「高校生らしいメイクとバニースーツの質感を見てほしい」セクシー衣装を着こなす『ハルヒ』や『GANTZ』のコスプレイヤーたちに聞いた“こだわり”

2024.2.26
(左から)Himaさん、Goldyさん、YUKOさん

文・撮影=ソムタム田井 編集=森田真規


2023年最後の大型コスプレイベントでもあった『コミックマーケット103』で、バニーガール衣装を着た『涼宮ハルヒの憂鬱』ヒロインや布面積少なめの衣装を着こなす『GANTZ』のレイカなどに扮したコスプレイヤーたちに、“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば、会場を彩るレイヤーたちの衣装を通してその時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも、参加する上での醍醐味のひとつ。2024年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるものの、まだ参加したことがないという方に向けて、本稿では2023年下半期に行われた大型コスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

ここでピックアップするのは、世界最大規模の同人誌即売会であり、コスプレが楽しめるイベントとしても知られる『コミックマーケット103』と、同時期に付近の会場で行われた『となりでコスプレ博2023冬』に参加していたコスプレイヤーたち。

2日間(2023年12月30日・31日)で27万人が来場した『コミケ103』には、新旧さまざまなアニメのキャラクター(に扮したコスプレイヤー)が集まり、写真撮影や交流を楽しんでいたが、その中にはバニーガール衣装を着た『涼宮ハルヒの憂鬱』ヒロインや、布面積少なめの衣装を着こなす『GANTZ』のレイカなど、刺激的なコスプレで会場を沸かせる参加者もいて、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていた。

そのほかにも、コスプレを題材にした人気コミック『2.5次元の誘惑(リリサ)』(2024年7月よりテレビアニメが放送予定)のヒロインや、『機動戦士ガンダムZZ』の主人公機・ZZガンダムを人間大で再現した造形レイヤーなど、こだわりの光る衣装で撮影に応じてくれた参加者も多く、同じ作品のレイヤー同士で集まって“併せ”を楽しむグループの姿も各所で見られた。

「2024年で原作が20周年を迎えるということで、ハルヒのコスプレをしてみました。今回は衣装の素材とデザインにこだわっていて、生地は厚みのあるものを選び、立体的に仕上げています。それとハルヒは高校生なので、メイクが派手になりすぎないように、ナチュラルな感じにしたところも意識したポイントです」(『涼宮ハルヒの憂鬱』涼宮ハルヒ/Himaさん)

『涼宮ハルヒの憂鬱』涼宮ハルヒ/Himaさん
『涼宮ハルヒの憂鬱』涼宮ハルヒ/Himaさん

「みくるちゃんの髪色は原作イラストとアニメで微妙に異なるので、今回はアニメ版を参考にしながらウィッグの色を調整しました。こだわったポイントを挙げるとしたら、たれ目メイクですね。私自身がちょっとつり目なので、できるだけみくるちゃんの柔らかい雰囲気を再現できるようにアイメイクをがんばりました」(『涼宮ハルヒの憂鬱』朝比奈みくる/YUKOさん)

『涼宮ハルヒの憂鬱』朝比奈みくる/YUKOさん
『涼宮ハルヒの憂鬱』朝比奈みくる/YUKOさん

「『GANTZ』が好きで、これまでにもいろんなバージョンのレイカのコスプレに挑戦してきました。今回の衣装も自作で用意したものですが、造形だけでなく、きれいに着こなせるように身体づくりも同時進行でがんばりました。武器も細部まで作り込んでいるのですが、見た目どおり、かなり重たくて……。なかなか自由に使いこなせないのが悩みの種です(苦笑)」(『GANTZ』レイカ/佐倉こむぎさん)

『GANTZ』レイカ/佐倉こむぎさん
『GANTZ』レイカ/佐倉こむぎさん

「原作コミックでも、キャラクターがこの衣装を着て『冬コミ』に参加するエピソードがあって。どうしても聖地(東京ビッグサイト)で、同じイベントに、同じ衣装を着て参加したいと思って、すべて自作で用意しました。スパンコール生地を使い、ウエディングドレスのような華やかな雰囲気に仕上げているので、質感にも注目していただけるとうれしいです」(『2.5次元の誘惑[リリサ]』753[マジョリーナ・マジョルーナ]/れいやさん)

『2.5次元の誘惑(リリサ)』753(マジョリーナ・マジョルーナ)/れいやさん
『2.5次元の誘惑(リリサ)』753(マジョリーナ・マジョルーナ)/れいやさん

「数ある『ガンダム』シリーズの中でも、ZZガンダムは特に中二病の心を揺さぶるデザインなので、どうしても作りたいと思って自作で用意しました。こだわったポイントは、スタイルを原作基準ではなく、デザイナーの大張正己先生の作画に寄せる方向性で設計したところです。その上で全体的なバランスを重厚かつ、メタリックカラーを採用するかたちでまとめて、昭和ガンダム特有の“テカリ(※)”を表現する造形に注力しました」(『機動戦士ガンダムZZ』ZZガンダム/Goldyさん)

※大張正己氏が手がける作品では、このテカリを“バリる”、“バリってる”と表現

『機動戦士ガンダムZZ』ZZガンダム/Goldyさん
『機動戦士ガンダムZZ』ZZガンダム/Goldyさん

QJWebでは2024年も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、リポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。

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ソムタム田井

(そむたむ・たい)ライター兼カメラマン。コスプレ文化の研究家として、『ORICON NEWS』『まんたんウェブ』『WebNewtype』『ファミ通.com』『Movie Walker』など、多数のWEBサイトや書籍に寄稿。コスプレイベントの企画やキャスティングを担当しつつ、世界コスプレサミット『Co..

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