のアコースティックバージョンをパフォーマンス。HEESEUNG、NI-KI、JUNGWONの3人は、HEESEUNGの美しいピアノ演奏に合わせて「Just A Little Bit」を、情感たっぷりに歌い上げた。

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また、ユニットステージの前に行われたJUNGWON、HEESEUNG、NI-KIのMCタイムでは、JUNGWONがEXOの「Sing For You」をサプライズ披露! JUNGWONのとろけるような美声に、会場全体が魅了された。また、歌うJUNGWONの両端でペンライトを一生懸命振るHEESEUNGとNI-KIもかわいらしかった。歌唱後にはJUNGWONが「ENGENEのため“Sing For You”」と完璧なコメントを残し、さらに会場を沸かせた。

「Polaroid Love」ではメンバーたちがトロッコに乗り、ENGENEの近くへ。笑顔でハイタッチを交わしたりと、7人全員がENGENEと交流できることを心から喜んでいる様子で、とても丁寧にファンサービスを行っているのが印象的だった。

表現力の高さで示された、グループの“進化”

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続く「One and Only」では、たくさんのピカチュウがステージに登場。ピカチュウと楽しそうに一緒に踊る7人はキュートさ全開で、前半のダークで妖艶なステージとのギャップに驚く。こうしてさまざまな姿を見せてくれるのが、ENHYPENのライブの魅力のひとつだろう。

SUNGHOON、SUNOO、JAKE、JAYのMCタイムでは、SUNOOから「ソウルの『FATE PLUS』だけで見せる特別なステージがありますね」と振られたSUNGHOONが、ソロでジャスティン・ビーバーの「Boyfriend」を披露。繊細で優しい歌声で会場をうっとりさせた。本人も言っていたが、SUNGHOONの歌声はこの曲にとてもマッチしていた。ラブソングである「Boyfriend」をチョイスした理由について「ENGENEに伝えたいことなので選びました」と話すと、メンバーは「さすがENGENEの彼氏!」と盛り上げた。

「Just A Little Bit」チームと「TFW」チームでダンスバトルも開催。ENGENEの拍手と歓声で勝敗を決めるつもりが決められず、SUNOOがソロで愛嬌たっぷりに「Like I Do」ダンスを披露。会場からは「キヨウォ〜(かわいい)!」の歓声が鳴り響いた。JUNGWONも対抗してTikTokで流行中の「Loveable」ダンスチャレンジをするも、恥ずかしさのあまり倒れ込んでしまう姿が微笑ましかった。

そして公演終了後、SNSでも話題となったNI-KIのソロダンスブレイク。彼のダンススキルと表現力の高さを、「これでもか!」と見せつけたソロダンスで観衆を圧倒した。さらにこれまでのツアーでは披露していなかった「Fate」も今公演で初披露! 会場は喜びの歓声に包まれた。

ライブ終盤にもかかわらず、指先まで魂を込めたパフォーマンスを通じ、改めてその“進化”を実感させた7人。最後は『ORANGE BLOOD』のタイトル曲「Sweet Venom」で締め括った。

「もっと大きな感動を与えられる歌手に」

アンコールではオレンジの花で飾られたゴンドラに乗った7人が幻想的に登場し、「Orange Flower(You Complete Me)」を披露。会場全体をうれしそうに、目いっぱい見渡しながら、想いを込めて歌い上げる7人がとても印象的だった。

さまざまなジャンルの楽曲を披露し、さらに成長した姿を見せてくれたENHYPEN。どんなコンセプトもENHYPENの世界観に落とし込み、しっかりと表現できるのが彼らの強みではないだろうか。

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最後のあいさつではJAYが、「このように一周してまた成長した『FATE』ツアーを見せることができてとてもうれしいです。ENGENEがいるから僕たちもいます」とファンに感謝の気持ちを。

NI-KIは、「SNSの反応を見て、『なんで「Fate」をパフォーマンスしないの?』という声がありました(笑)。ENGENEのみなさんが喜んでくださって本当によかったです」と、今回の公演で初披露された「Fate」について言及。

SUNOOは、「僕は今日、個人ステージがなかったんですが……ここで言います! 僕は明日です!」と愛嬌たっぷりに翌日のソロステージを堂々と告知。

HEESEUNGは「まだ足りない部分が多いと思いますが、努力してENGENEの方々にもっと大きな感動を与えられる歌手になりたい」と、HEESEUNGらしい誠実な想いを語った。

JAKEは「世界中を回りながら、さまざまな場所にいらっしゃるENGENEにも会って、とても成長できたと思います。なので、僕、コメントもうまくなったでしょ(笑)? いつもどうすればもっとおもしろいのか考えて、もっと一生懸命努力するJAKEになります」と決意を語った。

SUNGHOONは「僕たちの運命の糸が、固く絶対に解けない結び目になるようにさらに努力する、そんなENHYPENになります」と、ENHYPENとENGENEの強い絆について語ると、JUNGWONも「どんな運命が僕たちを導いても、ENGENEの横にはENHYPENがいて、ENHYPENの横にはENGENEがいるという事実は変わりません」とコメント。

「ファンをもっと楽しませたい、喜ばせたい」という彼らの想いがギュッと詰まった『‘FATE PLUS’ IN SEOUL』は、まさにENHYPENとENGENEの運命の糸を強く感じさせる、あっという間の3時間だった。

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紺野真利子

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紺野真利子

エンタメ系ライター。俳優、アイドル、声優などのインタビュー記事やK-POP関連のコラムなどを執筆中。

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