2023年最後の大型コスプレイベントでもあった『コミックマーケット103』で、『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の女勇者や『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のビアンカ＆フローラ、『マドゥーラの翼』に登場するルシアなど、往年の名作ゲームのヒロインに扮したコスプレイヤーたちに“衣装やメイクに対するこだわりポイント”を聞いたレポートをお届けします。

コスプレイヤーに聞いた“衣装やメイクに対するこだわりポイント”

コスプレイベントといえば会場を彩るレイヤーたちの衣装を通して、その時期に旬のアニメやマンガ、ゲームなどを分析できるところも、参加する上での醍醐味のひとつ。2024年も全国各地でさまざまなコスプレイベントが開催され、いずれも大盛り上がりとなっている。

そうしたイベントに興味はあるものの、まだ参加したことがないという方に向けて、本稿では2023年下半期に行われた大型コスプレイベントをプレイバック。取材時に撮影させてもらったレイヤーたちの写真を掲載しつつ、それぞれに聞いた“コスプレに対するこだわりポイント”と併せて紹介する。

こちらでピックアップするのは、世界最大規模の同人誌即売会であり、2023年最後の大型コスプレイベントでもあった『コミックマーケット103』に参加していたコスプレイヤーたち。

2日間（2023年12月30日・31日）で27万人が来場した『コミケ103』には、さまざまなジャンルのキャラクター（に扮したコスプレイヤー）が集まり、写真撮影や交流を楽しんでいたが、中には旬のアニメやゲームだけでなく、往年の名作のヒロインに扮する参加者の姿も見られた。

『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の女勇者や『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のビアンカとフローラ、さらには1986年発売のアクションRPG『マドゥーラの翼』に登場するルシアなど、こだわりの光る衣装を着こなしたレイヤーが続々と集結し、それぞれに撮影のための長蛇の列ができていたのが印象的だった。

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「こだわったのは、ブロッコリーとも表現される特徴的な髪型の再現です。ボリューム感を把握するためにまずは絵に起こして、そこから形を作っていきました。そのかいあってなかなかいい感じに仕上がったのですが、その上からサークレットを被ると髪が押さえつけられて、せっかく整えたカールの角度も全部変わってしまって……。さらに数日かけて、『サークレットを被った状態できれいな形』になるように仕上げてきたのがこちらのウィッグです。それともう1点、編笠に革を貼って制作した“かわのたて”の造形にも注目していただけるとうれしいですね」（『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』女勇者／ミンミコさん）

「ビアンカのチャームポイントといえば三つ編みなので、入念にセットしました。内側をワッフルアイロンでふわふわにして、公式イラストのようなボリュームのある髪型になるように仕上げたのもこだわったポイントです。衣装はシンプルなデザインですが、質素になりすぎないように色合いには気をつけました。“たびびとのふく”のように、実際に冒険者が着ていてもおかしくない質感の素材で制作しています」（『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』ビアンカ／りゅうさん）

「フローラはお嬢様なので、衣装も華やかな雰囲気に仕上がるように生地や装飾を選びました。大きなリボンと腰まわりのデザインがお気に入りです。『ドラゴンクエストV』はシリーズの中でも特に好きな作品なので、ビアンカと一緒にイベントに参加できて本当に幸せです」（『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』フローラ／もちださん）

「2023年にサンソフトというゲーム会社の歴史をまとめた書籍が発売されたので、それを記念して、同社代表作のヒロインのコスプレをしました。衣装は友人に作ってもらったものですが、造形の細かさがポイントです。ウィッグは“2次元と3次元の間”を意識して自作で用意したもので、ボリュームのある前髪の再現にこだわりました」（『マドゥーラの翼』ルシア／せんすさん）

「こだわったのはウィッグの造形です。ナヴィアの髪型は特徴的な縦ロールなんですけど、今回は『3次元に彼女がいたらどんな髪型になるのか？』と考えながらセットしました。2次元の髪型をそのままマネするのではなく、現実で再現するとしたらどうアレンジするか？という点を意識して、こちらの形に落とし込みました」（『原神』ナヴィア／透さん）

QJWebでは2024年も、全国各地で実施されるさまざまなコスプレイベントに取材参加し、リポート記事を作成していく。連載形式で順次アップする予定なので、こちらもご期待いただきたい。